2018年9月10日月曜日

【教えて!狩人先輩!】第35話 止めて! 先輩の暴走!【モンハン二次小説】

■あらすじ
先輩が激おこである。

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【pixiv】、【ハーメルン】の三ヶ所で多重投稿されております。

■キーワード
R15 残酷な描写 モンスターハンターダブルクロス MHXX ライトノベル コメディ

Pixiv■http://www.pixiv.net/series.php?id=635565
ハーメルン■https://syosetu.org/novel/69877/
■第35話

第35話 止めて! 先輩の暴走!


「取り敢えずだ!! このゴシュジンサマ……ああ名前を呼ぶだけで殴り飛ばしたくなってくる……! あいつはひとまず置いておこう! ぶち〈ニャーッ!〉したくなってくるからな!!」

 今不自然なアイルーの悲鳴が入ったよね? と三人は顔を見合わせてブツブツ呟き合ってたが、アウグは無視した。
「ルイル!」ルイルを指差して吼えるアウグ。「俺は! お前の依頼でナルガクルガを捕獲するが!! その……ゴ、ゴシュ、ゴシュジ……モニョモニョ……のためにやる訳じゃねえ!! 俺は!! ナルガクルガの装備が欲しいからやるんだ!! 分かったな!?」
 真っ白になる間が有った。
「す、すげぇっす……何がすげぇって、先輩、完全に依頼主の事をおざなりにして、挙句に我を貫き通そうとしてる所が、まじすげぇっす……半端ねぇっす……ガチ尊敬っす……」オクトーの目がキラキラしている。
「先輩……本当に惚れ惚れするぐらい己の欲に忠実なんですね……依頼人の依頼人であるアイルーを蔑ろにしてでも、己の装備を作成するためだけに依頼を全うするその姿勢……改めて惚れ直しました……抱いて……」ハァハァと頬を桜色に染めてトロンとした瞳になっているエネロ。
「流石だ……依頼人を殴ってでも己の装備欲しさを優先するその欲深さ……恐れ入ったよ……先輩はやっぱり、先輩の中の先輩……地上最強の先輩、センパイだったんだよ……!」感動して涙を流し始めるフェヴラ。
「……こんなハンター、見た事無い」呆然自失の態のルイル。「ナルガクルガを捕獲してくれるなら、もう何でもいい。任せる」コクン、と頷いた。
「任せろ! 捕獲は一度もやった事が無いが、何とかなる! そう、俺達ならな!」ドンッと胸を叩くアウグ。「よしお前ら行くぞ! ナルガクルガ捕獲、開始だ!!」
「先輩! いつになくやる気に満ち溢れてるっすけど、もう二回ネコ車使ってるっすからね! あと一回誰かが瀕死になった瞬間、この依頼オジャンっすからね!」オクトーがアウグの頭から冷水をぶっかけるような発言をモリモリし始めた。「誰かさんが握力だけでハンターを瀕死にさせたからっすよ! 誰かさんが! 誰とは言わないっすけど!」
「おう、そうだな?」オクトーの頭を鷲掴みにするアウグ。「以後気を付けるからよ、お前もな? ん? 分かるよな? 俺の言いたい事? ん? どうなんだ?」オクトーの頭が見る見る色を変えていく!
「先輩ヤメテ! もうこれ以上先輩の手で奥さんの頭蓋が破砕されるシーン見たくないよ!!」フェヴラが絶叫を上げた。「先輩明らかに今日怒りの沸点低過ぎるよ!! どうしちゃったの!? 何が先輩をそこまで殺意の波動に目覚めさせてるの!?」
「私は分かってるわ……」オクトーが「メムゥゥゥ!」と阿鼻叫喚を上げているのをBGMにしながらエネロが真剣な表情で語り始めた。「先輩は憧憬と尊崇のハンターが纏っていた装備の素材になるナルガクルガと言うモンスターが同じ狩場にいる事で興奮を抑えきれないのよ……! だから普段以上に攻撃的且つ好戦的になってしまい、次々とハンターを己の毒牙に掛けてしまう……! 恐るべきハンターハンターになってしまったのよッ!」カッと白目を剥いて宣言した!
「メムゥゥゥ!」オクトーの人語ではない叫びが弾ける!
「……何で誰も止めないの?」青褪めた表情でアウグとオクトーを指差すルイル。「奥さん、頭が……」
「ルイル、いいかい? あれには近づいちゃいけない。判るだろう? あれはね、声を掛けた瞬間、こちらに襲い掛かってくるモンスターと思った方がいいよ」ひそひそとルイルに声を掛けるフェヴラ。「死にたくなかったら目を逸らすんだ」
「メムゥゥゥ!」
 ベースキャンプがさながら地獄と化している!

◇◆◇◆◇

「――さて、狩場に戻って来たぞ!」
 エリア2……先程アイルーのゴシュジンサマと遭遇したエリアに戻って来た四人だが、そのうち三人はアウグから距離を取って震えている。
「どうしたんだお前ら? 狩猟はここからが本番だぞ! 元気出していくぞ!!」
「お、おー……」「は、はひ……」「う、うん……」明らかに元気が無い三人。
「やべーっすよ今日の先輩はガチで」ひそひそと話しかけるオクトー。「“ベースキャンプではハンターは死なないから瀕死扱いにならない”とか言って自分の頭を粉砕したのに、普通に自分狩場に駆り出されてるっすからね、もう正気の沙汰じゃねーっす」
「そ、そうね……奥さんもうそれ生きてる人間の台詞じゃないと思うのだけれど、よく動けてるわね……」血の気を引きながらひそひそ応じるエネロ。「今日はあまり先輩を弄らない方向で行きましょう、先輩が怒るのは見ていて面白いけれど、死にたくないわ」切実だった。
「もうナルガクルガが来たらどうなるか分からないよこれ……」極力オクトーを正視しないようにひそひそと応じるフェヴラ。「僕らが倒れても先輩なら狩猟続行しかねないよ……僕らが倒れたらもう誰も先輩の暴走を止められないんだ、絶対に先輩を刺激したらダメだからね今回は……!」
「おーい、お前ら何内緒話してんだー? 狩猟はもう始まってんだぞー??」
 遠くからアウグの呼び声が聞こえて、三人はビクーンッ、と全身を震わせた後、「ななな何でもないっすー!」「ななな何でもないですー!」「ななな何でもないよー!」と挙動不審な動きで応じた。
「ったくお前ら、怪し過ぎるんだよ反応が既に」やれやれと肩を竦めるアウグの背後に、どしん、と地響きと共に何かが降り立った。
 振り返ったそこには、漆黒の影。
 ネコのようにしなやかなフォルムの、ツヤツヤな黒い毛並みの飛竜が、そこに佇んでいた。
 迅竜――ナルガクルガ。
 今回の依頼である、捕獲対象のモンスターが、そこにいる。
「ガゥアアアア「――キターッ!!」」
 アウグの咆哮が、ナルガクルガの咆哮を掻き消してしまった。
 それが、今回の狩猟の開幕のベルとなった。

【後書】
  実質三乙しておりますが、アレですよ、ベースキャンプでは乙判定無いから!
 と言う言い訳から始めようと思いましたけれど、ベースキャンプでもタル爆弾で吹っ飛んだら一乙扱いになった気がしますよね! ザル判定なので、まぁ何かその、ふわふわ参りましょうふわふわ!w
 今回の先輩はと言いますか、今回の話は本当に綴っていて愉しい章になっておりまして、いつに無くやりたい放題にやらせて頂いております(笑)。まだまだ先輩の暴走は止まらない!
 そして遂にナルガクルガと邂逅を果たしましたが、いよいよ混沌を極める事待ったなし! 次回も乞うご期待なのです! のんびり月一更新で参りますので、また来月にお逢い致しましょう! お楽しみに~♪

2 件のコメント:

  1. 更新お疲れ様ですvv

    ふわふわ設定でよかったなぁ~w

    先輩まじぱないの!なにが彼女をそうさせるのか!?
    奥さんよくいきてるよなぁw

    ナルガクルガには人を狂わせる何かがあるのだろうか?
    そういえば、おりやさんやゆえさんもナルガすきだったなぁ。
    もしかしたらゆえさん症候群の発生メカニズムと何かしら関係が…
    (いやない)

    相変わらず支離滅裂、深夜なので許してちょw

    今回も楽しませて頂きましたー
    次回も楽しみにしてますよーvv

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    1. 感想有り難う御座います~!

      ほんとふわふわ設定に助けられましたね!(笑)

      今回はほんと先輩が活き活きしてて綴るのが愉し過ぎなんですなぁ!w
      奥さんが生きてる設定も、その、アレです、ふわふわですからね!ww

      まさかのゆえさん症候群の発生メカニズムとの関連性が…!ww
      ナルガクルガには魔性の魅力が有るんでしょうな…!(どうだろう??)

      いえいえ!w めちゃめちゃ(・∀・)ニヤニヤさせて頂きましたとも!w

      今回もお楽しみ頂けたようで嬉しいです~!
      次回もぜひぜひお楽しみに~♪

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