■あらすじ
架空のFPS系シューティングオンラインゲーム『War Life Online(ウォーライフオンライン)』をプレイしている、仲良しのユーザー達が集まってワイワイしているシーンを切り取った短編集です。
▼この作品はBlog【逆断の牢】、【カクヨム】の二ヶ所で多重投稿されております。
■キーワード
オリジナル オンラインゲーム FPS 戦争 ネトゲ ライトノベル ミリタリー
■第3話
カクヨム■https://kakuyomu.jp/works/1177354054885747217
第3話「皆リアルはおっさん」
■登場人物
・シガ■シガちゃん。若気の至りさん。
・凹凸■おっさん。デコさん。おっさん(確信)。
・けろ■けろちゃん。新米。おっさん?
・薪■薪ちゃん。お姉さんであってほしいよね。
「おっさーん、狩りに行こうぜ狩りにー」
シガのチャットに気づいた凹凸は煙草を吹かしながら「えー、もうおじさん寝ようと思ってたのにー」とモソモソ動き始めた。
「まじかよおっさん、今何時か分かってる? 夜九時だぜ? 良い子なの?」
「おじさん良い子だよ~良い子だから九時に」「嘘つけよおっさんの分際で」「酷くない?? あまりに酷くない扱い???」凹凸のめそめそした声がクラン部屋に響く。
「凹凸さんだから、おっさんなのケロ?」
クラン部屋の隅っこでずぅーっと動きが固まっていた蛙の着ぐるみが突然動き始めた。
「おっ、けろちゃんお帰り~」凹凸が煙草を持った手をふりふり振る。
「おかおか」声だけ飛ばすシガ。
「あら、お帰りなさい~」薪が振り向かずに声だけ飛ばしてきた。
「ただいまケロ~」ふりふりと手を振るけろ。「凹凸ってこれ、オウトツって読むケロ?」
「あら、私はデコさんって呼んでるわよ~」薪がアイテム整理しながら応じた。「デコボコ、とも呼べるじゃない?」
「どっちが正しいケロ?」
「あぁ、それねぇ、実は」「つーか俺別に名前で呼んでねーし。こいつどう見てもおっさんだからおっさんって呼んでるだけだし」「おじさんの話を遮るのやめてねシガちゃん??」
「凹凸さんのヴィジュアルは確かにおっさんケロが……」ケロロ、と拳を顎に当てて小首を傾げるけろ。「じゃあけろは蛙さんって事ケロ?」
「やー、けろちゃんはけろちゃんでしょ」「けろちゃん以外に呼び名思い浮かばないよねぇ、おじさん」「けろちゃんって呼びやすいじゃない」シガ、凹凸、薪と続いた。
「ケロケロ、何だか嬉しいような恥ずかしいようなケロね……」ケロロ、と後頭部を掻くけろ。「でも、凹凸さんみたいに、色んな呼ばれ方されるのも、ちょっぴり羨ましいケロ」
「デコさんは未だしも、おっさんってどうだろうねぇ……」苦笑を浮かべる凹凸。
「いや、だってどう考えても中身おっさんだろ」シガがズバリと指差す。
「えー、どの辺がおっさんだと思う訳よぉ」
「もう何か匂いが」
「やだ、デコさん加齢臭漂わせてるの?」薪が鼻を摘まみ始めた。「近寄らないでね~」
「シガちゃ~ん、やめてよねぇ、おじさんまだまだ若いんだからぁ」
「聞いたか? このおっさんの塊みたいな発言の数々! これで中身おっさんじゃなかったらヤバいだろ?」「いくらなんでも酷過ぎない??」
けろと薪は顔を見合わせて暫く沈黙を返した後、
「……まぁ、おじさんって自称してるケロからなぁ……」「なりきりだとしても板に付き過ぎてる感じはするわよねぇ」
「えー、おじさん皆にそんな風に見られてたのー? 超ショッキングなんですけどー」煙草を消して溜め息を吐き出す凹凸。「でも、そしたらシガちゃんの中身とか絶対に男子高校生でしょこれ」
「はぁー!?!?!?」シガの絶叫が迸った。「どういう目で俺を見てんだ手前こらぁ!!」
「いや、何て言うの? この若気の至り感よ」くくく、と笑う凹凸。「若いなーって感じるけど、女の子じゃないよね」
「は? 殺すぞ」「こわっ」すすす、とシガから距離を取る凹凸。
「ネトゲでリアルの話は禁止よ禁止~。そういうのはマナー違反って言うのよ、知らないの?」腰に手を当てて説教を始める薪。
「はーい、サーセンしたサーセンした」「シガちゃん、そういう所だからね? 注意されてるの」「は? 殺すぞ」「こわっ」
「ケロケロ、じゃあ最後にけろは性別とか年齢とかどう見えるのかだけ、教えて欲しいケロ~」
「……」
けろを見つめる三人の視線に、けろは「ケロケロ」と楽しそうに声を漏らした。
(……おっさんかなぁ)(……おっさんだと思うなぁ……)(……おっさんじゃないかしら……)
その後五分ほど沈黙が続いた後、一斉に「けろちゃんは、けろちゃんじゃないかな……」と言う結論が出たのだった。
【後書】
2ヶ月振りの更新になってしまいましたね…! 時間があっと言う間に過ぎ去るんじゃぁ…!
と言う訳でまた新キャラが登場したりする回ですが、前回に引き続き、「ネトゲの中の人って」って連想Gameみたいなお話です。
最近PSO2の公式漫画を読んで「せせせせやなぁww」と思ってしまったので、わたくしなりにその物語を昇華したのがこちらのお話ですね! リアルの話なのにリアルの描写が全く出てこない辺りにリアリティを感じて頂けたらと!(笑)
ふと綴りたくなったら綴るみたいな作品なので、次回の投稿もいつになるか見当も付きませんけど、のんびりお付き合いくだされ~!
更新お疲れ様ですvv
返信削除「けろちゃんは、けろちゃんじゃないかな……」
これだよなぁw
100人いる広場にいても
「おりやさんあんなところにいるし」とか
「伊藤くんなにしてるん?」
「レアルにタマコーゆえの印」など
強烈な個性がピッカピカになってて主張するするw
みつけるのもラクラクかと思いますw
次回更新は9月9日と見たw
今回も楽しませて頂きました!
次回も楽しみにしてますよーvv
感想有り難う御座います~!
削除そう!w その台詞に全てを詰め込んだと言っても過言じゃないですね!ww
強烈な個性と言うのとは違うのかも知れないのですけれど、同じ100人いる広場にいて、いつもお洒落な恰好をしているとみちゃんを発見する度に、やはりとみちゃん! となる、あの感覚もまた、「とみちゃんは、とみちゃんじゃないかな……」のような気がします!w
まさか前回の更新日からそんな推測されるとは思ってなかったぞい!ww いやー、併し有り得そうで怖いな!(笑)
今回もお楽しみ頂けたようで嬉しいです~!!
次回もぜひぜひお楽しみに~♪