2018年3月9日金曜日

【浮世のカルデア事情】第3話「嘘好き」【FGO二次小説】

■あらすじ
砂落浮世(サラク・ウキヨ)と言う人間らしい人間のマスターがいるカルデアの物語。コメディタッチに描いたFGOの二次小説です。
※改題前:人理改竄系カルデア

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【ハーメルン】、【Pixiv】の三ヶ所で多重投稿されております。

■キーワード
FGO Fate/Grand Order コメディ ギャグ マシュ・キリエライト 清姫


Pixiv■https://www.pixiv.net/series.php?id=923944
ハーメルン■https://syosetu.org/novel/146108/
■第3話

第3話「嘘好き」


「“嘘”……なんて疎ましい言葉でしょう。最悪の言葉。わたくしが大嫌いなものですわ」

先輩のマイルームで寛ぐマシュことわたしですが、一緒に部屋で寛いでいた清姫さんが溜め息交じりにそんな事を呟きました。
ポリポリとポテチを咀嚼しながら先輩が「そーだねー、嘘はダメだねー」と心底どうでも良さそうに応じています。
「これより逃げた大嘘つきを退治します。“転身火生三昧”!!」
「アーッ!」
先輩があっと言う間に燃えカスになりました。
間近で焼殺事件が起きたのですが、不肖マシュ、もうこの事案には慣れっこなのでした。
「先輩。先輩は焼殺される趣味をお持ちなのでしょうか?」
黒焦げになった先輩ですが、不思議な力で蘇生を果たして惚けている彼女は、「んー?」と不思議そうにわたしを見上げます。
「そんなドMだと思われてるの私? やだなー、そんな訳無いじゃーん」ケラケラと笑いながらわたしの肩にいやらしく手を回し始めました。「何かきよひーに勝手に嘘判定されるだけで、私はいつだって真面目も真面目、大真面目に話に付き合ってるんだけどね~」流石にわたしにも分かる嘘です。
「大嘘つきを退治します。“転身火生三昧”!!」「アーッ!」清姫さんが容赦なく宝具を連発です!!
再び燃えカスになった先輩ですが、微生物のようにウゾウゾと再生して何事も無かったかのように寛ぎ始めます。
……先輩が異常そのものである事は分かるのですが、何故嘘を嫌う清姫さんの前でも、こう無体に嘘を吐き続けるのか、よく分からないのです。
「マスター! お願いですから、今の私に嘘は吐かないでくださいって、何度も仰っておりますのに……食べちゃいたくなっちゃうでしょう……? ふふふふっ」
「えー、私生涯で一度も嘘吐いた事無いのになー」「大嘘つきを退治します。“転身火生三昧”!!」「アーッ!」
「……先輩、流石にそれはわたしでも分かる嘘ですよ」呆れた仕草を見せるわたしです。「先輩が大嘘つきなのは一目瞭然ですが、何故清姫さんはそんな先輩に付き合っているのでしょう? 嘘つきは嫌いなのでは?」
先輩が自己再生している様子を見ながら清姫さんに尋ねると、彼女は虚を衝かれた表情を浮かべた後、照れ臭そうに口元を袖で隠しました。
「……マスターは、確かに私に対して、私の大嫌いな、私が一番疎ましく思う、嘘を吐き続けますわ……“でも”、」
そこまで言って先輩に視線を転ずると、彼女は一際優しい声で、こう尋ねました。
「マスター、私の事を、愛していますか?」
「うん、愛してるよー」
雑そのものの対応で告げられた、明らかな嘘に、わたしはまた先輩の焼死体を観る事になるのかと思いきや、清姫さんは嬉しそうに頬を染めて頷くだけで、先輩を焼き殺す事は無かったのでした。
「清姫さん、まさか今の先輩の発言は……?」恐る恐る問いかけます。
清姫さんは恥ずかしそうに、照れ臭そうに、頬を桜色に染めて俯くと、ゆったりと嬉しそうな微笑を覗かせました。
「嘘としか思えないのに、何故かこれだけは、嘘をお吐きにならないのですよ、マスターは」
うふふ、と楽しそうに笑う清姫さんでしたが、先輩の「そりゃきよひーは大事な戦力だからねー」と言う笑顔に、透かさず宝具を放って焼殺してしまうのでした。
……よく分かりませんが、先輩と清姫さんには、余人には理解しかねる感情の機微、みたいなのがあるようです。
……ちょっと羨ましいと感じてしまいました。

【後書】
ちょこっとだけほんわかするお話に纏めましたけど、先輩焼殺され過ぎですね??
コメディタッチにFGOの物語を綴ると、どうしてもマスターの屍を量産せずにはいられないわたくしです(ご挨拶)。
きよひーの話を綴るのならやっぱりこんな感じかな~って物語でしたので、一番サラサラっと綴れた物語でもあります。前データの頃から嫁でしたし!
と言う訳で次回は4/13に配信予定です! のんびり月一更新で配信していく予定ですので、どうかお楽しみに!

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