【神否荘の困った悪党たち】第７６話 まさかの敵だこれ【オリジナル小説】

■あらすじ
田中さーん！

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【カクヨム】の二ヶ所で多重投稿されております。

■キーワード
日常　コメディ　ギャグ　ほのぼの　ライトノベル　現代　男主人公


カクヨム■https://kakuyomu.jp/works/1177354054881797954
■第７５話

---

第７６話　まさかの敵だこれ


「んん！　もごぉ……」

じゅるり、と田中さんが呑み込まれたんですけど。
俺の身長の五倍くらいあるドラゴンは満足そうにゲップすると、そのまま立ち去って行った。
「……え？　チュートリアルどうなったのこれ？？」
残された俺は謎のヒューゴイとフッピクとヘモーイが何か分からないままなんですけお。
ととと取り敢えず危機は去った…のか？？　田中さん喰われたけど……危機は去った……の……か……？？？
導入からしてもうヤバ味極まるゲームだと判明した訳だけれど、これアレかな、主要人物でも容赦なくモグモグされていくゲームなのかな……死にたくないでござる……
「うーん、今回はいつものガバガバ判定と言うか、ユルユル難易度じゃなさそうだなぁ……」
いつもならこの辺で「村はこっちだよ！」みたいな矢印が出てもおかしくないけれど……見渡す限り森林しかない。木と草だけ。
仕方なしに方角も何も分からないまま歩いて行くと、ガサガサ音が聞こえた！
恐る恐る視線を向けてみると、ニャッツさんがトコトコ歩いてた。
「まー！」変な声が出た！「ニャッツさん！　ニャッツさんじゃないか！　奇遇だねぇ！」あまりの嬉しさにテンションがおかしくなってしまったのである。
「にゃ？　ししょ……じゃにゃかった、ハンターさんじゃにゃいか！　にゃにをしてるのだこんにゃところで！！」ニャッツさんだ確信した。「ししょ……じゃにゃかった、ハンターさんはこれから“見るも無残村”で活動するんじゃにゃかったのか！」ううーんこの雑クオリティの村の名前、マナさんのゲーム臭がしゅごい。
「なるほど、見るも無残村に行けば良いんですね」やっと情報らしい情報が出て来たぞう。「ニャッツさんが案内してくれるんです？」
「にゃ？　我が輩はその見るも無残村を破壊するために遣わされたモンスターにゃ」まさかの敵だこれ。
「えぇー、ニャッツさんを斃さないといけないんですかこれ……」しゅごい嫌だな……
「じゃあ我が輩と一緒に村を破壊するにゃ？」とんでもねー申し出が来たよ。
「えぇと、それって選択できるんですかね？」村には悪いけれど、ニャッツさんを敵に回したくないしね、仕方ないね。
「じゃあ一緒に来るにゃ！　一緒に村を破壊するにゃ！」ヤバい展開になってきた。
ニャッツさんがトコトコ歩いて行くので、俺もトコトコついていくのであった。
これアレかな、モンスターをハンティングするゲームと言ってたから、実は村と言うのはモンスターの村で……って何にせよヤバいな。モンスターの村を襲撃してモンスターをハンティングってお前、やってる事、悪逆そのものだぞい。
「ついたにゃ！」
「おっ」
人間が俺達を見て不思議そうにしてる村でした。ヤバいね。
「おお！　あなたはモンスターから村を守ってくれるハンターさんじゃないですか！」村人さんと思しき人がトコトコやってきた。「いやぁ、お待ちしておりました。最近この辺も物騒になったもので……今、歓迎会の準備をしておりますので、今しばらくお待ちを……！」
「えっ、あっ、そのぉー……」ヤバいよ、俺の良心ゲージが見るも無残村だよ。
「ところでそちらのにゃんこは……？　……！　もしや！」感づかれた！「飼い慣らしたモンスターですか！？　いやぁ、ハンターさんともなると凄いですね！」
「誰がペットにゃーっ！」カカァーッ！　と口から得体の知れないビームをニャッツさんが吐き出すと、村の八割くらいが蒸発した。
「はわわ……」はわわ……しか言えなくなってしまったよ。
「うわぁーっ！　ハンターさーん！！」村人さんが腰を抜かして慄いてる。「こ、ここ、これは一体どういう……！」俺も知りたい。
「このハンターさんはモンスター側についたのにゃ！　貴様ら人間はもう蒸発一択にゃ！　慈悲はにゃい！！」もう後戻りできない奴だ！「喰らえ！　カカァーッ！」またビーム出しよる！！
村が無くなりました。
……俺もしかして人間に追われる側のハンターになってないこれ？？

---

【後書】
とんでもない展開になって参りました！ｗｗ(笑)
ところで、たぶん2019年最後の神否荘の更新になりそうです今回。元気が有れば、何かその、このモンスターをハンティングする奴とは別の短編などを投稿できればいいなぁーと思っておりますが、何分寒さにめちゃんこ弱い生物ですからねワシ…
と言う訳でまさかのモンスターサイドのハンティングする奴、次回もお楽しみに～♪ｗｗ