2018年4月18日水曜日

【僕のヒーローアカデミア二次小説】隣にいる条件【物拳】※再掲

■タイトル
隣にいる条件

■あらすじ
夏祭りに拳藤を誘った物間の明示する、条件。
相思相愛系物拳です。色々捏造設定注意!

▼この作品は、Blog【逆断の牢】、Fantia【日逆孝介の創作空間】、【Pixiv】の三ヶ所で多重投稿されております。
※注意※2017/10/19に掲載された文章の再掲です。本文も後書も当時そのままになっております。

■キーワード
僕のヒーローアカデミア 物間寧人 拳藤一佳 物拳 ヒロアカ


Pixiv■https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=8810258
Fantia■https://fantia.jp/posts/22450

■隣にいる条件

※色々捏造設定なのでなんでも許せる方向けのお話だよ!


「よっ、お待たせ!」

雄英高の近くで夏祭りが有ると聞き、何気無く拳藤を誘った物間は、現地で彼女の浴衣姿を見て胸の高鳴りを抑えられなかった。
「ん? どうした? 私の浴衣姿に見惚れてるのか?」にひひ、と悪戯っぽく笑む拳藤。「ほれほれ、どうよ、可愛いでしょ?」
「馬子にも衣裳って諺、知ってる?」ポコッ、と物間の頭に手刀が振り下ろされた。「冗談だよ、似合ってる」
「お、おう。あんたから真正面に言われると、何か調子狂うじゃん」
気恥ずかしげに頬を染めてそっぽを向く拳藤に、物間も「いや、君にそんな乙女らしい反応されると僕も対応に困るんだが」と彼女と同じ表情で目を逸らす。
互いに気まずそうにするも、すぐに視線を交わし、――苦笑。
「変な気遣い無用でさ、楽しもっ、いつもみたいに」
「そうだね、僕らはそれでいい、――それがいい」
互いに視線を交わし合い、露店を覗き見て行く。
金魚を取るのにポイをコピーしようとした物間に手刀を落としたり、
綿菓子を手の大きさのサイズで頼むと、巨大化した手で注文する拳藤に肩を竦めたり、
互いに輪投げの才能が無い事が分かったり。
遊興に使える軍資金が底を尽いた頃、宵闇に沈む境内をのんびり散策していると、不意に頭上で轟音が花開いた。
見上げずとも知れる。夜空に鮮やかな大輪が咲いていた。
「いいねぇ、風情が有って」火薬の残滓を仰ぎ見ながら、拳藤は小さく零した。「超人社会になっても、こういう風情を大切にしたいって人、多いよね」
「人は忘れたくないのさ、綺麗な思い出を。だから、五感で総身に刻んで、未来に運ぶんだよ、この思い出を」
闇に濡れた空に、再び大きな花火が瞬く。
輝きに染まる二人の顔は、どことなく、憂いを帯びていた。
「……来年も、また一緒に来れるかな」
「君が望めば、いつでも来れるさ」
独り言のように、囁かれる言葉。
「……私さ、別にヒーローになれなくてもいいからさ、」視線を落とし、物間を見据える拳藤。「また来年も、あんたの隣にいられるなら、それでいいんだ」
大気を擦過する炸薬の音を聞きながら、物間は夜の空を見上げながら、小さく口を開いた。
「だったら、君はヒーローじゃないと嘘だね」
パッと辺りに光が満ち、物間のふてぶてしい笑みが見えた。
「僕の隣にいるって事は、最高のヒーローって事だからね」
心底楽しそうに、意地悪な笑みを覗かせる物間に、拳藤は思わず見惚れ、それを誤魔化すように肩をどついた。
「じゃあ、頑張らないとね、私も、――あんたも」
「そうだね。……来年も、また、来れるように」
最後の大輪が夜空を彩る時、二人は意識せずに手を繋いでいたのだが、その事実に気づくのは、もう少し先の話――

【後書】
夏祭りに誘ってる時点でもうお前ら夫婦かよ…感一杯でお送り致します(挨拶)。
何気無く消化される一日一日の中でも、彼らは上限一杯の思い出を心に刻んで過ごしてたらいいなーと妄想を膨らませておりました(早く結婚しろ)。
愛読者のとみちゃんに「連載したらどうだろうか!」と素敵な申し出を受けて、改めてネタを練ってみたところ、連載はまだ確約できないまでも、更に2話分延長する運びとなりました! ワーイワーイ!
全編12話分の物拳短編、どうか最後までお楽しみ頂けたら幸いです! それではまた来週の木曜にお逢い致しましょう! ではでは~!

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