【神否荘の困った悪党たち】第４９話 えええ、俺完全に諸悪の根源じゃん【オリジナル小説】

■あらすじ
通称ふぁしゅわぁー病。

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【カクヨム】の二ヶ所で多重投稿されております。

■キーワード
日常　コメディ　ギャグ　ほのぼの　ライトノベル　現代　男主人公

カクヨム■https://kakuyomu.jp/works/1177354054881797954
■第４９話

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第４９話　えええ、俺完全に諸悪の根源じゃん


「お前、アニーエだったんだな！」

　ガラス張りっぽい牢獄にやって来たのは、田中さんだった。
「はい、俺アニーエでした」コクコク頷いてみる。「やっぱり怒ってます？」
「ん？　何で？」不思議そうに牢獄に入って来て、「ほら、こっち来いよ！　絶対逃げるなよ！」と手を引っ張っていく田中さん。
「えっ、怒ってない上に逃がしてくれる感じですか？」味方だったの？
「ん？　いや今から拷問装置まで連れてくだけだけど」こんなザルな連行の仕方で、挙句拷問装置に連れて行かれるのか俺。
　流石に拷問のお世話にはなりたくないのだけれど、田中さん困っちゃうだろうな、と思って、従順に付いて行く事にした。
　通路を抜けると、「これはごうもんそうちです」と記された立て看板と、何の変哲も無さそうな椅子が置いてあった。
「じゃあ、ここ座って！」田中さんが俺の手を引っ張って椅子に座らせようとする。「抵抗するなよ！　絶対だぞ！！」何でそんな頑なにフラグを立てようとしてるの？？
　特に何のギミックも無さそうだったので椅子に腰掛けると、お尻の方で「ブゥゥ！」と空気の抜ける音が弾けた。
「ぷふーっ！　掛かったな！！」田中さんが楽しそうに俺を指差してる。「この精神的ダメージは隕石落下の五兆倍に匹敵する！　幾らアニーエと言えど、最早半死半生だろう！！」アニーエ、隕石落下の五兆倍のダメージ受けてもまだ半死半生で済むの？？
「うあー、確かに恥ずかしいけど、そんな隕石落下の五兆倍も有るかなこれ……」だいぶつらい心境ではあるけども。
「馬鹿な……！？　このドラゴンデストラップを受けてもまだ平然としていられる……だと！？　やはりレジェンドソルジャーのブレイブハートはオリハルコンと言う事か……！」何で突然ファンタジー用語をモリモリ挟み始めてるの？？
「逢いたかったよアニーエ！」
　突然俺の眼前にぽこっと言うサウンドエフェクトと共に、ラヴファイヤー君が出現した。
「うわビックリした」思わず椅子から転げ落ちそうになった。
「アニーエ、よく聞いて欲しいっす！」いつものピンク色のスーツで、色付きのサングラスをクイクイ動かしながら、ラヴファイヤー君は語り始めた。「僕達、次世代特殊部隊、スゴイヤバイヤツラは放っておくと、ふぁーって言いながらしゅわぁーって蒸発してしまう病気を患っているんす！」
「衝撃の新事実だ」じゃあこれ、わざわざ乗り込まなくてもこの人達勝手に蒸発しちゃうんじゃ……「あれ？　じゃあマナさんとナモもスゴイヤバイヤツラのメンバーだったのかな」
「違うっす！　アニーエが近寄るだけでその病気は発症してしまうんす！」
「えええ、俺完全に諸悪の根源じゃん」生きててごめんなさい案件だよこれは。「俺ここから出ない方がいいのでは？」
「そこで僕はメチャゲロに全てを託したっす……」パチィーンッ、と仰々しく指を鳴らすラヴファイヤー君。「この、ふぁーって言いながら、しゅわぁーって蒸発する病気を、メチャゲロで、全世界に届けると！」
「あー、だから世界破壊兵器なのね」やっと一つ謎が解けたぞ。「でも俺がそうはさせないよ！」
「えー？　そこは何とかならないっすか？」手をコネコネしてゴマ擦り始めたぞ、このテロリスト。「僕もほら、アニーエとあんまり戦いたくないっすし」
「こんな戦闘に消極的なラスボス初めてだよ！」訳が分からなくなってくるよ！「じゃあ、えーと、争わない方向で解決の道を計りませんか？」
「イイネ！」満面の笑みでグッとサムズアップするラスボスに違和感しかない。
「何でラヴファイヤー君はその……その病気何か名前無いの？」毎回ふぁーって言いながらしゅわぁーって蒸発する病気って言うと、頭が蒸発しそうなんですけお。
「この病気は通称、“ふぁしゅわぁー病”って言われてるっす！」通称も雑だった……
「えーと、じゃあその、ふぁしゅわぁー病を、どうして全世界にばら撒きたいの？」あぁん、結局何かふわふわしてる感が否めないぃー。
「それは……」じっくり間を持たせて、ラヴファイヤー君は腕を広げた。「何かそんな気分だからっす！」
「あっ、うん、そうなんだ」
　どうしよう。テロリズムの理由が気分なのに、俺、止められる気がしないよ。
　これゲーム詰んだのでは？？

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【後書】
　この辺も実は元になっているGameをアレンジして綴っているのですが、あんまりにもあんまりな設定が連続で出てくるので、原作っぽさがほぼ消失しております(笑)。
　何だか無限に続きそうな頭おかしい展開でしたが、実はもう終盤に入っております、メチャゲロ編！ｗ　ラスボスが目の前にいますからね！　だったらやる事は一つだけです！　そんなこったで次回もお楽しみに～♪