2018年6月2日土曜日

【教えて!狩人先輩!】第25話 無くなった! スタミナとやる気!【モンハン二次小説】

■タイトル
教えて!狩人先輩!

■あらすじ
新米なのに先輩ハンターにされた少女のドタバタコメディ奮闘記。
※注意※2016/07/12に掲載された文章の再掲です。本文と後書が当時そのままになっております。

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【pixiv】、Fantia【日逆孝介の創作空間】、【ハーメルン】の四ヶ所で多重投稿されております。

■キーワード
R15 残酷な描写 モンスターハンターダブルクロス MHXX ライトノベル コメディ

■第25話

Fantia【日逆孝介の創作空間】https://fantia.jp/posts/9192
Pixiv■http://www.pixiv.net/series.php?id=635565
ハーメルン■https://syosetu.org/novel/69877/

第25話 無くなった! スタミナとやる気!


「いいぞその調子だ! 今のでウルクススの体力がだいぶ減った筈だ!」

 シビレ罠の効果が切れるまでひたすら攻撃を与え続けた四人の成果は、無残な姿になったウルクススとして表れていた。
 たった一回のシビレ罠でボロボロになったように見えるが、三人はボケながらも攻撃を加えていたし、前回の狩猟から時間が全く経っていない事から、蓄積したダメージが残っていたのかも知れない。
 ウルクススは血塗れになりながらも闘志の炎を消す事は無かった。眼光鋭く四人を睨み据え、雪の絨毯に前足を突っ込む。
「! 危ねえ、全員退避ーっ!」
 アウグの勧告は間に合わず、ウルクススが放り投げた巨大な雪玉がフェヴラに直撃してしまう。
「うわぁっ!」雪だるまになってしまったフェヴラは、物凄いやる気が無くなった顔で立ち往生している。「せ、先輩……僕もうダメだ……体が冷えて、力が出ない……」
「どこぞのアンパンみたいな事言ってんじゃねえ!! 今雪だるまを破壊してやるから待ってろ!!」フェヴラに向かってベルダーソードを振り被るアウグ。「ていっ!」
「おっと!」ヒラリとアウグの攻撃を回避するフェヴラ。
「何避けてるの!? 雪だるまを破壊するから動くんじゃねえ!!」再びベルダーソードを振り被るアウグ。「オラァッ!」
「ぉおっと!」ヒラリと再びアウグの攻撃を回避するフェヴラ。
「ふざけてんの!? 雪だるまが治らねえだろ!! ジッとしてろ!!」カンカンのアウグ。
「先輩、聞いて欲しいんだ」真顔のフェヴラ。「その片手剣で斬られたら、僕とて無事じゃ済まないと思うんだ。だから、その、優しくして欲しい……」頬を赤らめてそっぽを向いた。
「喧しいわッ!」拳でフェヴラの雪だるまを破壊するアウグ。「ほら治ったぞ! とっとと戦線復帰しろ!!」
「そんな……先輩、僕初めてだったんだよ……? もっと優しくしてくれてもいいじゃないか……」雪原に“の”の字を書き連ねていくフェヴラ。
「めめめ面倒臭ぇーっ!」雪原をのた打ち回りながら喚くアウグ。「いいから!! 狩猟に!! 集中しろ!!」
「そんな事言われても、知ってるかい先輩? 双剣使いはスタミナが命! 今氷やられ状態だから、スタミナが無いんだ。やる気だって無いんだ。分かるだろう?」やれやれと呆れた仕草をするフェヴラ。
「やる気は関係無いよね!? お前やる気が無い事を正当化しようとしてるだけだよね!? スタミナが無くても戦えよ!? 狩猟を何だと思ってんだ!!」スパァンッ、とフェヴラの頭を叩くアウグ。
「そうっすよ先輩! 太刀使いはスタミナが命っす! スタミナが無ければやる気も無い! 分かるっすか? 先輩の頭でも分かるっすか?」「露骨に煽ってきてんじゃねーよ!!」スパァンッ、とオクトーの頭を叩くアウグ。
「そうですよ先輩、交尾の時はスタミナが命! 先に果ててしまったら、それ以上攻めても楽しくないんですよ?」「だからお前だけ狩猟じゃない話をしてんじゃねーよ!!」スパァンッ、とエネロの頭を叩くアウグ。
「ヴォ……? ヴォ……?」
 目の前でひたすら繰り出されるボケとツッコミの応酬に、ウルクススは戸惑った様子で攻撃を躊躇し始めた。
「むむ!? ウルクススの様子がおかしいぞ!? お前ら、今がチャンスだ!! 俺達のアホな行動に理解が追い付いてないみたいだぞ!!」ウルクススを指差して吼えるアウグ。
「先輩! 言ってて悲しくならないっすか?」「言うな!!」オクトーから泣き顔を逸らすアウグ。
「見てなさい、今私の熱い一撃を挿れて、ア・ゲ・ル♪」
 動きが緩慢なウルクススの背面に近寄っていたエネロが、ベルダーアックスを変形させて強烈な一撃を見舞う。
「ヴォォォッ!?」悲鳴を上げながら倒れ込むウルクスス。
「あぁーんっ! いいっ、いいわぁ……っ、ゾクゾクしちゃう、その悲鳴……もっとき・か・せ・て……?」頬を紅潮させて身震いし始めるエネロ。
 その時アウグは悟った。こいつだけは敵に回すべきではないと。
「って、今がチャンスだ! 有りっ丈の攻撃を叩き込め!」アウグが叫びながら攻撃を加えに頭に走る。
「分かったっす!」「あぁんっ!」「分かったよ!」アウグの声に応えながら三人が攻撃を加えに頭に走る。
 四人が密集しながら頭を攻撃する!
「いやいやお前ら別の部位攻撃しろよ!? 邪魔だ!! 身動きが取り難いんだけど!!」ぎゅうぎゅうと押し競饅頭のようになっているアウグ。
「先輩こそ他の部位に行ってほしいっす! 頭は自分に任せるっす!」必死にアウグを押しのけようとするオクトー。
「あんっ、誰……? 今私の大事な所を舐めた人……。隠さなくていいのよ……? 私も同じ気分だから……ウフフ……」三人に押されながら上気しているエネロ。
「皆で固まると温かいね! これならホットドリンクを節約できそうだ!」楽しげに三人を押すフェヴラ。
 四人が押し合っている間にウルクススは立ち上がった。
「このボケナスヤロウ共ォォォォッッ!! どうしてお前らはことごとくチャンスをぶち殺していくんだァァァァッッ!! お前らモンスターの味方なの!? ハンターの邪魔をするのが生き甲斐なの!?」パシィンッとベルダーソードを雪原に叩きつけるアウグ。「やってられるかーッ! 俺は帰るぞ!!」
「とか言いながらもちゃんと手伝ってくれる辺りが、先輩の素敵な所っすよね!」「先輩は何だかんだ言いながらも新米ハンターを見捨てない、優しい人だもの、当然ですわ」「どれだけ失敗しても寛大な心で許してくれる先輩を、僕は知ってるよ!」
 死んだ魚の目で三人を見るアウグがそこにいた。
「もう騙されねえぞ……?」
 完全に生気を失ったアウグの瞳に、三人は互いに顔を見合わせ、頷いた。
「あっ! あんなところに先輩のぱんつが!」「はぁーっ!?」オクトーが指差した方向に首を全力で曲げてキョロキョロするアウグ。「どこ!? てか何で!? 何で俺のぱんつがこんな所に在るの!?」
 併しどれだけ見渡してもそんなものは見当たらなかった。
「おいオクトーてめえ!! 何ふざけた事を――」「先輩! やりましたわ! ウルクスス、狩猟完了です!」「――え?」
 アウグの視線の先には、確かに先刻まで元気だったウルクススが、血塗れになって動かなくなっていた。
 目を点にして硬直しているアウグに、三人は腕を組んでうんうん頷く。
「先輩がいたからこそ、こうしてウルクススを狩猟できた訳っすからね、先輩はやっぱり自分達に必要な御仁なんすよ!」「先輩がいなければここまで容易くウルクススを狩猟する事なんて出来ません。先輩の存在あればこそ、ですよ」「いやー、やっぱり先輩は凄いね! 僕達では到底及びもつかないような力でウルクススを狩猟しちゃうんだから!」
 三人のキラキラした瞳に、アウグは思わず照れたように鼻の下を擦り、「お、おう、ま、まぁな? 仕方ねえ奴らだぜ全く……ってか俺何もしてねえ気がするけど」不思議そうに小首を傾げるアウグ。
 ――斯くして、アウグの見ていない所で超火力を発揮した三人によって始末されたウルクスス。
 長い長いフェヴラとの時間も、終わりに近づいていた。

【後書】
 信頼と実績の狩猟シーンでした!(よそ見
 スタミナが無くなるだけでやる気が無くなるハンターが友達にいるのですが、最高に笑わせてくれるので寧ろそのセリフを待ってる感は有りました(ニコッ!)。
 仕方ないよねー双剣使いだもんねー但し太刀使い、てめーはダメだ。
 と言う訳で第2シーズンも次回で完結です! どうかお楽しみに!

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