2018年4月22日日曜日

【僕のヒーローアカデミア二次小説】誘食【物拳】※再掲

■タイトル
誘食

■あらすじ
物間の食事に物申したい拳藤。
相思相愛系物拳です。色々捏造設定注意!

▼この作品は、Blog【逆断の牢】、Fantia【日逆孝介の創作空間】、【Pixiv】の三ヶ所で多重投稿されております。
※注意※2017/11/16に掲載された文章の再掲です。本文も後書も当時そのままになっております。

■キーワード
僕のヒーローアカデミア 物間寧人 拳藤一佳 物拳 ヒロアカ


Pixiv■https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=8915418
Fantia■https://fantia.jp/posts/25821

■誘食

※色々捏造設定なのでなんでも許せる方向けのお話だよ!


「おっす物間、一人でお昼とは寂しいこったね」

昼休みの食堂はいつも通り賑わっていた。多くの学生が注文した料理に舌鼓を打っている中、物間は窓際の席で一人菓子パンを齧っていた。
その頭をぽすん、と焼きそばパンで叩かれ、返答する間も無く隣に拳藤が腰を下ろして、焼きそばパンの包装を解き始める。
「……何か用?」片眉を持ち上げて、菓子パンを食べる手を止める物間。
「一人で食べるくらいなら、私を誘えばいいのに」あむあむと焼きそばパンを頬張りながら応じる拳藤。「それとも一人になりたい気分だった?」
「そんな事は無いけど」肩を竦めて、再び菓子パンに齧りつく物間。「僕なんか放っておいて、女子同士仲良く食べればいいでしょ」
「なーんか、放っておけないんだよねぇ、物間って」
焼きそばパンを美味しそうに頬張りながら呟いた拳藤の発言に、物間は呆れた様子で鼻息を落とした。
「……そんなに寂しそうに見えるかい?」
「隣に私にいて欲しそうに見えるよ」
ひひ、と楽しそうに微笑む拳藤に、物間は鼻で笑って菓子パンをテーブルに置くと、右手を拳銃のポーズで固め、彼女を指差した。
「――それは君の願望じゃなくて?」
「物間はそう思ってないの?」
きょとん、とした拳藤の反応に、物間は二の句を継げない様子で固まり、暫くしてから咳払いして、改めて菓子パンを齧り始めた。
「……好きにしたらいいんじゃないかな」
「ふふ、素直じゃない奴」
照れた様子で頬を若干赤らめている物間ににやつきながら、拳藤も焼きそばパンを平らげていく。
喧噪で騒がしい食堂のその場所だけが、静かな憩いの場として、二人に提供されているようだった。
二人は雑談に興じるでもなく、ただパンを齧り合うだけで、会話は無い。
けれど互いにそれを心地良く感じているのか、それに対して不満らしい感情を懐く事も無く、平穏そのものと言った様子でランチを胃袋に納めていく。
「ご馳走様!」パンっと両手を合わせる拳藤。「今度から一人で食べるなら私を呼びなよ。あんたと一緒に食べる昼ご飯は格別だからね」と言って物間の頭を軽く叩いて行く。
「……暇人め」「何か言った?」「――いいや何も」
余韻を残さず立ち去って行く拳藤に聞こえないように呟いたつもりが、しっかり声が届いていたようだ。拳藤の顔がぬっと横合いから伸びてきた瞬間、物間は姿勢を正して若干上擦った声で反応してしまった。
拳藤は「まっ、物間が嫌ならいいけどね」と捨て台詞を残して顔を引っ込めて改めて立ち去ろうとした瞬間、物間がその背中に「ここは僕の特等席だから、君が来たい時に来るといいよ」と声を投げてきた。
肩越しに振り返るも、物間は既に単行本を開いて読書に入ってる態で、空いている片手でヒラヒラと菓子パンのゴミを振って別れのサインを送っていた。
「……素直じゃない奴」
小さく笑声を零して、拳藤は「またね、物間」と言い捨てて食堂を後にしていく。
その“またね”は、午後の授業で顔を合わせるから発した挨拶だったのか、それとも……
物間はもう一つの意味だと確信して、にやけてしまう口唇を整えながら、読書に意識を傾けていく。

【後書】
学校生活で有り得そうなワンシーンとして、こういうシチュエーションも堪らなく好きなんですよね…!
何気無い掛け合いなのに、二人だからこそそこに素敵な感情が芽生えるとかそんな感じのニヤニヤが伝われば幸いです…!
と言う訳で、次回でいよいよ物拳短編もひとまずの最終話! つまりストック切れ!w 次回の配信で毎週木曜配信の物拳短編はひとまず終幕ですが、またネタが浮かび次第配信して参りますので、気長にお待ち頂けたらと思います!

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