2018年7月3日火曜日

【教えて!狩人先輩!】第33話 分かる!? アイルー語!【モンハン二次小説】

■タイトル
教えて!狩人先輩!

■あらすじ
新米なのに先輩ハンターにされた少女のドタバタコメディ奮闘記。
※注意※2018/04/02に掲載された文章の再掲です。本文と後書が当時そのままになっております。

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【pixiv】、Fantia【日逆孝介の創作空間】、【ハーメルン】の四ヶ所で多重投稿されております。

■キーワード
R15 残酷な描写 モンスターハンターダブルクロス MHXX ライトノベル コメディ

■第33話

Fantia【日逆孝介の創作空間】https://fantia.jp/posts/46440
Pixiv■http://www.pixiv.net/series.php?id=635565
ハーメルン■https://syosetu.org/novel/69877/

第33話 分かる!? アイルー語!


「――あら? あちらに見えるのは、アイルーじゃないかしら」

 リモセトスに追い駆け回されて命からがら逃げ果せた四人は、地図上で言う所の、エリア2に辿り着いたようだった。
 南国の物と思しき木々が生えた、茂みの中を流れる沢に当たるエリアで、多くの木々が林立しているにも拘らず、青空が窺える程度には視界は開け、日も差し込んでくる。
 そのエリアの随所をアイルーがトコトコと歩き回っており、探索しているのか、手に持つピッケルのような武器を装備して互いに指示を出し合って彷徨っている。
「確かここのアイルー達が苛められてるって話だったな」ルイルからの依頼を思い出して口に出すアウグ。「ちょっと話でも聞いてみるか」
「先輩まさか、アイルー語が分かるんすか!? 道理で先輩ネコっぽいって思ってたっすけど、やっぱりっすかぁ……」「待て待て何がやっぱりだグルァ!!」スパァンッ、とオクトーの頭を引っ叩くアウグ。
「先輩がアイルーみたいに喘いだら、可愛いですよね……」「お前は何の話をしてるのかなー? 張り倒すぞー?」「勿論セック」エネロの顔面にアウグのドロップキックが突き刺さる!
「先輩はナルガクルガだもんね、アイルーの言葉くらい楽勝だよね!」「勝手に人の事をモンスターにしないでくれる!? ナルガクルガの装備が好きなだけだからね俺!? ナルガクルガ本人じゃないからね!?」パパパパーンとフェヴラの頬を張りまくるアウグ。
「アイルーの中には、人語を解する頭の良い奴がいるって聞いたから、確認だよ確認! 俺はアイルー語なんて使えないからな!」
 プンスコと頭から蒸気を上げながら三人の元を離れ、アイルーに近づいて行くアウグ。
 アイルーはアウグに気づき、きょとんとした様子でアウグを見上げた。
「あー、えーと、こんにちは、かな?」小さく手を挙げるアウグ。
「ニャ?」不思議そうに小首を傾げるアイルー。
「通じないか……? えーと、ナルガクルガ……おっきい、ドラゴン! こんな、えーと、こう、四つん這いで、走り回る、飛竜、見なかったか?」身振り手振りを交えて必死に説明するアウグ。
「あー、あいつね、あのクソまっくろくろすけ。まじやばいんすよあいつ、最近俺らのシマを荒らし回っててー、まじ迷惑してるんすわー」
 アイルーが返答を発した瞬間、アウグの思考が凍り付いた。
 アイルーはそんなアウグを見上げて、「あ?」と小首を傾げた。
「おたく、ハンターっしょ? もしかしてぇー、あのクソまっくろくろすけ、ぶっ殺しに来たんじゃないっすかぁ? まじ感謝っすぅーあのクソ野郎早くぶっ殺してくださいよぉーまじ俺ら迷惑してるんでぇー」
 ニチャァ、と下卑た笑いを浮かべて告げるアイルーに、アウグの顔が仏一歩手前まで近づいた。
「何か違う……ッ! 俺の求めていたアイルーと……何かが圧倒的に違う……ッ!」四つん這いになって大地を叩きつけるアウグ。「何だこのクソチャラい感じのアイルーは……ッ!! 俺はこんな奴を救うために、ナルガクルガを捕獲しに来たのか……ッ!!」悔し涙さえ流し始めた。
「せんぱーい、何か分かったっすかー?」そこに三人がぞろぞろとやってきた。「何で悔しそうにうずくまってるんすか?」
「……このアイルーの言葉を聞けば、全て分かる……」アイルーの肩を叩くアウグ。
「えっ? 俺っすかぁ? 俺、何かやばい事言っちゃったっすかぁ? まじやべーっつーかー、姐さん、もしかして俺らの言葉、分かっちゃってる系っすかぁ?」
「えっ?」
「先輩、自分達、アイルー語分かんないっすから、何言ってるかさっぱりっすよ?」「そうですよ先輩、ニャーニャーって言われても、私……濡れたりなんか……ハァハァ……」「ニャーニャー! ニャーニャー! 先輩! 僕の“こんにちは! お腹空いたけどお昼どうする?”ってアイルー語、伝わったかい!?」
 アウグはアイルーと三人を何度も見直して、改めてアイルーに視線を戻した。
「も、もしかして……俺、アイルー語、分かるのか……?」恐る恐るアイルーに話しかけるアウグ。
「っべぇー、姐さん、自分がアイルー語分かってんのに分かるのか? って自問しちゃうところぉー、まじっべーっつーかー、超クールだと思うぜぇー?」
 アウグは、初めて自分に、他者にはない特別な力が有る事に気づけた。
 それは、アイルー語を完全に理解している、と言う力。
 併し――併しこの力はあまりにも……
「……聞いてくれ。俺はどうやら、アイルー語が分かっちまうらしい。分かっちまうらしいんだが……」
 このアイルーを、全力でぶっ飛ばしてえ……
 爽やかな涙を流しながら、サムズアップするアウグに、三人のハンターは何かを察したように、一緒にサムズアップして笑顔を見せるのだった。

【後書】
 こんなアイルーいたらぶっ飛ばしてるわーってネタを綴りたかったんです(ご挨拶)。
 全力で張り倒したい!!! と言う訳で先輩がマトモな反応をしているのが正しいのに笑いが込み上げてくる感じの奴です(笑)。
 ともあれこの生意気にも程が有るアイルーを助けに来た訳ですからね! 無碍には扱えない! けれど腹立たしい!! 先輩の良心と怒りが天秤する!!ww
 そんなこったで次回、第34話!「激おこ! カンカンの先輩!」…うん、まぁ、そうなるよね!ww お楽しみに!ww

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