2018年4月28日土曜日

【クラン『無人党』のチャットログ】第1話「深夜一時」【オリジナル小説】

■あらすじ
架空のFPS系シューティングオンラインゲーム『War Life Online(ウォーライフオンライン)』をプレイしている、仲良しのユーザー達が集まってワイワイしているシーンを切り取った短編集です。

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【カクヨム】の二ヶ所で多重投稿されております。

■キーワード
オリジナル オンラインゲーム FPS 戦争 ネトゲ ライトノベル ミリタリー

カクヨム■https://kakuyomu.jp/works/1177354054885747217

■第1話

■第1話「深夜一時」


■登場人物
・シガ■シガちゃん。眼帯とポニーテールと八重歯が素敵な少女アバター。
・凹凸■おっさん。無精髭と眼鏡とポニーテールが素敵なおっさんアバター。
・薪■薪ちゃん。フェイスペイントとベリーショートの髪が素敵なお姉さんアバター。

「なぁなぁおっさんおっさん」
静かだったクラン部屋に、シガの意気揚々とした声が流れた。
凹凸は「んー?」とソファの上で寝転がったまま煙草を上下させるだけで、反応は希薄だった。
「クエ行こうぜクエ!」ソファに寝そべる凹凸の頭を鷲掴みにして引き摺り起こすシガ。「暇だろ?」
「暇な人間の頭を鷲掴みにして引き摺り起こすシガちゃん可愛いわぁ……」二人の様子を見つめていた薪がうっとりした声で漏らした。
「嘘やろー……おじさんこんな女子高生いたらドン引きですわぁ……」ギリギリと万力のような力で頭を締め上げられ、凹凸の顔が見る見る拉げていく。「あっ、やめてやめて! おじさんの頭の形状が変形してる気がするの!」
「薪ちゃんはどうする?」凹凸が悲鳴を上げても力を一切緩めずに締め上げ続けるシガ。「暇?」
「もう深夜一時回ってるのに、元気ねぇ。明日金曜だけど、学校は大丈夫なの?」おっとりした声で頬に手を当てる薪。
「んー、まぁ何とかなんだろー」てひひ、と笑うシガ。
「いやー、寝た方がいいでしょどう考えても」頭が変形してしまって泣いてる凹凸。「学生の本分は勉強よベンキョー。遊びも大切だけど、本分忘れちゃダメダーメヨー」
「あん?」突然メンチを切り始めるシガ。「おっさんは黙ってついて来いよ!! 暇なんだろ!?」
「何でおじさん暇でしか有り得ないみたいな扱いになってるの?? おじさんもしかしたら放置して別の事してる可能性有ったよね??」
「えっ、そうなのか……」しょんぼりと俯くシガ。「ごめん、邪魔した……オレ寝るわ……」
「まぁ何もしてなかったけどね」新しい煙草に火を点け始める凹凸。
「ンだよー! 暇なんじゃんかよー!」凹凸の肩に手を回して笑い始めるシガ。「じゃあよー! 行こうぜクエストにさー!」
「へぇへぇ、分かりました分かりましたよ、おじさんは何でも付いて行きますよ」やれやれと肩を竦める凹凸。
「ほんと、仲良いわよねぇ、シガちゃんとデコさん」優しい眼差しで二人を見つめる薪。「仲違いさせたくなっちゃうわぁ……」
「薪ちゃん、偶に恐ろしい事言うよな」「薪ちゃんは素がクズだからねぇ……」シガと凹凸が同時にしみじみと呟いた。
「あら、失礼しちゃうわ」ぷんっ、とそっぽを向く薪。「私も付いてっていいかしら? それともお邪魔かしらん?」
「おー、来いよ来いよ! 一緒に行こうぜ薪ちゃん!」薪の手を握り締めてブンブン振り回すシガ。「ちょっと緊急無いか確認してみんわー」
と言って右手に装着されている端末を開いて緊急任務の情報をザッと追ったシガは、二秒と経たずに、「おっ、これにしよ」と二人の了承も得ずに任務を受け、二人に部隊参加の申請を送った。
「何の任務かなぁ」煙草を上下しながら端末を開く凹凸。「んー、【暗がり橋】で防衛戦かぁ。今の時間帯だと戦果稼ぐの辛そうだなぁ」
「私撃たないでよぉ? 幾らおかしな動きしてるからって、誤射したら許さないんだからね★」キャピッ★ とポーズを決める薪。
「薪ちゃん敵兵に扮してるのに誤射されない方が無理だろ……」呆れ果てた様子のシガ。「もう始まってるっぽいから、移動開始~! オレがジープ運転するから! オレ運転するから!」
「シガちゃんの運転酔うからなぁ~、現着するまでようつべ見ててい」「ダメ」「うぇー」
狂和国の僻地【キョウゲン】に佇むクラン『無人党』のクラン部屋から飛び出た三人は、駐車場に駐車してあるクラン保有の灰色のジープに乗り込むと、アクセルべた踏みで猛進し始めた。
「ほらー、これだよこれー」凹凸が助手席で苦しそうな声を上げている。「何でもっとスマートな走り出し出来ないの?? モニター越しでもヤバいんだよこのG~。体が持って行かれそうになるんだよぉ」
「あら、私は好きよ、こういう荒っぽい運転」後部座席で優雅に微笑む薪。「性格現れていいじゃない、荒々しいシガちゃんらしくて」
「イエー! 飛ばすぜぇ、飛ばすぜぇ、超飛ばすぜぇ!!」何も聞いていないシガ。
「薪ちゃん、現着したら声掛けてね、おじさん三半規管がやられて、飲んでたアルコール全部復元しそうなの」「はいはい」
三分ほどシガの楽しそうな声と、ジープが道無き道を踏破する荒々しい走行音だけが三人の耳朶を打ち続けた。
「イエー! あっ! おっさんお前意識こっち無いな!? 折角オレが運転してやったのに! 起きろー! 寝たら殺すぞー!!」
「うあー、何々着いたの着いたの??」ガンッ、と銃声が鳴って凹凸の肩から血液が舞った。「ギエピーッ!! 何で!? 何で撃ったの!? 酷くない!? シガちゃん酷くない!?」
「うるせえ!! オレの運転を見てないおっさんが悪い! ほら行くぞ! 殺すぞ!!」プンスコと頭から蒸気を発しながらジープを降りて行くシガ。「早く来いよ!!」
「えぇー……てか薪ちゃ~ん、何で起こしてくれないのよ~、シガちゃんカンカンじゃ~ん……こうなるの嫌だから起こしてって言ったのにぃ……」しょんぼりと風穴を穿たれた肩を、治療スキルで回復する凹凸。「ひでぇ……戦闘まだ始まってないのにもう負傷してるなんて……トホホ……」
「あら、デコさんが悲しみに暮れる所が見たいから黙ってたに決まってるじゃない?」不思議そうに小首を傾げる薪。
「くそう、クズに頼むんじゃなかった」ガンッ、と銃声が鳴り響いて治療した凹凸の肩に再び風穴が穿たれた。「もぴーっ!! 何で!? 何でおじさん味方に二回も撃ち抜かれないといけないの!?」
「えっ? 今の撃っていいって合図だったのではなくて?」「ンな訳有るかチクショウ!!」薪ちゃんの不思議そうな返事にカンカンの凹凸。
「何してんだ!! 早く行くぞ早く!! おっさん殺されてえか!!」サブマシンガンを構えて凹凸を睨み据えるシガが見えた。
「おじさん、敵兵に殺される前に味方に銃殺される未来しか見えなくなってきたよ……トホホ……」駆け足でシガを追い駆ける凹凸。
「それでこそデコさんじゃない。私はそういう惨めで可哀想なデコさん、好きよ?」うふふ、と笑いかける薪。
「ああ、これ戦果稼ぐどころじゃないパティーンだ……」
がっくりと肩を落とす凹凸なのだった。

【後書】
何かこう、おっさんと女子高生の恋愛とか綴りたくなったんですよ。
結果がこれです(あるぇー??)。
と言う訳で新作引っ提げて参りました日逆です! どうも!!
この物語のテーマは上記で触れましたけど、実際の所「神否荘の困った悪党たち」のネトゲ版を綴りたいなーって所が大きいです。
あと今回はファンタジー要素は絶無を徹底して綴りたいなーって! わたくし自称ファンタジー作家なので、ファンタジー縛りをしたくなる事が稀に有ります。※なお縛っているつもりで完全にファンタジーである事が頻発している模様
更に新しいBlogにお引越ししてからすんごい自由に更新してるので、この物語も毎週何曜日~ではなくて、何かこう、更新したくなったら更新する感じにします(^ω^)
「好きなものを、好きな時に、好きなだけ」…大事ですよね!
そんなこったで次回もお楽しみに!
※編集作業が終わらないまま更新したので誤字脱字が有るかも知れませぬが、後ほど修正致しますので悪しからずご了承くださいませ~!(*- -)(*_ _)ペコリ

2 件のコメント:

  1. 更新お疲れ様ですvv

    始まりましたね新作!
    デコさんの未来を心配しつつもちょっと期待(何をだよw)。

    「好きなものを、好きな時に、好きなだけ」…大事です!大事です!!

    ※(チャットでの)誤字脱字は文化だ!と教えられてきたので、
    全然おkです。むしろ臨場感が漂ってイイゾォコレかもw

    今回も楽しませて頂きました!
    次回も楽しみにしてますよーvv

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    1. 感想有り難う御座います~!

      始まりましたよ新作~!!┗(^ω^)┛
      デコさんいつもこんな感じで過ごしてると思ったら心配通り越して笑いが込み上げてきますね!(笑)

      「好きなものを、好きな時に、好きなだけ」…大事ですよね! 忘れないように、ずっと主張し続けていきたい台詞です…!

      誤字脱字は文化!w にゃるほど、臨場感が漂うのは確かにイイゾォコレですな!ww そう言って頂けるとめちゃんこ嬉しいです!w 有り難う…! 有り難う…!!

      今回もお楽しみ頂けたようで嬉しいです~!!
      次回もぜひぜひお楽しみに~♪♪♪

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