2019年6月16日日曜日

【神否荘の困った悪党たち】第67話 マモノン【オリジナル小説】

■あらすじ
マモって! ノンスタイル!

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【カクヨム】の二ヶ所で多重投稿されております。

■キーワード
日常 コメディ ギャグ ほのぼの ライトノベル 現代 男主人公


カクヨム■https://kakuyomu.jp/works/1177354054881797954
■第67話

第67話 マモノン


「…………ラヴファイヤー君のお手伝い??」

 朝五時に叩き起こされた俺は寝惚け眼でラヴファイヤー君と正座で向き合ってた。何だこれ。
「そうなんすよ、困った事になっちゃって……」確かにめちゃんこ困った顔をしてるラヴファイヤー君だ。「実はマモノンが逃げ出しちゃって……」んんっ、もう単語が耳を滑っていく。
「マモノン……? マモノンって何なの??」魔物じゃなくて??
「あれ、孫君はマモノンって知らないっすか? あの魔物っぽい奴っすよ!」魔物ン??
「あっ、もしかしてポケットに収まるモンスターの略称的な?」
「違うっす」くそう、バッサリきやがる。「ほらぁ~マモ! で、ノン! って奴っすよ!」情報が少な過ぎるぞチクショウ。
「分からないよ~マモ! で、ノン! って時点でもうふわふわの極地なのに~。俺今寝起きだよ~優しくして~」寝起きじゃなくても優しくして~。
「あれっすよ、今全世界的に流行してるソーシャルゲームの、“マモって! ノンスタイル!”、略して“マモノン”なんすけど、本当に知らないんすか?」本当に知らない奴だった。
「えぇ……じゃあさっき言った俺のポケットにうんたんの話、強ち間違いじゃないんじゃ……」「違うっす」「えぇ……」なんでや……
「えーーーーと、何だっけ。その、マモノンが、……逃げ出した??」思考が蕩けそうだ。「ソシャゲの中のモンスターが逃げ出した的な??」
「モンスターじゃないっすよ! マモって! ノンスタイル! 通称マモノン! モンスターじゃないっすよ!」何だこの強硬に訳の分からないポイントを攻められるの~まじ卍~。
「えーと……」眠い……「マモノンが逃げ出したってどういう事なの……」このまま寝ちゃダメかな……
「それが、ソーシャルゲームのマモノンが現世に飛び出して人間に悪さを始めたんすよ」
「悪さって……マモって! ノンスタイル! がどんな悪さをするんだ……」思考力が奪われていく……
「例えばっすけど、こんなマモノンがいるんすよ」と言ってラヴファイヤー君がピンク色のスマフォーンを見せてくれた。
「どれどれ」覗いてみると、中年の禿げたおっさんが映っていた。「これマモノン??」
「これ、“毛根に縛られぬい!”ってマモノンで、通称“ハゲ野郎”って言うんすけどね」通称残酷過ぎるやろ……「こいつが人間に悪さをすると……」
「まさか……禿げちゃうの……?」ゴクリ、と生唾飲み込んじゃう。
「毛と言う毛が爆発して死に至るんす」
「…………」
 俺は考えるのをやめた。
「……ヤバいね」
「ヤバいんすよ」コックリ頷くラヴファイヤー君。
「俺二度寝していい?」「ダメっす」「ダメかぁ……」
 斯くして訳の分からないまま俺の九月が幕を開けた。

◇◆◇◆◇

「マモノンってどうやって探すの?」
 九月に入ったばかりなのにもうお外がひんやりした空気に包まれてる感有る。ちょっと肌寒いなぁ、ぷるぷる。
「これを使うんす!」と言ってラヴファイヤー君がスマフォーンを取り出した。「これ見て欲しいっす!」
「どれどれ」スマフォーンの画面を覗き込むと、路上が映し出されていた。その中にさっきの中年の禿げたおっさんが歩いている姿が映り込んでる。「うわ、これアレだ何だっけ……」「ハゲ野郎っすね」「出来れば正式名称を思い出したかった……!」
 ハゲ野郎がスマフォーンに映っているのを確認した俺はラヴファイヤー君に視線を移す。
「もしかしてこれアレかな? ほら、ポケットにモンスターのGO! みたいな感じで、ポケットのボールを投げる的な」
「違うっす」くそう、俺の予想を悉く裏切っていきやがるぜマモノン。「見ててほしいっす! ここに石のマークがあるっすよね?」
「どれどれ」確かにスマフォーンの液晶には石のマークが点灯している。「これを?」
「これを押すと、石を構えるんす」ラヴファイヤー君が石のマークをタップすると、画面上に小さな石が出現した。
「んんっ、これまんまポケットにモンスターなGOと同じだと思うんだけど……」「違うっす」「頑な過ぎる……」
 ラヴファイヤー君が出現した石をタップすると、石が飛んで行って、中年の禿げたおっさんの腹部にヒットした。
「おげぇ……」中年の禿げたおっさんが真っ青な顔で吐瀉した。
「あっ、んんっ、そんなリアルな反応するのマモノン……」思わず目を背けざるを得なかった。「えぇ……これ何するゲームなのこれ……」おっさん狩りゲー?
「マモノンを捕まえて戦わせるんすよ」再び石のマークに触れると、石が出現した。石をタップして、石がおっさんの頭に激突する。
「あッ、いっづ、く、ゥ……」おっさんが頭から血を流して悶絶してるんだけど……
「これ絶対に小さい子にさせたらいけないゲームだよ……」おっさんがガチ流血して痛がってるシーンとか誰向けなんだ……「てか石ばっかり投げてるけど、これどうやって捕まえるの?」
「マモノンが“仲間にして”って言ったら仲間っすよ!」ニコッと微笑むラヴファイヤー君が怖くて仕方ない。
「えっ、じゃあ何で今石を投げてるの??」
「えっ、石を投げつけるとマモノンが泣いて仲間になりたいって言ってくるからっすけど」
「…………」
 俺はお家に帰って二度寝した。

【後書】
 突然二ヶ月の沈黙を破って更新するマンです!(笑)
 いやー、暫く執筆活動をお休みしていたのですけれどね、ちょこっと前から友達と一緒に毎日30分創作活動しよう運動を始めたので、その一環で一話擱筆しましたのでね、颯爽と更新に参った次第です!w
 このふんわり感をね~時折読みたくなる&綴りたくなるんです…自分で綴って自分で笑う…最高の自家発電…!
 と言う訳でまたふんわりしたい時に続きを提供しますよう! 次回もお楽しみに~♪

2 件のコメント:

  1. 更新お疲れ様ですvv

    くそぅ見逃してたw

    久しぶりに帰ってきたと思ったら、安定の巻き込まれw
    ポケットにモンスターなGOのようなマモノン騒動、「ハゲ野郎」とかひどすぎw
    でもでも、いつものふわふわ感!
    今回も彼らのテンヤワンヤな日常をちょっとだけのぞかせて頂きますよぅw
    ふんわり更新お願いいたしますvv

    今回も楽しませて頂きましたー
    次回も楽しみにしてますよーvv

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    1. 感想有り難う御座います~!

      ゲリラ更新でしたからね!ww お気になさらずですよう!w

      ですですww安定の巻き込まれスタートです!(笑)
      酷過ぎますよねwwwこれは苦情待ったなし!www(笑)
      そうなのです! いつものふわふわ感を味わって頂けて良かった…!
      ぜひぜひ! またテンヤワンヤの日常をのんびり覗いて頂けると幸いです…!
      これからもふんわり更新で参りますよう!┗(^ω^)┛

      今回もお楽しみ頂けたようでとっても嬉しいです~!
      次回もぜひぜひお楽しみに~♪

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