2018年6月17日日曜日

【轟爆】おやすみ【僕のヒーローアカデミア二次小説】

■タイトル
おやすみ

■あらすじ
昼寝をしている爆豪を再び発見した轟。

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【pixiv】の二ヶ所で多重投稿されております。

■キーワード
僕のヒーローアカデミア 腐向け 爆豪勝己 轟焦凍 轟爆

■おやすみ


Pixiv■

■おやすみ


「……警告、した筈なんだがな」

 図書室に課題を熟しに訪れた轟が見たのは、またしても愛らしい寝顔を晒して熟睡している爆豪の姿だった。
 くぅくぅと規則正しい寝息を立てて、まるで起きる気配の無い彼を見下ろし、数瞬悩みあぐねた末、轟は爆豪を背負い、鞄を手に持って図書室を後にした。
 道中、夕暮れに沈んだ廊下で何人もの生徒と擦れ違ったが、声を掛けられる度に轟は人差し指を口に添え、小さく呼気を吹きかけて沈黙を要請した。
 やがて寮の爆豪の部屋まで彼を送り届けると、起こさないようにそっとベッドに寝かしつけ、タオルケットを体に被せる。
 ここまで何人か生徒に声を掛けられても、背負った時の衝撃、そしてベッドに下ろした時の衝撃でも微動だにせず爆睡を貪る爆豪に、轟は呆れた様子で鼻息を落とした。
 ……恐らくは同級生は疎か、家族にすらも見せていないであろう、天使の寝顔。
 その顔を拝謁できる今の状況に、轟は満足そうに口唇を歪めると、爆豪の耳元に口を宛がい、囁きかけるような声で告げた。
「――おやすみ」
 優しく甘い吐息に、併し爆豪は微動だにしない。
 轟は満足そうに笑むと、振り返らずに爆豪の部屋を後にした。
 パタン、と小さく音を立てて扉が閉まった瞬間、爆豪の顔が熟れたトマトのように突然充血し、歯軋りしながらベッドの上でもんどりを打った。
「あの野郎……ッ、ぜってぇ気づいてやがったろ……ッ!!」
 初めは別段狸寝入りを決め込むつもりは無かった。だが、轟が今度はどのような行動に出るか、起きている状態で確認したかったのだ。
 ただ、そんな爆豪の目論見など端から気づいていたかのように――否、気づいていないふりを徹底して、最後の最後で「よく頑張ったな」と言わんばかりのリアクションに、爆豪のプライドはズタズタに裂かれ、且つ羞恥心までガッツリ植え付けて行かれ、声にならない絶叫を枕に浴びせかけた。
 次に会ったらぶち殺す――――そう思いながらも、あの甘くて蕩けそうな囁きを思い出す度、もう一度ぐらいなら、いいか――などと、彼の悪行を看過してしまいそうになる爆豪なのだった。
 勿論その後、轟はシラを切り通し、爆豪はその白熱する劣情を発散する場を失った事で、その日の実技の試験中に暴走してしまうのだが、それはまた、別の話……
 蛇足としてもう一つ付け加えるならば、再び爆豪が図書室で居眠りを決める事になるのだが、その後どうなったか、それは誰も知らない――――

【後書】
 前作「午睡姫」の続きになります。
 こう、何て言うんですか。轟君の天然王子様感が全面に出ていれば大成功です!(笑顔) てかもうこれタラシと言われても仕方ないレヴェル!(笑)
 爆豪君が満更じゃない辺りに愛を込めましたがいかがでしたでしょうか? 私は安らかに旅立ちました。有り難う轟爆…(昇天顔)

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