2018年10月15日月曜日

【艦娘といっしょ!】第1話 電といっしょ!【艦これ二次小説】

■あらすじ
ちょっと頭のおかしい提督と艦娘達の日常生活を切り抜いた短編集です。
※注意※2015/11/24に掲載された文章の再掲です。本文は修正して、新規で後書を追加しております。

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【ハーメルン】、【Pixiv】の三ヶ所で多重投稿されております。

■キーワード
艦これ 艦隊これくしょん コメディ ギャグ 電 金剛 明石


【ハーメルン】https://syosetu.org/novel/68881/
【Pixiv】https://www.pixiv.net/series.php?id=627932
■第1話

第1話 電といっしょ!


「司令官、お茶が入りました、なのです」
 執務室に、金剛から教わった紅茶を持って行くと、司令官が「ありがちょろ~」と書類の束から目を離して、電の持つお盆からカップを手に取った。
「いやぁ~、電ちゃんの淹れた紅茶は美味しいな~。いつもありがちょろ~」
 紅茶に舌鼓を打つ司令官に「どういたしまして、なのです」と笑いかける電。
「お仕事中ですか?」電が書類の束を覗き込むと、司令官は「うん……全提督に新たな作戦の召集が掛かってね」と書類の表面をぺしりと叩く。
「【突入!海上輸送作戦】……ですか」書類に記された作戦名に目を走らせる電。「なるべくなら、戦いたくは無いですね」
「そうだね~。でもこの作戦、水雷戦隊の参画を要請されててね……電ちゃん、また頑張って貰っていいかな?」
 司令官のお願いとあれば聞かない訳にはいかないと、電は明るい返事を発そうとした。
「夏の時のように、バンバン戦艦をふっ飛ばして欲しいんだ」
「司令官さん!? 誰かと間違えてないですか!?」
 全く記憶に無い事を言われ、思わずツッコミを入れる電。
「あれ? じゃあ深海東洋艦隊漸減作戦の時みたいに港湾棲姫を……」
「行った事無いです! その作戦、電は一度も行った事無いですよ!」
「あれれ? じゃあ君は一体……?」不審な眼差しになる司令官。
「電ですよ!? 暁型姉妹の末っ子の、電ですよ!?」寧ろ何でその事を忘れたのです!? とツッコミが加速する電。
「良かったー、私がボケちゃったのかと思ったじゃんー」ホッと胸を撫で下ろす司令官。
「電は司令官のボケが深刻だと思わずにいられないのです……」暗い顔の電。
「それぐらい電ちゃんを頼りにしてるって証拠だよ!」ニッコリ笑顔の司令官。
「司令官の言葉が信じられなくなってくるのです……」瞳から虹彩が無くなる電。
「うわああああ電ちゃんに信じて貰えなかったら私ダメになっちゃうよおおおお!!」ガターッと椅子を蹴倒して電に縋りつく司令官。「私が悪かったああああ!! だから許してええええ!! ごめんね電ちゃんんんんん!!」
 半泣きでひざまずく司令官に、電は「あっ……あの……っ、司令官……っ」とうろたえ始めた。
「こんな私を許してくれるかい……?」涙目で訴える司令官。
「……はい……」釣られて泣きそうな瞳になる電。
「良かったー、じゃあ秋の中規模作戦、一緒に頑張ろうね、“雷”!」
 意気揚々と宣言するも、三秒ほど経過した後に「一緒に頑張ろうね、電!」と言い直すも、全てが手遅れだった。
「魚雷装填です!」司令官の目の前で61cm四連装(酸素)魚雷を構える電。
「待って!? 執務室でそれはアカン!! 落ち着いて私の話を――」
「命中させちゃいます!」
 そして放たれた魚雷は、執務室ごと司令官を吹き飛ばすのだった。

◇◆◇◆◇

「HEY、電ぁー! どうして執務室が見晴らしの良い事になってるデース?」
 執務室の残骸の前に立ったのは金剛だった、
「司令官のせいです」ぷいっと顔を背ける電。
「Oh! その提督はどこにいるデース?」きょろきょろと辺りを見回す金剛。
「あれなのです」
 電が指差したのは、こんがりと焼けた残骸だった。
「Wow! 提督がScrapデース!」驚き、残骸と化した執務室の中から机の上に載ったティーカップを探し当て、紅茶をすする金剛。「Excellent! 電、またTeaの淹れ方が上手くなってマース!」
「はわわ、ありがとうなのです!」照れて両手を頬に当てる電。
「いやいやおかしいよね!? 私スクラップにされてるのにその反応はおかしいよね!? 何で平然とティータイムしてるの!?」残骸だった物が起き上がって文句を付け始めた。
「Because、提督いっつもScrapになってるデース!」
 間。
「確かにそうだな……」思わず顎に手を添えて頷く提督。
「そこ肯定しちゃうのです!?」思わずツッコミを入れる電。「司令官としてそれはいいのです!?」
「スクラップにした本人がそんな事言っちゃう!?」畳み掛けるようにツッコミを入れるスクラップの司令官。「言っとくけど、私をこんな風にしたの電ちゃんだからね!?」
「はわわっ、ビックリしたのです!」よそ見する電。
「提督……」
 そこに明石がやってきて、菩薩のような笑顔で提督の肩を叩いた。
「執務室の修理費、分かってますよね?」
「……はい」
 明石に引き摺られて行く提督を見送る電と金剛は、同時に思うのだった。
((明石さん(カッシー)って、艦隊の修理が担当なのに……))
 今日も鎮守府の修理に駆り出される工作艦を眺めて、二人は残骸と化した執務室でティータイムするのだった。

【後書】
 いやーいい加減最新話更新したいと思いながらも早半年ですよ!(よそ見)
 と言う訳でこちらの艦これ二次小説短編集「艦娘といっしょ!」もちょろちょろ再掲して参りたいと思います! もう三年前の作品になるとか時間の流れ残酷過ぎない…??
 因みにですけれど今回の話の電ちゃんはだいぶ堅苦しい感じになっております。初めて艦これのSSを綴るってなったので勝手が分からなかったんでしょうね当時は…w
 徐々にキャラクターのと言いますか、艦娘の堅苦しさが抜けてきますので、その辺も愉しんでお読み頂けたら幸いです!
 …本当は金曜とか土曜とか日曜とかに毎週更新しよ~と九月の半ば辺りから狙ってたのですけれど、体調崩したりGameで忙しかったりですーぐ忘れちゃうマンになってしまったので「取り敢えず始めるんだZE!」と言う事で突発的に月曜日にぺいって! たぶん金曜辺りに毎週再掲して参りますので、こちらもお楽しみに~♪

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