2018年8月30日木曜日

【神否荘の困った悪党たち】第47話 いきなりホラー展開やめてよぉ!【オリジナル小説】

■あらすじ
サイボーグエロくのいちを撃退したアニーエと式子博士に砂月ちゃんから通信が!▽

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【カクヨム】の二ヶ所で多重投稿されております。

■キーワード
日常 コメディ ギャグ ほのぼの ライトノベル 現代 男主人公

カクヨム■https://kakuyomu.jp/works/1177354054881797954

■第47話

第47話 いきなりホラー展開やめてよぉ!


「大変です先輩! 政府の上層部っぽい何かが、シャーベット・モッツアレラ島を爆撃して更地にしようかなーどうしようかなーって相談を始めました!」

 前触れなくニャッツさんの瞳から照射された砂月ちゃんが、またふわふわした事を言ってる。
「そんな段階の話を聞かされてもなぁ」やめてほしいなーって言えばいいのかなぁ。
「あっ、何か決まりました。シャーベット・モッツアレラ島を更地にするみたいです。あと二時間後くらいに」ひえー。
「えええ、もう制限時間二時間しかないの?」そんな急に決まるもんなの爆撃って?「式子博士、ここヤバいですよ、早く逃げないと」
「逃げるって、ここ絶海の孤島ですよ?」不思議そうに見つめてくる式子博士。「アニーエこそ、どうやって脱出するつもりだったんですか?」
「そう言えば俺も知らないや」潜入方法しか聞いてなかったお。「砂月ちゃん、俺どうやってこの島から脱出するの?」
「えっ、自分知りませんよそんな事」まさかのそんな事扱い。「先輩だって伝説の兵士なんですから、それぐらい自分で考えてくださいよ!」嘘やろ……
「えぇー、うーん、どうしようか」無茶ぶりにも程が有るぜぇ……。「あっ、そうだ。サポートにゃんこのニャッツさんのテレポートで脱出できませんか?」ふにふにと肉球を触ってみる。
「たぶんできるニャ! たぶん」ハッキリして欲しいなぁ~。「でもここじゃ無理ニャ! せめて施設の外に出ニャいと無理ニャ! たぶん」何か出来そうな気がするんだよなぁ~。
「何か頑張れば脱出できそうな気がするんで、これからすべき事を纏めてみましょう」と言って人差し指を立てる。「まず、メチャゲロを破壊します」
「破裂です」式子博士が細かい。
「まず、メチャゲロを破裂させます」言い方に、もんにょりするなぁ。「次に、施設の外に出ます。そこで俺と式子博士はニャッツさんのテレポートで脱出します。めでたしめでたし」
「完璧ですね……流石伝説の兵士、アニーエです! こんなに完璧な作戦、そうそう思いつきませんよ! やはりあなたが神でしたか……」砂月ちゃんの持ち上げ方が雑過ぎてヤバい。
「メチャゲロはこの施設の先です。私が案内しますよ!」式子博士がやる気満々だ!
「あっ、式子博士」スッと挙手する。
「何でしょう?」クルっとターンを踏んで振り返る式子博士。
「あの、式子博士はその……持病で、ふぁーって言いながらしゅわぁーって蒸発するとか、ないですよね……?」説明しながら、これやべーなって思わずにいられない。
「そんな持病聞いた事が有りませんね……」俺も聞いた事無かったんですけどね……「私はそんな持病は無いですよ。何せヒロインですからね!」
「なにて?」
「何せ、ヒロインですからね!」ふふーんっと胸を張る式子博士が可愛過ぎる件。「さぁ行きましょうアニーエ! この後私大変な目に遭うので、ちゃんと助けてくださいね!」あぁん、先の展開ネタバレしちゃうヒロインなんて俺初めてだよぉ。
 式子博士を追い駆けて辿り着いたのは、“逃げて!”って真っ赤な文字が記された広い通路だった。前に巨大な塔が見える。そこまで何も無い、距離400メートルほど、幅50メートルほどの通路。
「えっ、こわっ」今すぐ逃げ出したい。
「大丈夫ですかアニーエ?」式子博士が振り返って、上気した顔を見せた。「わ、私、今から大変な目に遭うんで、ちゃんと見ててくださいね? 絶対ですよ? 絶対見逃さないでくださいね?」目がグルグル回ってる。
「いや大変な目に遭うって分かってるのに、それ見てるだけってやばない?」助けたいんですけお。
「先輩! 危ない!!」ニャッツさんの眼球から、デロリ、と砂月ちゃんが出てきた。
「うわぁーっ、いきなりホラー展開やめてよぉ!」ゾワァッ、と背筋に悪寒が走り抜けた。「えぇー、ちょっ、登場の仕方これどうにかならない……」
「そんな事より見てくださいアレを!!」ニャッツさんの眼球からデロリと出てきた砂月ちゃんが指差す方向には、全身を真っ赤に染めた式子博士がいた。「ヤバくないですか?」
「ヤバいです」コックリ頷くよ。「えっ、俺が目を離した瞬間に何が起こったのこれ」恐る恐る式子博士に近寄る。「い、生きてますかー?」
「アニーエ、近づいちゃダメ!」式子博士が楽しそうに叫んだ。「奴が……次世代特殊部隊“スゴイヤバイヤツラ”の部隊リーダー、ウイチリがあそこに……!」
 式子博士の視線を追うと、確かに通路の先に誰か立っているっぽいけど、流石に400メートルも離れてるとよく見えない。
「えっ、あの距離からの攻撃と言うと、狙撃……?」チラッと式子博士を見やる。「だ、大丈夫ですか……?」
「魔法少女ウイチリの魔法攻撃は厄介ですね……」砂月ちゃんが深刻そうに呟いてる。「先輩、先輩の鋼の肉体でもたぶん防げません。即死です」
「即死」無理ゲーにも程が有る。「でも式子博士は一応無事っぽいけど……」
「私はもうダメですガクゥ」式子博士が健やかな表情で目を閉じた。
「未だかつてないマトモな死に方なのに釈然としなさ過ぎる」この世界の命の軽さヤバ過ぎでは。
「っ! 来ますよアニーエ!」砂月ちゃんが指差す方向には、初散さんが見えた。
 初散さんが突然眼前にやってきた。
「うわぁーっ、ちょっ、ほんと済みません、ホラー系だけは勘弁してください、俺怖いの苦手なんで、ほんと勘弁してください」チビりそうです。
「あっ、ご、ごめんなさい」しゅん、と俯く初散さん。「じゃあ今のもう一回やっていいですか?」と言ってテコテコ塔に戻っていく。
「あっ、はい、どうぞ」よく分からないけどペコペコ頭下げちゃう。
 初散さんが塔までの400メートルを歩き切って、今度はゆっくりと近づいてきた。
「これでいいですか?」ことっと小首を傾げる初散さん。
「あっ、はい、何か済みません」ペコペコと頭を下げちゃう。
 ……このゲーム何するゲームでしたっけ?

【後書】
 ギャグテイストなのでそこまでの恐ろしさは無いのですけれど、サイボーグエロくのいちと言い、実際に遭遇したら恐怖以外の何物でもない人達のオンパレードですな!(笑)
 因みにアニーエの反応はだいぶわたくし寄りの反応になっておりますw 思わず悲鳴を上げたり抗いようの無い恐怖にツッコミを入れたりする辺りが特に!ww
 さてさて次回もまたアニーエは大変な目に遭うそうです。寧ろ大変な目に遭ってない方が珍しいなアニーエ!ww お楽しみに~♪w

2 件のコメント:

  1. 更新お疲れ様ですvv

    割と((((;゚Д゚))))ガクガクブルブルな展開なんだけど、
    スイスイ読めてしまうのは神否荘ならではかと思いますw

    先週末からずっと頭の中で「オオオオアアアア!!!」(仁王立ち)が、
    ぐるぐる回っております。なんとかして…

    それにしても初散さんはどんな攻撃をするのか?
    弱点はどこなのか?気になります。
    あっ、あれか親切設計だから
    戦い方がポップアップするんだなそうに違いないw

    はたしてあと2時間で脱出できるのでしょうか!?
    乞うご期待!!

    今回も楽しませて頂きましたー
    次回も楽しみにしてますよーvv

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    1. 感想有り難う御座います~!

      そうなんですよwwこれ実際に目の前で起こったら心臓発作で倒れかねない奴なんですけれど、アニーエがふわふわ伝えてくれるお陰か、そこまでの恐怖じゃないんですよね!w

      それに関しては本当に申し訳ぬいwwwwww明らかに悪夢の光景なんですが、澄みませぬ笑いが込み上げて大変ですwwww

      初散さんも大変な攻撃方法を持っているのは想像に難くないですよね…!
      弱点…サイボーグエロくのいちがまさかの「純愛」とか言う訳の分からない弱点での登場でしたからね、この辺もワクテカが止まりませんね…!(笑)
      戦い方がポップアップするwww凄まじい難易度のGameメチャゲロ…!www

      また綺麗に纏められてる!w あと2時間でどんな惨たらしい事が起きるのか、ぜひぜひお楽しみにお待ちくだされ~!w

      今回もお楽しみ頂けたようで嬉しいです~!!
      次回もお楽しみに~♪

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