2018年7月26日木曜日

【神否荘の困った悪党たち】第44話 次世代特殊部隊にいるかなぁその技術【オリジナル小説】

■あらすじ
非現実系ほのぼのニートフルコメディ物語。宇宙人、悪魔、殺し屋、マッドサイエンティスト、異能力者、式神、オートマタと暮らす、ニートの日常。
※注意※2018/03/19に掲載された文章の再掲です。本文と後書が当時そのままになっております。

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【カクヨム】、Fantia【日逆孝介の創作空間】の三ヶ所で多重投稿されております。

■キーワード
日常 コメディ ギャグ ほのぼの ライトノベル 現代 男主人公

■第44話

カクヨム■https://kakuyomu.jp/works/1177354054881797954
Fantia【日逆孝介の創作空間】https://fantia.jp/posts/43735

第44話 次世代特殊部隊にいるかなぁその技術


「地下二階は倉庫っぽいね」

 トコトコトコーとエレベーターで下りてきた地下二階の床にも、「人質のいるフロアです」ってしっかり書いてあった。
「ぷるる、ぷるる」ニャッツさんが震え出した!
 しゃがみ込んで肉球に触ると、目からホログラムが飛び出して、砂月ちゃんが映し出された。
「どうやら人質がいるフロアのようですが、ボス戦もあるフロアのようです」ボス戦って言っちゃうんだ!「気を付けてください、ここのボスはケーキ作りの達人、ロロです。一体どんな達人なのか分かりませんね……!」思考が溶けていきそうな通信だ。
「ケーキ作りの達人がボスってだけでお腹一杯なんですけお」どう戦うんだろう。「戦闘になるのかな?」
「次世代特殊部隊のスゴイヤバイヤツラは全員人間離れした技術を有しています。ケーキ作りの達人であるロロは、ケーキを作る腕前で言えば恐らく世界の五指に入るレヴェルかと……!」
「次世代特殊部隊にいるかなぁその技術」思考が溶けていきそうだ。「まぁ取り敢えず先に進んでみるお」
 肉球から手を離して、トコトコ倉庫を探索してみる。
 床に矢印が表示されていて、「こっちに人質がいるよ!」ってでかでかと書かれている。
 親切設計も度が過ぎるって言うか、これどこの層向けのゲームなんだろう。
 矢印に沿って進んでいくと、看板が見えてきた。
『ケーキ売ってます』って書かれた、寂れた看板が。
「ニャッ、アレはヤヴァいニャ、ボス戦の気配がするニャ!」ニャッツさんが毛を逆立てている。
「あっ、やっぱりアレ、ボス戦の予兆的なアレですか」何でこんな所にあんな看板が在るんだと思っちゃったお。
「そうニャ。アレがセーヴポイントニャ」
「セーヴポイント」頭痛がしそうだ。
 ともあれそのセーヴポイントらしい看板に近づくと、その奥から「おっ、助け来たっぽい?」とナモの声が聞こえてきた。
 奥の部屋に入ると、ショーウィンドーにたくさんのケーキと、丸テーブルに腰掛けてケーキを食べているナモを発見した。
「おっ、ナモ」
「おっすおっす」ナモが片手を挙げて応じた。「もしかして助けに来てくれたか?」
「うん、何か助けを必要としてない感モリモリ感じるけど」近づいて、隣の席に腰掛けてみる。「そのケーキ美味しい?」
「星四・五くらいの美味さだぞ」ショートケーキをモリモリ食べてるナモ。「そろそろ急性糖尿病を心配するレヴェルだぜ」
「そんなに食べてるの?」店内を見渡してみると、ロロさんがこっちに向かって歩いて来てる所だった。「あっ、ボスじゃないアレ?」
「おお、そうだ、アレボスだよにーさん」フォークでロロさんを指差すナモ。「にーさん気を付けろよ、あの店主、凄腕だぞ」
「どんな攻撃してくるの?」ヒントが貰えるかも知れないと思って尋ねてみる。
「ケーキを食べさせてくる」
「美味しいの?」
「美味しい」コックリ頷くナモ。
「どうしたらいいんだ?」
「食べたら最後だ、絶対食べるなよ?」フォークで俺を指差してくるナモ。
「食べたらどうなるんだ?」
「病みつきになる」コックリ頷くナモ。「もうリピーターになるのは避けられないな」
「まじか……」ゴクリ、と生唾を呑み込む。「信頼と実績の美味さだもんね……」
「あぁ……だから俺はもうダメだ、ここで糖尿になって死ぬ運命なんだ……」チーズケーキにフォークを突き刺すナモ。「にーさん、俺は良いから先に行け……っ、俺はもうあと三個ぐらいホールケーキ食べたら帰るから……!」お前は何言ってるんだ感溢れ過ぎだろこいつ。
「おう、らっしゃい」ロロさんがいつものエプロン姿でやってきた。「ケーキ食べてくんだろ?」
「ゴッホゴッホ! 気をつけろにーさん!」ナモが噎せ返りながら叫んだ。「それが奴の手だ! ゴッホゴッホ!」涙目になってる。
「えっ、じゃあいらないです」のーせんきゅーしてみた。
「なっ」ロロさんが跪いた。「やるな……それでこそ伝説の戦士、アニーエだ……!」何か息遣いが荒くなってる。
「にーさん流石だゾ! ゴッホ、おえぇ……」もう振り返りたくなくなってしまった。
 ……俺今何してるんだっけ?

【後書】
 思考が溶けていきそうな発言しか出てこないGameです(笑)。
 と言う訳で遂にボス戦が始まりましたが、たった一言でボスが既に瀕死に!ww 一体何ゲーなんだこれは!ww
 さてさて次回、第45話!「俺が叩きのめしてきますね」…真のボス戦はここからだ! お楽しみに~!

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