2019年4月8日月曜日

【教えて!狩人先輩!】第39話 助けて! 先輩が止まらない!【モンハン二次小説】

■あらすじ
ヒッソォヒッソォ。

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【pixiv】、【ハーメルン】の三ヶ所で多重投稿されております。

■キーワード
R15 残酷な描写 モンスターハンターダブルクロス MHXX ライトノベル コメディ


Pixiv■http://www.pixiv.net/series.php?id=635565
ハーメルン■https://syosetu.org/novel/69877/
■第39話

第39話 助けて! 先輩が止まらない!


「匂う……匂うぜ、ペイントボールの匂いがなぁ……」

 中二病を患っているとしか思えない発言をモリモリしながら、満面の笑みを浮かべて狩場を歩くアウグは、傍目に観ても異常者そのものだった。
 その背後十メートルを追い駆けるのは三人の後輩である。彼女達は懸命に、アウグに聞こえないように作戦を練っていた。
「どう考えても先輩、捕獲の雰囲気じゃないっすよアレ!」ヒッソォヒッソォと声を潜めて喚くオクトー。「捕獲すると見せかけて討伐からの、無断素材剥ぎ取りをする気しかしないっす!」
「それは不味いですわ! 最悪の結末ヴァージョンツーですよそれは!」ヒッソォヒッソォと声を潜めて喚くエネロ。「クエストを失敗するだけじゃ飽き足らず、無断で素材を剥ぎ取るだなんて、ハンターズギルドにバレたら免職どころかハンターの資格剥奪だって有り得ますわ! そうなったら先輩は強制的にハンターライフ終了……私達の輝かしい人生設計図は全て水泡に帰してしまいます……!」
「由々しき事態過ぎるよ!」ヒッソォヒッソォと声を潜めて喚くフェヴラ。「僕達の手で何とかしなくちゃ! 先輩はもうどうにもならないから、先輩がナルガクルガを抹殺する前に僕達の手で捕獲するんだ! さもなくば僕達は先輩に未来を抹殺される!」
「おう、お前らさっきからヒッソォヒッソォ馬鹿でけぇ声で言いたい放題言い腐ってるが、そろそろぶっ飛ばされてもいいよな?」
 突然目の前に会心の笑みを浮かべるアウグに立たれ、三人の顔から血の気がドヴァーッと引いた。
「ききき聞こえてたんすか先輩!?」「ぶっ飛ばされたくないです!」「死にたくない!!」三人の悲鳴が上がった!
「ったくお前ら……」やれやれと肩を竦めるアウグ。「よく俺を見てくれ。さっきみたいに我を失ってねえし、暴走もしてねえ。お前らの話もちゃんと聞いてる。狩猟も真面目にやる。ナルガクルガは仕留め……捕獲する。何かおかしい所は有るか?」
「仕留め」「仕留め」「仕留め」三人の声が重なった。
「……捕獲する」こほん、と咳払いするアウグ。「だからそんなに露骨に怯えるのやめてくれねえか? 流石に俺も悪かったと思ってるからよ」
 三人の後輩は互いに目配せし、頷き合った。
「先輩、本当に正気っすか?」オクトーがアウグの顔を覗き込むように尋ねた。
「見て分かるだろ? 正気も正気、平常運転だっつーの」呆れ果てた様子で応じるアウグ。
「あっ、ナルガクルガ!」フェヴラが遠くを指差した。
「行くぞ手前らァァァァッッ!! 絶対に逃がすなよ確殺しろッッ!!」アウグと思しき何かが瞳を真っ赤に輝かせて残像を残して跳び上がり、古代林のどこかに消え去って行った。
 三人の後輩は仏の顔を見せ合うと、頷いた。
「最早一刻の猶予も無いっす!」全身冷や汗の汗だくで喚くオクトー。「先輩がナルガクルガを確殺する前に自分達の手で何とかナルガクルガを捕獲するっすよ!!」
「ええ、今すぐ作戦を練りましょう」コックリと真っ青な顔で頷くエネロ。「四の五の言っていられないわ、冗談抜きにナルガクルガの協力を仰ぎましょう。彼もここで惨たらしく死ぬのは避けたい筈ですから」
「そうと決まれば先輩より先にナルガクルガを見つけなければならない訳だけど……」すん……と鼻を上向けるフェヴラ。「ペイントボール、もう切れてないかい?」
 間。
「……万事休すっすよ、このままじゃ野生の本能に目覚めた先輩の方に分が有るっす……嫌っす~! もう先輩を弄繰り回す狩猟が出来ないなんて、そんなの嫌っす~!」メッソォメッソォと泣き始めるオクトー。
「私も嫌ですわ~! 先輩ともっとあんな事やこんな事して全体位をマスターしたかったのに~!」メッソォメッソォと泣き始めるエネロ。
「……こうなったら、僕ももう奥の手を使わせて貰うよ……!」涙を拭いながら、ベルダーメイルの間から小さな笛を取り出すフェヴラ。
「それは……?」涙を拭いながら尋ねるエネロ。
「まぁ観ててよ」と言って笛を吹くと、音が鳴らなかった。
 二人が不思議そうに見つめていると、フェヴラの頭上からぼとっと人が落ちてきた。
「お呼びでしょうか、お嬢様」スッと立ち上がって礼をしたのは、ヒツだった。
「火急の用だ、よく聞いて、じい」フェヴラが真剣な表情で告げる。「ナルガクルガを捕獲する手伝いをして欲しいんだ」
「お嬢? その爺さん、ハンターなんすか??」「見たところ、執事さんなのですが……」オクトーとエネロの疑問符の乗った言葉が掛かる。
「ふふっ、わたくしを嘗めて頂いては困りますな……!」突然不思議なポーズを取り始めるヒツ。「こう見えてわたくし、ハンターとしての実力を兼ね備えた執事でしてな! ナルガクルガの捕獲ぐらい、朝飯前で御座います!」キュピーンッ、と瞳が輝いた。
「だっ」
 ダッセーッ! とヒツのポーズを見て心の中で絶叫するオクトー。
「だ?」ポーズを決めたままのヒツ。
「だ、だいぶ凄いっすね爺さん……」咳払いのし過ぎで噎せ返りそうになるオクトー。
「ともあれ、これでスタートラインですね……!」スッとヒツに握手を求めるエネロ。「先輩のために、手伝って頂けますね? 爺さん」
「あ、あの、何故か貴女様に“爺さん”呼ばわりされると興奮するのですが……!」はぁはぁと呼気が荒いヒツ。
「わたくし、爺さんは守備範囲ではないのでどうでもいいです」ぺっ、と吐き捨てるエネロ。
「はぁんっ!」胸を撃たれたかのような挙動を見せるヒツ。「もっ、もっと罵ってくだされ……はぁはぁ」
「……じいの知りたくない部分を知ってしまって僕はもうどんな顔でじいと接すればいいのか分からないよ……」
 フェヴラの絶望声に、オクトーがそっと肩を叩いた。

【後書】
 四ヶ月振りのおしかり先輩! まさかの狩猟シーン無しでお送りします!(笑)
 いやー、この空気感ですよw この空気感のために綴ってる感有りますよ!w 狩猟しなくても良いのでこのテンションのままずっと過ごしてて欲しいです(笑)。
 何て言ってたら先輩がやらかしそうなので急いで捕獲するんだGOOOOOO!!!!! 次回、爺さんが「カァーッ!!」って言います。お楽しみに!w

2 件のコメント:

  1. 更新お疲れ様ですvv

    四ヶ月も経っていましたか…早いものですね。(チクリッw

    狩猟シーンなくてもこのハイテンションこれが狩人先輩の真骨頂!
    むしろ狩猟シーンはおまけなのでは?(オイオイw)と感じさせる程ですw
    やっぱおもしれぇやv

    ヒツさん…登場時から只者ではなさそうだなって思ってましたが、
    予想以上に只者ではありませんでしたねw次回もヤバそうだw


    今回も楽しませて頂きましたー
    次回も楽しみにしてますよーvv

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    1. 感想有り難う御座います~!

      もう四ヶ月でした…!w ウッw(グサグサw)

      そうなんですよ!w これが狩人先輩の真骨頂です!!
      まさかの狩猟シーンがおまけ!www いや言い得て妙レヴェルですよそれ!ww
      「やっぱおもしれぇやv」この感想だけでもう綴った甲斐が有ったってもんです…! 有り難う…!!

      只者の扱いがどこに向いてるかで内容ガラッと変わりそうな「只者ではない」なのが気になりますが!ww(笑) 次回も安定のヤバさです!w

      今回もお楽しみ頂けたようでとっても嬉しいです~!
      次回もぜひぜひお楽しみに~♪

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