2018年4月21日土曜日

【スマブラX二次小説】落ち込んだ時の対処法【アイウル】※再掲

■タイトル
落ち込んだ時の対処法

■あらすじ
アイクが落ち込んだ時のウルフ、ウルフが落ち込んだ時のアイク。
※アイクとウルフがアパートに同棲している設定です。

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【pixiv】、Fantia【日逆孝介の創作空間】の三ヶ所で多重投稿されております。
※注意※2017/07/15に掲載された文章の再掲です。本文も後書も当時そのままになっております。

■キーワード
スマブラX ウルフ アイク アイウル 腐向け 二次小説 二次創作 Novel


Pixiv■https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=8415756
Fantia【日逆孝介の創作空間】https://fantia.jp/posts/12673

落ち込んだ時の対処法

■アイクの場合

「ウルフぅ~」

玄関の扉が開くと同時に聞こえてきた呻き声に、ウルフはリビングでテレヴィを眺めながら「またか……」と顔を顰めた。
ドタドタと廊下を走り抜ける音が聞こえたかと思うと、リビングに飛び込んで来たアイクがソファで寛いでいたウルフにダイブした。
「ウッ」ウルフの背中に絶大な負荷が掛かった。「おいッ! それヤメロって毎度毎度言ってんだろうが!!」
「……」ウルフの胸に顔を埋めたまま何も言わないアイク。
「おい、聞いてんのか」アイクの頭に何度もチョップを叩き下ろすウルフ。
「……」ウルフの胸に顔を埋めたまま何も言わないアイク。
「……」はぁーっと重たい溜め息を吐き出すと、アイクを無視してテレヴィに意識を移すウルフ。
暫くテレヴィの吐き出すノイズだけが部屋を占めていた。
「……おい、いい加減離れろよ」ペシペシとアイクの頭を叩くウルフ。「暑苦しいんだよ、早くシャワー浴びてこい、汗臭ェ」
「……」ウルフの胸に顔を埋めたまま何も言わないアイク。
「何とか言えよ……」面倒臭そうに、額に手を当てて天井を仰ぐウルフ。「面倒臭ェなァ……ッとに……」
天井を見上げたまま暫く呆っとしていたウルフだったが、根負けしたようにアイクの頭を叩いた。
「よし、ラーメン食いに行こうぜ」
「……ウルフの奢りか?」ウルフの胸からくぐもった声が聞こえた。
「……仕方ねえな、追加はチャーシュー二枚までだからな?」呆れ果てた様子で肩を竦めるウルフ。
「よし! だったら早く行こうぜウルフ!」ガバッと立ち上がってリビングを横切って行くアイク。「もうお腹ペコペコなんだ、早く早く!」
「……こいつは……ッ」怒りで歯を食い縛るウルフだったが、アホらしくなったのか小さく吐息を漏らすと、ローテーブルに投げ出してあった財布を引っ掴んでリビングを後にしていく。「子供かあいつは……」

◇◆◇◆◇

■ウルフの場合

「ん? お帰りー……?」

玄関の扉が開く音は聞こえたが、来訪者の声は聞こえない。
アイクが怪訝に思ってリビングから廊下に出ると、丁度寝室に入って行くウルフの姿が見えた。
「……」
ウルフは何も言わずにベッドに倒れ込むと、そのまま動かなくなった。
その姿を扉越しに窺ったアイクは、小さく鼻息を落とし、リビングに戻って行った。

夜中。もう日付変更線を越えた頃。
ウルフはやっともそもそと起き上がり、よれよれになった服を見下ろして、盛大に溜め息を吐き出すと、寝室を出ようとして――廊下の壁に寄りかかって佇むアイクに驚いた。
「……何してんだお前?」
ウルフが怪訝な面持ちで尋ねると、アイクは缶ビールを二本取り出して、「一杯やらないか?」と口角を釣り上げた。
「……」ウルフはそんなアイクを暫し見やった後、缶ビールを一つ掠め取ると、プルを開け、グビリと一口呷った。
そんなウルフを見て、アイクは小さく口唇に笑みを刻むと、同じように缶ビールを開け、一口呷る。
灯りの落ちた廊下で、二人は並んで缶ビールを持って佇んでいた。
ウルフはもう一口缶ビールに口を付けた後、落ち着いた表情で鼻息を落とした。「……わりぃ」
「謝らなければならないような事をしたのか?」
アイクの口唇は笑っていたが、その瞳はウルフに向けられていなかった。
ウルフはそんなアイクを横目で見やった後、目元に笑みが滲んだ。「……いや、してねえな」
「だったら、謝らなくていいな」
「それもそうだ」缶ビールをアイクに手渡すと、ウルフは手を小さく振って廊下を進んで行く。「シャワー浴びてくる」
「洗濯は明日するから、そのままでいいぞ」ウルフの背に声を掛けるアイク。
「あいよ」バスルームの扉に手を掛けたウルフが不意にアイクを振り返る。「あと、あんがと」
「何がだ?」きょとんした様子のアイク。
「……何でもねえよ」
パタン、と浴室の扉が閉まり、アイクは満足そうに鼻歌交じりにリビングに戻って行くのだった。

【後書】
以前友達のフォックス&ウルフの擬女化漫画を読んだ時に芽生えたネタが遂に形を伴って妄想できたのでサクサクっと書き記したマン。
そして友達から初めて「同棲パロ」ってジャンルが有る事を知りました。二次創作の沼の深みは際限無いな……!
厳密には腐向けじゃないのかも知れないのですけど、こういう同棲関係って、わっちは憧れを懐いてしまいますネー! 互いに分かっているからこそ触れない、話さないと言う関係。尊いじゃろ……誰か描いてor書いてくれ……

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