2018年5月9日水曜日

【教えて!狩人先輩!】第1話 遭遇! 二人の問題児!【モンハン二次小説】

■あらすじ
新米なのに先輩ハンターにされた少女のドタバタコメディ奮闘記。
※注意※2015/12/10に掲載された文章の再掲です。本文と後書が当時そのままになっております。

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【pixiv】、Fantia【日逆孝介の創作空間】、【ハーメルン】の四ヶ所で多重投稿されております。

■キーワード
R15 残酷な描写 モンスターハンターダブルクロス MHXX ライトノベル コメディ


Fantia【日逆孝介の創作空間】https://fantia.jp/posts/8910
Pixiv■http://www.pixiv.net/series.php?id=635565
ハーメルン■https://syosetu.org/novel/69877/
■第1話

第1話 遭遇! 二人の問題児!


「お疲れ様でしたー」

集会所に戻ってきた所で、アウグは仲間に頭を下げて立ち去って行く。
クエストが完了し、一段落と言った態で近くの椅子に腰掛ける。今回限りの仲間達も思い思いに謝辞を述べたり労いの言葉を掛け合ったりして、それぞれの日常に帰っていく。
ベルダーシリーズと言う防具を纏い、片手剣であるベルダーソードを携えた少女アウグは先日ハンターになったばかりの新米である。今回はベテランハンターのクエストにオトモし、その熟達した動きを観察して、改めてハンターの凄さを思い知らされて帰ってきた所だ。
「俺も先達に負けないように、もっと頑張らなくちゃな」うん、と拳を握り締めて意気を固める。また別の依頼の募集を探そうと席を立とうとした時、眼前に二人のハンターが立ち開かった。「お、おう?」
二人とも女性のハンターだと一見して分かる。共にアウグと同じベルダーシリーズを纏い、年下の方が太刀のベルダーサーベルを、年上の方がスラッシュアックスのベルダーアックスを携えている。どちらもアウグよりは年上に見えた。
言わずとも知れる。アウグ自身もそうだが、この二人も新米ハンターだろう。
「俺に何か用か?」不思議そうに二人を見やるアウグ。
「先輩! 先輩を先輩と見込んで、頼みが有るっす!」年下のハンターが威勢の良い声を上げる。「イャンクックの狩猟に行かないっすか!?」
「は?」間の抜けた声を吐き出すアウグ。「いや、先輩も何も、俺はまだ新米で……」
「くぅっ、何て奥ゆかしい先輩なんすか……っ!」ぷるぷると拳を震わせて感動している年下のハンター。「己の実力を過大評価しない、そして若輩のハンターにも気を配る……っ、ハンターの鑑っすね、先輩!」
「いやいや待て待てお前はさっきから何を言ってるんだ?」困惑を隠しきれない様子のアウグ。「俺はついこないだハンターになったばかりの新米なんだって。若輩のハンターってのは俺の事だぞ?」
「大丈夫っす! 自分はついさっきハンターになった所っす!」ドンッと胸を張る年下のハンター。
「何が大丈夫なんだ!? つか、ついさっきハンターになったばかりなのにイャンクック!? 流石に挑むのが早過ぎじゃねえか!?」驚きを隠せず、遂にツッコミを入れてしまうアウグ。
「安心してください、私もつい先程ハンターになった所ですから」甘い笑顔で告げる年上のハンター。
「いやだからそのどこに安心する要素が有るんだよ!?」頭大丈夫か!? とツッコミを入れざるを得ないアウグ。「と、とにかく、イャンクックはまだお前らには早過ぎるから、やめとけやめとけ」
「あ、名乗るのを忘れていたっす! 自分、オクトーって言います! 以後宜しくお願いしまっす!」ビシッと敬礼する年下のハンター・オクトー。
「いや何そのまるでもうイャンクックを狩りに行く事が承諾されたみたいな話の展開」ツッコミに覇気が無くなってくるアウグ。「えぇと、俺はアウグだ。宜しくな」併し律儀に名乗り返すのだった。
「私の事はエロ姉さんとお呼び下さい」年上のハンターがぺこりとお辞儀した。
間。
「……なんて?」
「エロ姉さん♪」年上のハンターがウィンクをする。
「聞き間違いだと信じたかった!」顔を覆うアウグ。「そんな恥ずかしい名前呼べねえよ! それ本当に本名!? 本名なら親の顔が見てみたい!」
「先輩! エロ姉さんの本名はエネロって言うっす! そうギルドカードに書いてあるっす!」オクトーがギルドカードを差し出してきた。
「お、おう」受け取ると、ギルドカードの名前の欄に確かに「エネロ」と記されていたが、黒の二重線が引かれて、下に「エロ姉さん」と綺麗な字で綴られていた。
「やだ……私の大事な所……見られちゃってる……」頬を赤らめて目を逸らすエロ姉さん、もといエネロ。
「言い方! その言い方ヤメロ! ギルドカード見ただけだろ!?」ギルドカードを押し返して喚くアウグ。「えーと、それで、エネロ……さん」
「ダメよ、先輩。ちゃんと、エロ姉さん、って呼んでくれなきゃ、お姉さん、感じちゃう……っ」上気した呼気と熱い眼差しでアウグを見据えるエネロ。
「何なのこの卑猥な人!? ハンターズギルド大丈夫か!? こんな人をハンターと認めちゃって大丈夫か!?」愕然とした様子でエネロから離れるアウグ。
「大丈夫っす先輩! 先輩が、丹精込めて、エロ姉さん、って呼んであげたら、まるっと解決っす!」グッと握り拳を作って応援するオクトー。
「いやいやお前の思考回路もだいぶ危うさを感じるんだけどね!?」発狂しそうな勢いでツッコミを入れるアウグ。
「……そわそわ」エネロがもじもじしながらアウグを見据えている。
「……エ、エロ姉さん……」恥ずかしげに呟くアウグ。
「はぁい、よく出来ました♪ お礼にチュウを……」「結構です! 結構だから、は・な・れ・ろ……!」迫ってくるエネロを引っぺがして後ずさるアウグ。
「で! 何なんだお前らは!!」
オクトーとエネロを正座させて怒鳴り散らすアウグ。
「初めてが対面座位なんて……先輩、素敵よ……」はぁはぁと呼気を漏らすエネロ。
「そこの歩く十八禁はちょっと黙ってろ」指差して牽制するアウグ。「言っとくがな、俺はまだ三回しかクエストに行ってない、新米だぞ。それもベテランハンターの付き添いをしただけだ。いいか? その俺が先輩と呼ばれるなんてちゃんちゃらおかしいんだよ!!」
大声を張り上げて怒鳴るも、これは別に声を張り上げて言う事じゃないな、と今更ながら恥ずかしさが込み上げてくるアウグ。
併しオクトーとエネロの反応は予想とは全く違った。
「三回もクエストに行ってるんすか!? 凄いっす! 自分はまだ一回もクエストに行ってないんすよ! やっぱり先輩は凄いっすね!」感動して瞳を輝かせているオクトー。
「流石先輩です、私なんてまだ一度もクエストに行った事が無いんですよ? あっ、でも夜のベッドでは何度もイきましたけど……」とろん、とした表情で人差し指を唇に引っ掛けるエネロ。
「やっぱり先輩しかいないっす! 自分達を、イャンクック狩猟に連れてってくださいっす!」「そうね、先輩しか私達を導けない……私を大事な所に宛がってください……!」
オクトーとエネロのキラキラギラギラした視線を当てられ、アウグは悟った。
(あ、これ捕まっちゃいけない奴だ)
時既に遅し。アウグは仏のような顔で、姦しい問題児に付き合う決心を固めるのだった。

【後書】
フレンドとモンスターハンタークロスをプレイした時の内容がとても楽しかったのでそれを物語にしたらいいんじゃないかな! と思って文章化した作品がこちらになります。
勿論この物語は脚色やオーヴァーな演出もちらほら綴られておりますが、あちこち実話な部分も有ったりで、その辺も一緒に楽しんで頂けたら嬉しいです。
こちらの作品も週一ペースで更新できたらいいなーと考えておりますが、予定は未定、いつもの奴です。良かったら彼女達のぱっぱらぱーな狩猟を最後までお付き合い頂けたら幸いです。

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