2019年3月17日日曜日

【神否荘の困った悪党たち】第61話 神否荘の夏休み最後の日AM:06:00【オリジナル小説】

■あらすじ
ふいーん。

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【カクヨム】の二ヶ所で多重投稿されております。

■キーワード
日常 コメディ ギャグ ほのぼの ライトノベル 現代 男主人公


カクヨム■https://kakuyomu.jp/works/1177354054881797954
■第61話

第61話 神否荘の夏休み最後の日AM:06:00


「ニャッツさーん、起きてる~?」

 こんこん、とノックしながら扉を開けると、ニャッツさんが包まって眠っていた。可愛い。
 俺はくぅくぅ寝息を立てるニャッツを抱き上げて、トコトコ部屋を出てトイレの前にそっと置いた。
「……なにこのネコ」奈子ちゃんが怪訝そうにニャッツさんを見つめてる。
「ニャッツさんだよぉ。宇宙最強の皇帝だったかな」もうあんまり設定を憶えてない。
「ふざけろよ手前……」奈子ちゃん、見た目小学生女児なのに口の悪さがやくざクラスなんですけお……「このネコに何が出来るってのよ! 殺すぞ!!」こえぇ……
「えーと、まぁアレだよ、起きたら何かしてくれるよ。たぶん」サイコキネシスで呪い解けるかも知れないし。
「ああああ腹立たしいィィィィ」奈子ちゃんがトイレの中で髪を掻き毟り始めた。「あの日色って奴出しなさいよぉぉぉぉあのクソアマ絶対に叩き殺してやるんだからぁぁぁぁ!!」カンカン過ぎる。
「メイちゃん、あの、あのお化けさん、何とか落ち着かせられないかな?」ひそひそとメイちゃんに耳打ちする。
「鎮圧ですか?」「テロじゃないんだから」「ではこのスタングレネードを」「俺が無力化される奴ぅ!」
 うーん、どうにもならない。ニャッツさん起きないし。
「仕方ない、もう一人起こしてくるからちょっと待ってて」ペタペタと廊下を歩いていくよ。
「不安しかないわ……」奈子ちゃんの果てしなく呆れ果てた声が背中に浴びせられるぅ。
「ラヴファイヤーくーん、起きてるー?」
 こんこん、とノックすると、部屋の中から「我の眠りを覚ます者は誰ぞ……」ってすんごい低音が聞こえてきた。ヤバい。
「俺じゃないでーす」そっと扉から離れて、トイレに戻って来た。
「あ? 起こさないの?」
「今起こしたらアレだよ、たぶん人類滅ぶ奴だよ」ひそひそと奈子ちゃんに耳打ちする。
「何で住人起こすだけで人類滅ぶのよ……お前いい加減にしないと(ピーッ!)玉毟り取るぞ……」ひえぇ自主規制音が入るヤバさ。
「うーん、仕方ない。別の住人起こしてくるお」トコトコ廊下を歩いていくよ。
「何なのこの間抜けなやり取りは……気が狂いそうだわ……」奈子ちゃんの殺意溢れる呟きが聞こえる。こえー。
「マナさーん、起きてますー?」
 こんこん、とノックすると、「はーいー」とのんびりしたマナさんの声が聞こえてきた。
 ガチャ、と扉が開くと、マナさんが四つん這いになってカサカサと素早い動きで俺の横を通り過ぎ、パタパターっと飛んで行ってしまった。
「ほぺぺぺ」あまりの怖さに全身の産毛がスタンディングオベーションした。
 よく分からないけどトイレに戻って来た。
「……なに、今の?」心なしか奈子ちゃんが青褪めてる。
「俺にも分からない」ただただ怖い。
「えぇ……何なのここ……」心なしか奈子ちゃんが怯えてる。
「俺も分からなくなってきた」どうしたらいいのか分からない。
「ちょっと!? さっきから一向にマトモな住人が起きてこないんだけど!? どうなってるの!? 真面目に解決する気あんの!?」奈子ちゃんがブチギレた!「あたしは早く学校の男子トイレに戻って、いたいけなクソ坊主共の悲鳴を愉しみたいのよ!! あくしてくれない!?!?!」こんな理不尽なお化け俺初めてだよぉ。
「うーん、まだもう二人……いや三人残ってるけど……」あんまり起こしに行きたくないんだよなぁ……
「あん? まだ残ってるならはよ行けや」こんなメンチ切る幽霊実在していいの???
「ひえぇ……」渋々部屋の前に行ってみる。こんこん、とノックするよ。「砂月ちゃーん、起きてるー?」
「何ですかー?」扉をちょこっと開けてひょこっと顔を出す砂月ちゃん。
「何かトイレにお化けが出て大変なんだ」頑張って説明するよう。「何とかしてくれないかなぁ?」
「トイレにお化け……?」怪訝な面持ちの砂月ちゃんだ。「分かりました、今向かいます!」と言って扉が閉まり、五秒ほど経った後、掃除機を担いだ砂月ちゃんが飛び出してきた。「ゴーストハントの始まりだ!」掃除機で???
 トイレに戻ってくると、奈子ちゃんが砂月ちゃんを見て「うえぇ、女だ……」と露骨に嫌な顔をし始めた。
「見ててください先輩! 今! 悪霊退散しますから!」展開に頭が追い付かない!「えーい!」ぽちーっ、と掃除機の電源が入った。
 ふいーん、と音を立てて、掃除機が奈子ちゃんを吸い取った。
 トイレに何もいなくなって、掃除機だけがふいーんと音を立ててる。
「えっ、あの……」奈子ちゃんが掃除機にインした奴かこれ……?
「問題解決! じゃあわたしはこれで! 秋コミの原稿が待ってますので!」ピッと敬礼して、掃除機を担いで砂月ちゃんが帰って行った。
 俺はメイちゃんと顔を見合わせて、暫く見つめ合った後、「えーと、二度寝していい?」と尋ねたら、「ダメです」とすげなく返されてしまった。

【後書】
 神否荘の住人は早起き耐性が無いんですね!w マナさんはひたすら怖い奴です。想像したらいけないヨ!w 下手したら奈子ちゃんよりSAN値削られる奴!ww
 と言う訳で砂月ちゃんが何とかしてくれましたが、これで終わらせたら大変なのでまだ続きますw っぱお化けは掃除機で吸い込まないとね!w そんなこったで次回もお楽しみに~♪w

2 件のコメント:

  1. 更新お疲れ様ですvv

    マナさん…((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

    奈子ちゃんも災難だよなぁwきっとこんな展開は想像してなかったはず!
    寝起きが悪くてこの程度で済んでる感じ?
    みんなが一斉に目覚めたりしちゃったらエライことになってる!!

    吸い込まれちゃったけど…なんか楽しみだわw

    今回も楽しませて頂きましたー
    次回も楽しみにしてますよーvv

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    1. 感想有り難う御座います~!

      マナさんの事はそっと忘れましょう…!ww

      ほんとそれwww奈子ちゃんも災難ってのがまさにその通りでしてww
      皆が一斉に目覚めてたら、そりゃもう、ねww

      楽しみと言って頂けてニヤニヤが止まらない奴です!w (*´σー`)エヘヘ!w

      今回もお楽しみ頂けたようでとっても嬉しいです~!
      次回もぜひぜひお楽しみに~♪

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