2018年6月16日土曜日

【教えて!狩人先輩!】第29話 挑ませて! ナルガクルガ!【モンハン二次小説】

■タイトル
教えて!狩人先輩!

■あらすじ
新米なのに先輩ハンターにされた少女のドタバタコメディ奮闘記。
※注意※2017/07/10に掲載された文章の再掲です。本文と後書が当時そのままになっております。

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【pixiv】、Fantia【日逆孝介の創作空間】、【ハーメルン】の四ヶ所で多重投稿されております。

■キーワード
R15 残酷な描写 モンスターハンターダブルクロス MHXX ライトノベル コメディ

■第29話

Fantia【日逆孝介の創作空間】https://fantia.jp/posts/12083
Pixiv■http://www.pixiv.net/series.php?id=635565
ハーメルン■https://syosetu.org/novel/69877/

第29話 挑ませて! ナルガクルガ!


「ナルガクルガは俺達新米ハンターにとってはちょっと……いや、メチャクチャ荷が重い相手だが、四人が力を合わせれば何とかなる!」

 酒場でテーブルを囲み、四人は顔を合わせていた。
 アウグだけはよそ見をしていたが。
「先輩、本当に何とかなるんすか?」ジトーッとアウグを見つめるオクトー。
「あぁ、何とかなる!」目を合わせないアウグ。「たぶん」
「私達では荷が重いのでしたら、別の歴戦ハンターに任せてはいかがでしょうか?」小首をことりと傾げるエネロ。
「大丈夫だ、俺達でも頑張れば何とかなる!」冷や汗が尋常な量ではないアウグ。「たぶん」
「先輩、どうして僕達と目を合わせないんだい?」不思議そうにパチパチと瞬きするフェヴラ。
「……な、何とか、なる」目を合わせようとして、その場にうずくまってしまうアウグ。「すまーん! 俺の軽率な判断でお前らを危地に送り込んでしまう事になった!!」それは紛う事無き土下座だった。
「先輩……」ポン、とアウグの頭に足を載せるオクトー。「断ればどうっすか?」
「お前優しく語り掛けてくる割には容赦無いのな!?」土下座したまま声を張り上げるアウグ。「違約金二十万ゼニーなんて払える訳無いだろ!? 新米ハンターだぞ!? そんな貯蓄は無い!!」
「先輩……」ポン、とアウグの頭に足を載せるエネロ。「でしたらもう四の五の言わず体を売るしかありませんね……私が手取り足取り教えますから、安心してください……ウフフ……」
「お前も容赦って言葉を知らないレヴェルで惨いよね!?」土下座したまま絶叫するアウグ。「ハンターなら体売らねえで体張って稼ぐんだよ!! 俺はハンターとして依頼を全うする!!」
「先輩……」ポン、とアウグの頭に足を載せるフェヴラ。「金の切れ目が縁の切れ目って言葉、知ってる?」
「お前らには血も涙も無いのか!? 無いんだな!? お前無知の割にはエグい言葉知ってるよね!? 惨過ぎるよね!? 仮にも先輩に掛ける言葉じゃないよね!?」土下座したまま阿鼻叫喚を奏でるアウグ。「てかお前ら何自然な流れで三人揃って俺の頭に足載せてんの!? 全力で誠意見せてる俺の心はズタズタなんだけど!? 捕獲できるレヴェルで瀕死なんだけど!?」
「先輩がそこまで言うなら手伝ってやるっすよ! 全く、仕方ない虫けらっすね、先輩ってば!」へへっ、と鼻の下を擦るオクトー。
「おい、聞き捨てならねえワードが紛れ込んでるんだが」般若のような顔を持ち上げるアウグ。
「先輩の熱意に免じて、ここは手打ちにしましょう」ポン、と手を合わせるエネロ。
「エロ姉さん……!」涙が流れそうになるアウグ。
「代わりに先輩の処女を私が頂くと言う事で一つ」「代償が重過ぎるんだよぉ!」スパァンッとエネロの頭を叩くアウグ。
「先輩がそこまで言うなら僕だって力を貸すよ!」ニコッと華やぐフェヴラ。
「お嬢……!」浄化しそうになってるアウグ。
「代価として二十万ゼニーでどうかな?」「その二十万ゼニーが払えないって言ってんだよぉ!」スパァンッとフェヴラの頭を叩くアウグ。
「分かった! もういい! お前らには頼まない!! 俺は別のハンターを探す!! これでいいな!?」半べそを掻きながらテーブルを叩くアウグ。
「先輩……」ポン、とアウグの肩に手を置くオクトー。「自棄になったら何でも許されると思ってんじゃないすか?」ボグシャァッと顔面にアウグの正拳突きが突き刺さった。
「――先輩。私達は何も、狩猟が嫌で断りたくてこんな事を言ってるのではありません」スッとオクトーの前に立つエネロ。「私達は先輩の指図を受け続けて、勉強もして、あんな事やこんな事をくんずほぐれつしてきました」「くんずほぐれつはしてないよね??」「そんな私達だからこそ言えるんです。――ナルガクルガは、早過ぎるのではないですか?」
 真剣な表情のエネロに、アウグは間に挟んだツッコミを忘れそうになるぐらい歯を食い縛り、神妙に頷いた。
「……あぁ、エロ姉さんの言う通り、俺達には早い……いや、早過ぎる相手かも知れねえ。相手は何せ、飛竜の一種なんだから、未だかつて無い、過酷な狩猟になると思う」そこで顔を上げ、アウグは告げた。「――だが、俺は挑みたいんだ。お前らが一緒に来てくれなくても、仮に一人で挑む事になったとしても、俺はどうしても、ナルガクルガに挑みたいんだ」
「……こんな頑なな先輩は初めてだよ」驚きに目を瞠り、フェヴラは姿勢を正した。「どうして先輩は、そんなにまでして、ナルガクルガを狩猟したいんだい?」
「……話せば長くなるんだが、聞いてくれるか?」真剣な表情で三人を見やるアウグ。
「あっ、長いと眠くなるんで巻きでお願いするっす!」ビシッと挙手するオクトー。「先輩、絶頂まで長いと交尾ってダレるんですよ?」頬を染めて目を逸らすエネロ。「僕、三行までしか頭に入らないから三行で纏めておくれよ!」ニコッと微笑むフェヴラ。
「……」
 俺の過去の話、三行で終わるのかー、と爽やかな涙を流し始めるアウグなのだった。

【後書】
 もうひたすら惨たらしい仕打ちを受ける先輩に、これには作者もニッコリ(外道並感)。
 1ヶ月振りくらいの配信になりましたが、安定のクオリティの三人組に安心感が込み上げますね……!
 と言う訳で次回、第30話「聞かせて! 先輩の過去!」……まさか先輩の過去が三行で終わるなんて……!(盛大なネタバレ) 次回もお楽しみに!w

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