2018年8月13日月曜日

【クラン『無人党』のチャットログ】第4話「寝る寝る寝るね」【オリジナル小説】

■あらすじ
架空のFPS系シューティングオンラインゲーム『War Life Online(ウォーライフオンライン)』をプレイしている、仲良しのユーザー達が集まってワイワイしているシーンを切り取った短編集です。

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【カクヨム】の二ヶ所で多重投稿されております。

■キーワード
オリジナル オンラインゲーム FPS 戦争 ネトゲ ライトノベル ミリタリー

■第4話

カクヨム■https://kakuyomu.jp/works/1177354054885747217

第4話「寝る寝る寝るね」


■登場人物
・シガ■シガちゃん。余裕で三時。
・凹凸■おっさん。デコさん。早く寝たいの。
・けろ■けろちゃん。新米。寝てる。
・薪■薪ちゃん。徹夜もイケる。


「ケロケロ~明日も早いからけろはそろそろ寝るケロ~おやすみケロ~」

 時刻を確認すると夜の十時だった。
「おー、おやすー」クラン部屋の隅で端末を弄りながら雑に応じるシガ。
「はいよー、おやすみー」煙草を摘まんだ手をヒラヒラ振る凹凸。
「おやすみ~」薪が笑顔で手を振る。
 けろの姿が消えて、クラン部屋がまた静かになった。
「けろちゃんってさ、割と早く落ちるよな」シガがポツリと呟く。
「朝早いって言ってたじゃない」薪が素早く応じる。
「いや~朝早いって言っても、まだ十時だぜ? 早過ぎない??」
「いやシガちゃん。早出のお仕事とかあるじゃない。学校なら朝練とかさ~」凹凸が煙草を銜えながらフォローに入った。
「え~? にしたって早いだろ~秀さんじゃあるまいし~」
「まぁ秀さんはお爺ちゃんだから……」「秀さんお爺様だし……」凹凸と薪が同時に視線を逸らした。
「社会人にしても、学生にしても、まだまだ活動時間だろ十時なんて! 俺とか余裕で三時まで起きてるもんね!」えっへんと胸を張るシガ。
「いや~社会人にしても学生にしても、その時間は本業が疎かになるライン割ってる気がするけどねぇ」凹凸が苦笑する。「おじさんもそろそろ寝ようかな~おじさんも明日お仕事なのよねぇ」
「はぁー?? おっさんはまだまだ元気だから三時まで起きてろよ」「おじさん明日遅刻しちゃうよそれ」「イケるイケる!」「イケないイケない」
「あんまり夜遅くまで起きてるとお肌の大敵なんだから、シガちゃんも早く寝なさいよね~」薪がポツリと呟いた。
「お、おう……ネカマだったらやべーなって思える台詞の上位に食い込みそうなコメントありがと薪ちゃん」「流石にキレるわよ?」「ごめんなさい」ぺこりと頭を下げるシガ。
「おじさんも若くないからさ~、健康な生活心掛けたい訳ヨ。十時に寝て五時に起きる。これだ……」「爺かよ」「いやいやこれが強ち――」「爺かよ」「聞いて???」

◇◆◇◆◇

「くぁ~そろそろ寝るか~」
 シガの一言で、薪と凹凸は時計を視認して時刻を確認した。
「うへぇ、もう零時回ってるじゃーん。おじさんもそろそろ歯磨きして寝よーっと」
「チャットを始めると時間経つの早く感じるわよねぇ。今日まだミッション何も達成してなかったわ……」
「え? もう零時回ってるからデイリー終わってるぞ?」シガが思わずと言った様子で声を上げた。
「あっ」「あっ」凹凸と薪が同時に声を上げる。
「やぶぇー、普通に忘れてたわー。デイリーミッション更新されてるわぁーああぁー」がっくりと肩を落とす凹凸。
「今から今日の分やれば? デイリー」シガが凹凸の元に駆け寄る。
「今からは流石にやらないでしょ……寝よ寝よ、明日も仕事ヨ~」
「私も流石に帰ってからするわ~。もう瞼が重くて大変……」
「お舟みたいに朝五時更新なら有り難いんだけどねぇ、デイリー」
「あー、確かにそれは思う事あんなー。偶にログイン遅くなると日付回ってるし俺」シガが凹凸にぶつかりながら告げた。「なーおっさーん、今からデイリー付き合えよ~一戦だけでいいからさぁ~」
「おじさんはそんな元気もう残ってないの~寝させて~? オ・ネ・ガ・イ♪」「気持ち悪ッ。全身の産毛がスタンディングオベーションしてるわ」「おじさん流石に傷つくわ~」
「あ~……」薪の落胆した呻きがクラン部屋に響いた。「今日の……じゃなかった、昨日のデイリーの報酬って、期間限定コスの帽子だったのね……」
「へぇー……」関心が無さそうに応じるシガ。「まぁ俺はゲットしたけど」
「うぅーん、また来月までお預けね~どうしてこう、ピンポイントで忘れちゃうのかしらね~」はぁーあ、と溜め息を吐き出す薪。「このデイリーの犬耳帽子だけがまだ持ってないのよ私……あぁーん、ほーしーいーぃー」
「ドンマイとしか言いようがねえな……」乾いた笑い声を上げるシガ。「あっ、じゃあ今日のデイリーの報酬って何だった?」
「今日は何だったかしら」端末を操作する薪。「あー、アレよ、弾倉ボーナス50%」
「いらねー……」「流石に余ってるねぇ……」シガと凹凸の失意が同時に漏れた。

◇◆◇◆◇

「いやいや流石に寝ないと不味いよね」
 凹凸の声に、シガと薪が同時に「あー」と気の無い返事を発した。
 時刻は既に深夜一時半を回っている。
「もー、チャットするとすぐに時間経つわねぇ」
「それさっきも言ってた気がするぞ」
「そんな気がするねぇ」
「いや、気じゃなくて絶対言ってたって。ログ確認しろよ」
「流石にこの膨大なチャットログを見直す元気は無いわ……」
「見直してる場合じゃーなーいーでーしょー?? はい寝る寝る、おじさん寝るよー流石に明日倒れたら大変だから寝るよー、はいおやすみおやすみ!」
「あー、寝る前に聞いとくわ、おっさん明日っつーか今日何時頃ログインできそう?」
「えー、お仕事どれくらい掛かるか今日はちょっと分からんにゃー。たぶん九時にはログインしてないかな~」
「おー、分かった。ほら、今イベント来てるだろ? 一緒に行きたいじゃん」
「イベント? 今デイリーのキャンペーン以外で何かイベント来てたかしら?」
「ほら、お祭り的な奴。てか公式の告知見ろよ~、書いてあるだろでかでかと~」
「私ああいうのあんまり見ないのよねぇ」「おじさんもパパっと見てすぐ閉じちゃうマンだわ~」

◇◆◇◆◇

「ね、ま、す」
「おう」「寧ろいつまで起きてるのよ……」
「いやおじさんだけのせいじゃないよね?? ってもうだから話を広げなーい! もう二時半回ってるんだよー?? 二人眠くないのー???」
「俺別に普段この時間まで起きてるし。余裕だし」
「私は明日有休なの♪」
「えぇ……おじさんだけ死ぬ流れなの……」
「じゃあデイリーやってから寝る?」
「おやすみ!!!!」
 結局深夜三時にログアウトしたのだった。

【後書】
 ネトゲあるあるだと信じているのですが、わたくしのネトゲ全盛期が大体いつもこんな感じでした(笑)。
 もー、ね。ついつい時間を忘れてチャットする上に、「そろそろ寝ようか~」からの長いこと長いことww
 尤も、今でもこういうシーンが散見されるのがネトゲなんですけどね!w 皆も夜更かししてチャットしよう!

2 件のコメント:

  1. 更新お疲れ様ですvv

    わたくしのネトゲ全盛期も大体いつもこんな感じでした(笑)。
    まーみんなよく喋ることw楽しかったですなv

    更新日の推測はハズレました!素早い(?)更新ありがとう!!

    今回も楽しませて頂きました!
    次回も楽しみにしてますよーvv

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    1. 感想有り難う御座います~!

      あの当時はほんと夜更かしが捗り過ぎてヤバかったですな!w
      話題が尽きる事も無く、延々とチャットし続けて次の日死んでるまでがデフォルトだった時代が懐かしい…!w

      (*´σー`)エヘヘでも次回こそ素早い更新は難しそうなんですけれどね!w

      今回もお楽しみ頂けたようで嬉しいです~!!
      次回もぜひぜひお楽しみに~♪

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