2018年10月19日金曜日

【艦娘といっしょ!】第2話 金剛といっしょ!【艦これ二次小説】

■あらすじ
ちょっと頭のおかしい提督と艦娘達の日常生活を切り抜いた短編集です。
※注意※2015/12/02に掲載された文章の再掲です。本文は修正して、新規で後書を追加しております。

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【ハーメルン】、【Pixiv】の三ヶ所で多重投稿されております。

■キーワード
艦これ 艦隊これくしょん コメディ ギャグ 金剛 明石


【ハーメルン】https://syosetu.org/novel/68881/
【Pixiv】https://www.pixiv.net/series.php?id=627932
■第2話

第2話 金剛といっしょ!


「提督ぅー! Burninguuuu Looooove!!」
 金剛が提督に突撃し、提督がゴム鞠のように吹き飛んでいく。
 執務室の隅にボロ雑巾のように崩れ落ちる提督を眺めながら、金剛が嬉しげに腰をくねくねと扇情的に動かす。
「提督は今日もCoolネー! 何も言わずに私のLoveを受け止めてくれる……男の中の男、漢って奴ネー!」
「何も言わないんじゃない、何も言えないんだよ?? 見てこの惨状?? 私の体あちこちおかしい方向に曲がってるよ?? 人体練成に失敗したみたいな感じになってるんだよ??」ぐにゃぐにゃと蠢きながら必死に訴える提督。
「そんな……私のLoveが重過ぎるって言いたいんデスカー!? 提督のいけずーッ!!」
 金剛のスタイリッシュキックが決まり、執務室に穴を開けて鎮守府の外へ飛んで行く提督。
「提督ー、さっきの騒音はまた破壊工作ですかー」
 執務室の扉をノックして入ってきたのは明石だった。執務室の惨状を見回し、仏のような顔になっている。
「金剛さん……この惨状は……」
「提督が私のLoveが重過ぎるって言うカラ……」悲しげに人差し指を突き合わせる金剛。
「なるほど、つまり提督のせいなんですね。はぁ……資材は鎮守府の修理に使うものじゃないんだけどなぁ……」憂鬱な様子で修理費の見積もりをし始める明石。「ぁあー……資材が貯まらないって提督は常々言ってますけど、絶対にこれですよ、これを削減できれば資材は自然と貯まりますよ……」
「HEY、カッシー。一つ相談があるのデース」
 ソロバンを叩いていた明石の傍に立ってウルウルと瞳を輝かせる金剛。
 明石は「へ? 私にですか?」と不思議そうに顔を上げて尋ね返す。
「HI! 提督のメンテもしている明石にしか頼めない相談デース!」
 自信満々に告げる金剛に、明石は「そ、そうですか」とたじろぎながら応じる。
「それで、相談とは何でしょう?」
「それが……実は、私の(提督への想いの)熱さを、深海棲艦(くらいに鈍い提督)に直接ぶつけるには、どうしたらいいデスカ……?」情けない表情で呟く金剛。
「金剛さんの(戦艦級の主砲の)熱さを、深海棲艦(ほどの強大な敵)に直接ぶつけるには……ですか」悩ましげにうつむく明石。「となれば、私に出来る事は(戦艦の火力的な意味の)熱さを上げるために。金剛さんの兵装を改修する事ぐらいですが……」
「Really!? 私の(提督への想いの)熱さを、更に上げる事が出来るのデスカー!? Please! 是非お願いしマース!」
「そこまで仰るのでしたら是非は有りません! 早速改修工廠へ行きましょう! 私の腕によりを掛けて、金剛さんの(戦艦の火力としての)熱さを全力で上げてみせます!」駆け足で執務室を出て行く明石。
「Wow! 楽しみデース♪」浮き足立ちながら明石を追う金剛。

◇◆◇◆◇

「あーいてて、どうしてこう、我が鎮守府の艦娘達は暴力的な娘ばっかりなんだ、全く……」
 全身打撲に加え頭から流血も確認できる提督がよたよたと執務室に戻ってくると、やっぱり穴は開いたままだった。
「これはまた明石に怒られるな……とほほ……」
 嘆息混じりに椅子に腰掛けようとした提督の耳に、普段は聞かない音が入り込む。
 ゴォォォォ、ゴォォォォ、と怪獣が空気が吐き出すような音が。
「何? 何かいるのこの鎮守府?」
 ガタガタと震える提督がいる執務室の扉が開き、金剛が顔を覗かせた。
「な、何だぁー金剛ちゃんかー」ホッと胸を撫で下ろす提督。
「HEY! 提督ぅー? 私のBurning Love、受け取って欲しいネー!」
 執務室に入ってきた金剛が、見た事も無い兵器を抱えて提督に向き直った。
 ゴォォォォ、ゴォォォォ、と先端から火炎を噴き上げる兵器を見て、提督は仏の顔になっていた。
「受け取れないなぁー、それは受け取れないなぁー」ニッコリ笑ってNOを示す提督。
「Burninguuuuu Looooove!」
 ゴォォォォ、と提督が火炎放射器に包まれた。
「GYAAAAAAAAAAAAAA」火達磨になってのた打ち回る提督。
「Wow! 提督が私のLoveでBurningしてるネー!」嬉しげに飛び跳ねる金剛。「カッシー! Very Thank Youネー♪」
「提督ー、失礼しまー……何事ですかこの惨状は!?」
 執務室に入ってきた明石が、部屋の中で燃えながら転がり回る提督を視認して悲鳴を上げる。
「カッシー! Youのお陰で提督が私のLoveに包まれたネー! Very Very Thank Youネー!」明石の手を握り、ブンブンと振り回す金剛。
「あ、……あー、そういう、事、でした、か……」何かに気付いて提督から顔を背ける明石。「どう……いたしまして……」
「GYAAAAAAAAAAAAAA」
 燃え盛る提督に、明石は心の中で(そんな気は薄っすらしてたけど……今度提督に差し入れしておこ……)とこっそり謝るのだった。

【後書】
 何かこう、「提督に一体何の恨みが!?」ってぐらい提督をボロカスにするのが愉しいんですよね…(笑)
 と言うよりアレですね、艦娘には傷ついて欲しくないので、傷つくのなら提督一択! みたいな雰囲気が有りますよね。提督(檻夜さん)ならどれだけボロカスになっても心が痛みませんからね!ww
 と言う訳で毎週金曜に再配信して参りますので、良かったらお付き合い頂けますように~♪

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