2018年10月8日月曜日

【教えて!狩人先輩!】第36話 眩しい! 閃光玉!【モンハン二次小説】

■あらすじ
全力だ!! 全力で奴を皆殺しにするぞウオオオオッッ!!

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【pixiv】、【ハーメルン】の三ヶ所で多重投稿されております。

■キーワード
R15 残酷な描写 モンスターハンターダブルクロス MHXX ライトノベル コメディ

Pixiv■http://www.pixiv.net/series.php?id=635565
ハーメルン■https://syosetu.org/novel/69877/
■第36話

第36話 眩しい! 閃光玉!


「おい見ろ! ナルガクルガが来たぞ!! 全員構えろ!! 全力だ!! 全力で奴を皆殺しにするぞウオオオオッッ!!」

 ナルガクルガを視認して完全に箍が外れてしまったアウグを見て、後輩三人は目を見合わせる。
 その間、ナルガクルガは己の咆哮を掻き消したアウグを見て困惑しているのか、目を点にしてアウグを矯めつ眇めつしていた。
「どうするっすか? このままだと先輩、捕獲するどころか討伐通り越してミンチにするっすよ、あのナルガクルガ」ひそひそと声を上げるオクトー。
「先輩、完全にお脳がお月様までお吹っ飛びになってますね……でも、私達では先輩の暴走は止められないわ。ミンチになる対象が私達になるだけだもの」ひそひそと声を上げるエネロ。
「じゃあここは、先輩の指示を聞くふりをしつつ、先輩を何とか制御できるか試しながら狩猟を進めていくしかないね。出来なければ僕達が皆殺しになるだけだけど」ひそひそと声を上げるフェヴラ。
「ッシャオラーッ!! 掛かって来いよナルガクルガァァァァッッ!!」
 三人の密談など全く気付かない様子で、ナルガクルガを前に感情が燃え立っているアウグは、飛竜を前にひたすら“カモンカモン!”と身振りを交えて煽っている。
「……あれを制御するんすか?」視線を逸らすようにエネロとフェヴラに顔を向けるオクトー。「完全に狂れてるっすよ??」
「するかしないかじゃないの、やらないと終わりなのよ」オクトーの肩をポン、と叩くエネロ。「いいわね? 今回私達は普段以上に、……いいえ、普段の五千兆倍真面目にやらないと、ナルガクルガか先輩に、――狩られるわ」
「……まさか先輩がここまでぶっ飛んでるハンターだとは思いたくなかったけれど、仕方ないね」双剣・ベルダーダガーを抜刀するフェヴラ。「僕達だって先輩と一緒に狩猟の経験を積んで来たんだ、本気を見せる時が来たって事だね!」
 三人の女傑(新米)は英雄っぽい表情でナルガクルガを見据えた。
 ナルガクルガは眼前で煽り立てるアウグに白い目を向けていたが、背後の三人に気づき、遂に戦意を取り戻した。
「ガァァァァッ!」
 咆哮を上げて、素早い動きで飛び掛かってくるナルガクルガに、三人は散るように回避した。
 頭上を飛んで行ったナルガクルガに、アウグは「待てやグルルルルァァァァッッ!!」と、モンスターの咆哮みたいな雄叫びを上げてライトボウガン・ハンターライフルを構え、素早く弾丸を装填すると、即座に射撃にシフトした。
 ガンッ、と言う砲声と共に弾丸が射出され、弾丸――通常弾Lv2はナルガクルガの前脚に付随する鋭利な翼――刃翼に、ガキンッ、と言う硬質な音を以て着弾した。
 ナルガクルガはアウグの攻撃など意に介した様子も無く手近にいたハンター――オクトーを回り込むように飛び跳ね、空中から襲い掛かる――ッ!
「奥さん!」アウグの悲鳴と共に、オクトーは「先輩!」と咆哮を上げた。
 オクトーがナルガクルガの攻撃を前方に向かって飛び込んで回避すると共に、アウグに見えるようにナルガクルガの前方を指差す。手には、手のひら大の球体の道具が握られている。
 アウグはその時ハッと我に返った。オクトーは自身に指示を出している事が即座に分かったのだ。
 あの手のひら大の道具は、閃光玉。眩い光を迸らせ、モンスターの目を眩ませる道具。アレでナルガクルガの視界を奪おうと言うのだろう。
 ナルガクルガは素早い動きで二転三転と古代林を飛び回り、アウグには目で追えていないが、オクトーは或る方角を指差して、何かを放る仕草を何度もしている。
 アウグは親指を立てて頷いた。恐らくその方角に閃光玉を投げるから、目を逸らせと合図だけで知らせているのだろう。
 そんなオクトーのハンターとして熟達した動きに、アウグは忘我していた己を恥じる位に感動していた。あの嘗め切った態度の新米ハンターが、こんな熟練のハンターみたいな動きが出来るようになった事が嬉しくて仕方ないのだ。
 改めて、しっかりナルガクルガ捕獲の狩猟に臨もう――そう決意を新たにナルガクルガと逆方向を向いて閃光玉が破裂するのを待っていたら、眼前に何かが飛んできて、――爆発。アウグの視界は光に閉ざされた。
「ウッッギャアアアアッッ!!」目を押さえてのた打ち回るアウグ。「アッレェェェェ!? おかしいなぁ!? 何で俺の眼前に閃光玉が飛んできたのかなあ!?!?」視界を焼く光の爆発にアウグがもんどりを打っている!
「皆! 今がナルガクルガを攻撃するチャンスっす! 行くっすよー!」鬨の声を上げるオクトー。
「おーっ!」「あぁんっ!」フェヴラとエネロの声が重なった。
「なんで!? 一人閃光玉で悶絶してるハンターがいるよ!?」目元を押さえて咆哮を上げるアウグ。「おかしいなあ!? これモンスターにはドチャクソ効果が有るけど、ハンターにはあんまり効果が無いって道具じゃなかったっけええええ!?」
 アウグの絶叫に応える声は無く、ナルガクルガの咆哮と、武器が叩きつけられる音だけが聞こえてくる。
 暫くして視界が回復したアウグは、目を何度も瞬かせると、音源に視線を向けた。
 ナルガクルガの姿は無く、汗だくの三人のハンターの姿が映った。
「いやー、やっぱり強いっすねナルガクルガ! ヤバいっすよ、チョーヤバい!」ふぅーっと疲労感の漂う吐息を漏らすオクトー。「あっ、先輩! 大丈夫だったっすか?」
「大丈夫だったってお前……」般若顔でオクトーに歩み寄ろうとしたアウグだったが、その前にエネロとフェヴラが立ち塞がった。「お、おう?」
「先輩、大丈夫ですか? 奥さん、誤って閃光玉を間違った方向に投げちゃって……もう視力の方は戻りましたか?」心配そうにアウグの目元をぺたぺた触るエネロ。
「奥さんってば、ドジっ子だよね! でも先輩、後輩のミスはその大きな懐で受け止めてくれるんだよね! 先輩ってば器が大きいハンターだからね! 僕達は安心してミスが出来るよね!」グッと親指を立てて微笑むフェヴラ。
 二人にグイグイ来られて、アウグはたじたじになった後「お、おう、まぁ、そうだな、次から気を付けろよなっ!」と鼻の下を擦ってそっぽを向いた。
「よし……まず初戦は何とかなったっすね……」「次も通じると良いのですけれど……」「誤魔化すのも限度が有るよね……」
 アウグがそっぽを向いた瞬間、即座に三人は集まってぼそぼそと密談を交わしたが、アウグは不思議そうに「何してんだお前ら? ナルガクルガを追うぞ! ってペイントボール付いてねえじゃねえか!」とすぐに意識をナルガクルガに向けて、狩場を駆け抜けて行く。
 三人はほぅーっと安堵の溜め息を零すと、アウグを追って狩場を駆けて行くのだった。

【後書】
 一体これは何ゲーなんだ…(困惑)。
 と言う訳で今回は暴走しまくりの先輩をどうにかしながらの狩猟と言う、訳の分からない展開になっておりますが、いやー愉しいですわ(笑)。ぶっ飛んだギャグコメディならではの展開なので、綴る時もフリーダムなのでな!w
 併し、そんなギリギリの狩猟も長続きする訳も無く…? 次回もお楽しみに~♪

2 件のコメント:

  1. 更新お疲れ様ですvv

    一体これは何ゲーなんだ…(笑顔)。
    さすが先輩と共に戦って来た3人只者ではないぞぅw
    うまく丸め込めると良いですねw(でないと終わり)

    今回も凄まじいぶっ飛び具合です!
    ニヨニヨしながら綴っている先生が目に浮かびますw
    フリーダムヽ(゜▽゜*)乂(*゜▽゜)ノ バンザーイ♪

    今回も楽しませて頂きましたー
    次回も楽しみにしてますよーvv

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    1. 感想有り難う御座います~!

      ほんとに何ゲーなんだこれは…(笑)w
      そうなんですよ!w 先輩も大概ですが後輩三人組も大概なんですよこれ!ww
      (でないと終わり)がほんと深刻過ぎてヤバいです!ww

      いえーい!w 凄まじいぶっ飛び具合と言われて跳ね喜ぶ私です!(笑)
      ニヨニヨしながら綴り、ニヨニヨしながら読み返し、ニヨニヨしながら投稿する…更に! とみちゃんの感想を読んでニヨニヨできると言う四段構え!!!
      有り難うとみちゃん!フリーダム\(^o^)/バンザァァァァイ!

      今回もお楽しみ頂けたようでめちゃんこ嬉しいです~!!
      次回もぜひぜひお楽しみに~♪

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