2020年6月7日日曜日

【牙ガイ】俺のガイトが男の子の訳が無い!その5【バディファイト二次小説】

■タイトル
俺のガイトが男の子の訳が無い!その5

■あらすじ
女の子でも男の子でも良いじゃない。

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【pixiv】の二ヶ所で多重投稿されております。

■キーワード
バディファイト 未門牙王 黒渦ガイト 牙ガイ コメディ ギャグ 人格崩壊 腐向け

Pixiv■https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=8390580
■俺のガイトが男の子の訳が無い!その5


「ガイトは女の子だ……間違いない……」

 くぐると爆の前で悟りきった仏のような顔をしている牙王が呟いた。
「そうか……良い匂いがしたんだな……?」爆がうんうん頷く。
「良い匂いがしたら女の子判定ってのもどうかと思うけど……」くぐるが白い目で爆を見やる。「でも牙王ちゃん。前から思ってたんだけど、ガイト君が本当に女の子だったら、どうするつもりで、今まで調べてたの?」
 牙王が驚きに目を瞠り、くぐるを見つめる。
「そう言えばそうだな。ガイトが女の子だからって、牙王の対応が変わる訳じゃないだろ? お前、パル子相手にも態度変わらねえし」
 爆の補足に、牙王は「確かに……ガイトが女の子って分かったからって、どうこうする訳じゃないよな……」やっと気づいた真理に、頻りに頷いてしまう。
「じゃあ問題無いじゃない。ガイト君が女の子だったとしても、いつも通り接したら良いのよ」にっこり笑うくぐる。「いやまぁ、ガイト君は男の子なのに女の子扱いされてどう思うか分からないけど……」サッと陰を差して視線を逸らした。
「だ、だけどさ。俺さ、こう……最近、ガイトと会う度にドキドキして仕方ねえんだ……女の子だからかも知れねえって思ってたけど、そうじゃないとしたらこれは……病気なのか?」
 牙王の不安そうな態度に、爆とくぐるは爽やかな微笑を浮かべてこっくり頷くのだった。
「それは牙王が自分で気づかないといけない奴だな」
「うん、それはガイト君が男の子だからとか、女の子だからとか、関係ない奴よ、牙王ちゃん」
「そうなのか……」牙王は深刻そうに俯いた後、「ちょっとガイトと会って来るぜ!」と駆け出して行った。
 残された二人は、「まぁ、薄々とそんな気はしてたよな」「アレだけ露骨にやってればね……」と神妙な表情で頷き合うのだった。

◇◆◇◆◇

「ガイト!」「牙王……?」
 キャッスルから出てきたガイトに、牙王は声を掛けながら駆け寄った。
「どうした?」
 ガイトは普段と変わらぬ様子で牙王を迎え、不思議そうに視線を寄越す。
 牙王はそんないつものガイトを確認すると、安堵したように吐息を落とした。
「あのさ、ガイト。俺、ガイトが男の子でも女の子でも、どっちでもドキドキするからな!」
 そう言ってサムズアップをしながらはにかむと、「じゃあな!」と走り去っていく牙王。
 そんな牙王を見送るガイトは数瞬呆けた顔をした後、「……は?」と急速に顔に血液が集まり、完熟したトマトのように染まった。
 どうしたらいいのか分からず硬直してしまったガイトは、すぐそばで聞いていたアビゲールに視線を飛ばし、何とかこの状態を伝えようと口を開閉させるも、声が出てくる事は無い。
「……心配するな、ガイト。正直俺も、突然の事過ぎて何が何やら……」苦笑を浮かべるアビゲールだったが、空咳を一つ挟み、改めてガイトを見やった。「だがな、ガイト。ああまで言われたら、お前も何か、言い返してやるべきではないか?」
「そ、そそ、そうだな……俺も何か言い返し……」
 沸騰を知らせるヤカンのようにポヒューッと頭から蒸気を噴き出すと、ガイトは倒れてしまった。
 牙王はすっきり快眠できるようになったが、その日からガイトは悶々と寝付けなくなってしまったそうな。

【後書】
 牙ガイ短編は約1年振りで、「俺のガイトが男の子の訳が無い!」が約3年振りの続編と言う、尋常ならざる時の移ろいを感じさせるアレです。こんつわ!
 アクセス解析的なものがワシ(日逆孝介)と断どんのBlogこと【逆断の牢】に設置されてるのですが、未だに根強い人気が有る記事が「牙ガイ」関係だったりします。
 Kindle本の原稿も一段落ついてほわほわしてる時節なので、懐かしさを感じつつ、断どんのご褒美的なアレで綴ってみようと思い立った訳ですな!
 と言う訳でまだ続きそうな予感を残しつつ、またそのうち続編を投稿に参りますゆえ、どうかお楽しみに!

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