2018年4月18日水曜日

【スターフォックス二次小説】全壊系前線基地・カタリナ〈後編〉※再掲

■タイトル
全壊系前線基地・カタリナ〈後編〉

■あらすじ
カタリナ前線基地に勢いよく到着した。※※このステージほど誤射が愉しいステージもそう無いですよね! 毎回犬死にさせてます。ゴメンゴ!

▼この作品は、Blog【逆断の牢】、【Pixiv】の二ヶ所で多重投稿されております。
※注意※2013/09/24に掲載された文章の再掲です。本文が当時そのままになっております。

■キーワード
スターフォックス64 コメディ ギャグ



Pixiv■https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=2861471



全壊系前線基地・カタリナ〈後編〉

カタリナ前線基地へと向かうグレートフォックスに、突如として緊急の通信が入ってきた。通信に出てみると、相手はペパー将軍だった。
「カタリナの前線基地が敵と交戦中だ! 援護してやってくれ!」
緊迫した表情で告げるペパー将軍に、フォックスは自信に満ちた表情で胸を叩く。
「任せて下さい!」と言った後、何とも言えない表情になるフォックス。「あの……将軍、一つお聞きしたい事が……」
「ん? 何だね?」眉根を顰めるぺパー将軍だったが、そこでフォックスが案じている事を予想して口を開く。「敵……アンドロフ軍は無尽蔵の物量で攻めてきている、心して掛かってくれ」
「あのその、そうではなくてですね……」空咳を落とすと、フォックスは真顔になり、モニターに映っているペパー将軍を見やる。「カタリナ前線基地って、何回全壊したんですか……?」
「…………」
ペパー将軍の顔が仏のようになった。
訊くべきじゃなかったァァァァッッと、フォックスは真顔のまま内心両手で顔を覆って溢れんばかりの涙を流していた。
「……大丈夫だ、現在カタリナ前線基地は、歴代史上最高の防衛システムを構築している。幾らアンドロフ軍と言えど、早々陥落はすまい……!」
アンドロフ軍とはレヴェルの違い過ぎる、高が暴走族風情に四回も全壊させられている事を口にしようとしたが、あまりに憚られる内容に、フォックスは汗をダラッダラ流しながら「そ、そうですね……!」と引き攣った表情で応じた。
「で、では健闘を祈る」
応答を待つ間も無く通信を打ち切るペパー将軍に一抹の不安を覚えながらも、フォックスは通信機を台座に戻した。

◇◆◇◆◇

カタリナ前線基地が視認できたところで、グレートフォックスから出撃し、フォックス、ファルコ、スリッピー、ペッピーの四人はアーウィンを駆って最前線へと到達した。
「各隊、援軍が来るまで持ち堪えるんだ!」
通信機に突如として割り込んできた古き友の声に、フォックスは胸が熱くなった。
相手もフォックスのアーウィンを視認したのだろう、希望に満ち溢れた歓喜の声を通信機越しに寄越してきた。
「来てくれたのか、フォックス!」
「ビル? ビルなのか! 久し振りだなぁ」
感極まって泣きそうになった。計四回も全壊の憂き目に見舞われたカタリナ前線基地で、未だに現役で活躍していると判って、色んな感情が湧き上がってくる。
「フォックス! 話は後からだ!」
元気そうなビルの反応に、フォックスも即座に「了解! 敵を殲滅する!」と応答を返した。
「ようビル、元気だったか?」
不意にファルコが通信に割り込んだ瞬間、カタリナ前線基地を防衛する全てのアーウィンの操縦が不安定になった。
「うわあああああ!! 破壊神ッ、破壊神が来たァァァァッッ!!」「止めてくれェェェェッッ!! お願いだから壊さないでくれェェェェッッ!!」「死にたくないよォォォォッッ!! こんなのってないよォォォォッッ!!」「あばばばばば」「はは……ごめん、かーちゃん……俺の命もここまでみたいだ……」
更にあらゆる場所から錯乱した内容の通信が弾けまくり、突如として阿鼻叫喚が入り乱れ始めた。
「フォックス!? 何て奴を連れて来たんだお前は!! 俺達を犬死にさせるつもりか!?」
ビルの悲痛な声が弾け、フォックスは慌てて通信機に触れる。
「お、落ち着いてくれビル! あと皆も!! ファルコは俺達の味方だ! もう全壊しないから!!」
「そうだぜ? 俺に任せときゃ、アンドロフ軍なんざ豆腐みたいなもんだ。電撃的に殲滅してやるよ」自信満々に通信に割り込むファルコ。
「ぉお……! あの破壊神が味方だなんて、もう負ける気がしない……!」「破壊神様やっちゃって下さい!」「破壊神キタコレ!」「頼もし過ぎる援軍だ!!」「破壊神様ァァァァッッ!!」
阿鼻叫喚の地獄絵図から、欣喜雀躍の天国絵図に切り替わるカタリナ前線基地。
「ファルコ、いつからエースパイロットからゴッドパイロットになったの?」相変わらず感情の無い表情で呟くスリッピー。
「はんッ、やっと世界が俺の実力に追いついたって事だろ?」高慢ちきに応じるファルコ。「たっぷり礼をしてやるぜ!」
そうしてスターフォックスの四人がカタリナ前線基地の防衛戦に参戦して間も無くの事だった。
「敵機撃墜!! ……味方か……?」
ペッピーから不穏なセリフが漏れ出た。
「ペッピー!? 何耄碌してるの!? 確かに乱戦状態だけど、味方は撃墜しないでよ!?」思わず頓狂な声を張り上げるフォックス。
「どれが敵か味方か分かんないよ!」
何かを撃墜しながら喚き始めるスリッピーに応じるように、何故か味方の通信から「ぎゃあああ!!」と言う断末魔の声が聞こえてきた。
「スリッピー!? 落ち着いてよく見るんだ!! アンドロフ軍だけ狙って撃墜してくれ!! お願いだから!!」
「敵機撃墜!!」
威勢の良いファルコの声と共に、防衛軍のアーウィンが落ちて行く。
「ファルコさァァァァんッッ!? 何自信満々に味方撃墜してるの!? それ敵機じゃないよ!? 味方だよ!?」
「ドーベル隊は、基地の援護に回れ! バーナード隊! 基地には何も通すな!」適確に指示を出していくビル。「フォックス!! やっぱり俺達を犬死にさせるつもりなんだな!?」そしてフォックスに噛みついた。
「違ッ!! 誤解だ!! 皆!! 敵機だけ狙ってくれ!! 頼むから!! 今の俺達はどう考えてもアンドロフ軍と共に襲撃しに来た敵機と見られてる!!」
「ほう……俺を敵と見てるのか」冷たいファルコの声が入り込んだ。「もう忘れたのか? 捕食される側と、捕食する側の立場と言うモノを」
「ファルコォォォォッッ!! お前それ悪役のセリフゥゥゥゥッッ!! お前は何と戦いに来たんだァァァァッッ!!」フォックスの絶叫が弾けた。
「逃がすもんか~!」と言ってビルを追い駆け回すスリッピー。
「止めろォォォォッッ!! お前は味方じゃないのかァァァァッッ!? た、助けてェェェェッッ!?」懸命に逃げながら必死に通信するビル。
「まだまだだーっ!」ガンガン機銃を打ちまくるスリッピー。
「うわああああッッ!!」
爆発炎上し、あっと言う間に墜落して行くビル。
「敵機撃墜!」得意気に笑むスリッピー。
「ビルゥゥゥゥッッ!!」
フォックスの半狂乱染みた声が、カタリナ基地全体に響き渡ったそうな。

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