2018年6月23日土曜日

【教えて!狩人先輩!】第31話 新調! 強化した武器!【モンハン二次小説】

■タイトル
教えて!狩人先輩!

■あらすじ
新米なのに先輩ハンターにされた少女のドタバタコメディ奮闘記。
※注意※2018/02/05に掲載された文章の再掲です。本文と後書が当時そのままになっております。

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【pixiv】、Fantia【日逆孝介の創作空間】、【ハーメルン】の四ヶ所で多重投稿されております。

■キーワード
R15 残酷な描写 モンスターハンターダブルクロス MHXX ライトノベル コメディ

■第31話

Fantia【日逆孝介の創作空間】https://fantia.jp/posts/36748
Pixiv■http://www.pixiv.net/series.php?id=635565
ハーメルン■https://syosetu.org/novel/69877/

第31話 新調! 強化した武器!


「先輩とエロ姉さんだけじゃないんすよ! 装備が新しくなったのは!!」

 バァーンッ、と効果音付きでオクトーが見せたのは太刀。
 以前使っていたベルダーソード――ではなく、雪の結晶の如き装飾も見事な、白兎獣の刀――“白兎刃”と呼ばれる太刀だ。
 場所は、“古代林”と呼ばれる狩場へ向かう道中の竜車の幌の中。四人に加え、ルイルが同伴して、幌の左右に設けられた座席に腰掛けている。
 その座席の中央にある通路代わりの床に、オクトーは白兎刃を見せつけるように差し出している。
「おっ、これウルクススの太刀じゃねえか。奴の素材でしっかり武器を強化してたんだな」感心しているのか、うんうん頷いてからオクトーを見やるアウグ。「オクトー、偶には良い仕事するじゃねえか」
「先輩! 自分だっていつまでも先輩の影でこそこそ先輩のおやつ食ってる訳にはいかない――もとい、先輩の影に隠れてる訳にはいかないっすからね!」バンッ、と胸を叩いて誇らしげに顎を上げるオクトー。
「うん、お前俺の見えない所で俺のおやつ食ってたんだな?」笑顔なのに顔中に青筋が走っているアウグ。「何で俺のおやついつの間にか無くなってるんだろうと思ってたんだが、お前の仕業だったんだな? 殴り飛ばすぞ??」
「じゃあ次は僕の番だね!」「俺の話聞いてる??」「僕は見ての通り武器も防具も未強化さ! だってお金が勿体無いからね!」「お前人の話遮った上に何の変化も無い事を報告したの!?」フェヴラの胸倉を掴み上げてグワングワン揺さ振るアウグ。
「先輩のそのライトボウガン……いえ、その、先端が熱くなって、どびゅっと熱いモノを噴き出すその……」「ライトボウガンだからね!? 何でそんな意味深な言い方に言い直した!? あとどびゅって出ねえよ!! 俺のライトボウガンをいかがわしい装置にしないでくれる!?」スパァンッとエネロの頬を叩くアウグ。
「俺のライトボウガンは、ハンターライフルと言って、大型フレームを採用した、初心者向けのライトボウガンさ」ポン、とライトボウガンを撫でるアウグ。「シンプルな造りで、使える弾丸も癖が無いし、新米の俺には充分な性能のライトボウガンなんだぜ!」
「フレーバーテキストを読んだだけのような説明っすね、二十点」
「もっと独創的且つ情熱的な説明が欲しかったので☆2つかしら」
「イマイチ分からなかったからもう一度丁寧に説明しておくれよ」
「ドチクショオオオオッッ!!」顔を覆っていた両手から涙がほとばしるアウグ。「どうして武器を紹介しただけでここまで難癖付けられなきゃならねえんだああああッッ!!」
「そりゃー先輩だからじゃないっすか?」「先輩として当然じゃないですか」「先輩なら仕方ないよ!」「お前ら最近俺の扱いの雑さ加減が極まってきてるんだけど!?」
 三倍の溜め息を吐き散らすと、前に座っているルイルに視線が向かった。
 ルイルは四人の白熱したやり取りを聞いても微動だにせず、ハチミツミルクが入ったコップにストローを突き刺し、コクコクと夢中で飲んでいる。
「ところでルイル、何だってナルガクルガを捕獲する必要が有るんだ?」不思議そうに話しかけるアウグ。「討伐じゃダメなのか?」
「ダメ」きっぱりと即答するルイル。「そのナルガクルガ、お母さんの友達だから」
 間。
「……なにて?」目を点にしているアウグ。
「今から捕獲するナルガクルガは、お母さんの友達なの」きっぱりと即答するルイル。
「お前のお母さん、ナルガクルガと友達なの……?」頭の上に大量のクエスチョンマークを乱舞させるアウグ。
「そう」コックリ頷くルイル。
「……ま、まぁその話が嘘じゃなかったとして、お前、お母さんの友達の捕獲を依頼するって尋常じゃないな……」ルイルを見やる顔に怯えた色が浮かんでいるアウグ。「何だってそんな事するんだ……?」
「そのナルガクルガ、最近悪さをしてるの」ハチミツミルクの入ったコップを両手で抱え、ルイルは言葉をポツポツと零していく。「古代林で、アイルー達の住処を破壊したり、苛めたり。だから、懲らしめなくちゃいけない。捕獲して、ごうも……躾して、それから解放するの」
「今聞き逃しちゃいけねえ単語が出てきそうになったんだが」白目を剥いてるアウグ。「まぁ、その辺は深く詮索しねえけどよ、アイルー達が苛められてるってんなら、話は分かった。そりゃ退治しないといけねえな」
「退治したら困る」アウグを真正面に見据えるルイル。「お母さんの友達だから、痛めつけて、捕獲して欲しい」
「本音を言わせてくれ。お前のお母さんの友達をこれから痛めつけないといけない事に今メチャクチャ罪悪感と心苦しさで一杯なんだが」仏のような笑顔を浮かべてルイルを見つめているアウグ。
「もしナルガクルガを討伐したら、罰として……」ゴソゴソと腰のポーチから藁人形を取り出す。「あなたを呪うわ」
「こんな恐ろしい依頼人初めてだよ!! もう嫌だ!! 仲間だけじゃなく依頼人も恐ろしいこんな世界もう嫌だァァァァッッ!!」頭を抱えてその場にうずくまるアウグ。
「先輩! こんなの子供だましっすよ! 呪われる訳無いじゃないっすか~!」ケラケラと笑うオクトー。
「これは、奥さんの髪の毛」ルイルが手に一本の髪の毛を握っている。「これを入れる」藁人形に髪の毛を縫い込ませる。「えいっ」ペキッと藁人形の左腕を圧し折った。
「ウッ」ペキッとオクトーの左腕が圧し折れた。
「信じた?」ことりと小首を傾げるルイル。
「先輩……世界には呪いが存在するんすよ、絶対に馬鹿にしちゃいけないっす。自分との約束っすよ!」青褪めた表情で親指を立てるオクトー。
「うん、それはいいけど、お前その腕大丈夫なの?」
「いやダメっすね、もう二度と動かせないっす、ハンター人生断たれたっす、もう先輩におんぶにだっこで人生を謳歌するしかないっす!」
「お前大丈夫じゃないにしては発言が余裕に満ち溢れてるんだけど!? つーか俺、お前を養うつもり全く無いからね!? 勝手に養われるつもりになってんじゃねえよ!!」カンカンのアウグ。「えっ、てかどうするんだそれ……今回の狩猟、オクトー抜きか……?」
「大丈夫」ルイルが藁人形の左腕をペキッと治した。「これで治った」
「ウッ」ペキッとオクトーの左腕が元に戻った。「あれ? 動くっす! 左腕が蘇ったっすよ! これでもう先輩に養って貰えるっすよね!?」
「何で折れても治ってもお前を養う前提なんだよ!! 俺お前を扶養家族だと認めてねえからな!! 勝手に居候してるタダ飯食らいって認識だからな!? いい加減家賃請求するぞ!!」
「えっ、この人、家賃も支払わずにあなたの家に居候してるの?」不思議そうにアウグを見やるルイル。
「おう、そうなんだよ、そこのエロ姉さんもお嬢もそうだ。家賃は払わねえ、飯はタダで食っていく、衣類は俺のを勝手に使う、ベッドは今じゃ奪い合い……ひでえもんだろ?」やれやれと肩を竦めるアウグ。
「……先輩って、甘いの?」アウグから視線を逸らして三人に視線を向けるルイル。
「チョロいんすよ」「チョロいんです」「チョロいんだよ!」
「やっぱり……」呆れた溜め息を吐くルイル。
「え? 何? 俺もしかしてバカにされてんの?」苛立ちを表情に載せるアウグ。
「褒めてるんすよ!」「褒めていますわ」「褒めてるんだよ!」「褒めてます」
 四人の唱和に、アウグは「お、おう、そうか、へへっ、まぁそんな褒めんなって!」と照れ臭そうに鼻の下を擦り始めた。
「ねっ?」「でしょ?」「分かったかい?」「よく分かりました」
 四人が頷き合ってるのを見て、アウグは不思議そうに小首を傾げるのだった。

【後書】
 狩猟を重ねる度に武具が強くなっていく…これぞまさにモンハン!
 と言う訳で、呪いは存在するんだよ!(挨拶)
 最近「ベルの狩猟日記」を再掲してるから殊更に思うんですが、「教えて!狩人先輩!」のギャグコメディ感はあの頃より更にパワーアップしてる感で一杯です…!※自画自賛
 と言いますか、やっぱりギャグコメディって良いよねって言いたいだけです。後書を綴るべく読み直してたら散々笑い転げてたのでね! ついね!w
 そんなこったで次回、第32話「狩りたい! リモセトス!」…モンスターハンタークロスから登場した草食竜が登場します。お楽しみに!

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