2018年11月12日月曜日

【教えて!狩人先輩!】第37話 聞いて! エロ姉さんの歌!【モンハン二次小説】

■あらすじ
私が……! 私が何とかしなくちゃ……!

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【pixiv】、【ハーメルン】の三ヶ所で多重投稿されております。

■キーワード
R15 残酷な描写 モンスターハンターダブルクロス MHXX ライトノベル コメディ

Pixiv■http://www.pixiv.net/series.php?id=635565
ハーメルン■https://syosetu.org/novel/69877/
■第37話

第37話 聞いて! エロ姉さんの歌!


「!! いたぞ!! ナルガクルガを発見したぞ!!」

 エリア2を抜けてエリア4――頭上を枝葉が覆った、昼間にも拘らず薄暗い森林地帯に入ると、のそのそと腐葉土を踏み締めて闊歩するナルガクルガを発見してしまった。
 アウグの小声の咆哮に、三人の後輩は緊張感をみなぎらせ、「今度も何とかして先輩の暴走を止めるっすよ……!」「私達の、先輩制止力の本気を見せる時が来ましたね……!」「狩猟よりも先輩を制御する方が大事だからね……!」といつもの狩猟の五千兆倍ほど真剣な表情で頷き合う。
 アウグはそんな三人に気づかず、ポーチを漁って、「えぇと、ペイントボールペイントボール……」とごそつかせ、手にした球体を、「えいっ」と言う可愛らしい掛け声と共に、エリアの端を闊歩していたナルガクルガに投擲した。
 ペイントボールは亜音速を超え、ナルガクルガの横腹に突き刺さると同時に体が一瞬浮き上がり、もんどり打って転倒した。
「「「……ッ!!」」」三人の後輩は恐怖と驚愕に身を竦ませる。
 三人の後輩は目を見合わせると、自分達が共有した新たな情報を無言で確認し合った。
 先輩――アウグは、明らかに常軌を逸した状況下にある事。最早マトモな思考回路をしている状態であっても、その肉体から繰り出されるあらゆるアクションが驚異的な威力を伴っている事。
 こんな状態でまたテンションが上がってしまったら、手が付けられないどころの騒ぎではない。正しい意味で、――皆殺しにされる。
「……じょ、冗談抜きで言うっすよ? 先輩、止められる気がしないっす」青褪めた表情でサムズアップするオクトー。
「あんな箍の外れた先輩を止めようとする事がそもそもの間違いでしたね……。このままでは真面目に死因がナルガクルガではない死人が出る可能性を考慮せねば……」血の気の引いた顔で必死にアウグから視線を逸らそうとするエネロ。
「僕もう帰りたい……こんな恐ろしい狩猟が有るなんて聞いてないよ……」さめざめと涙を流すフェヴラ。
「? 何してんだお前ら! 狩猟はもう始まってるんだぞ!!」
 アウグの咆哮が飛んできた瞬間、三人は覚悟を決めた顔で頷き合い、「こうなりゃやるしかないっす!」「もうやるしかないわ!」「どうにでもなれぇーっ!」と三人は武器を解き放って駆け出した。
 ナルガクルガは横腹に突き刺さった砲弾染みたペイントボールに目を白黒させていたが、肉薄するハンター四人組を見て、彼らの仕業だと断定――苛立ちに犬歯を剥き出しにして、唸り声を漏らした。
「サポートは任せとけ!」オクトーとフェヴラがナルガクルガに向かって駆けて行くのを見届けながら、アウグはライトボウガン・ハンターライフルを構えて弾丸を装填する。「自由に走り回っていいぜ!」
「こうなりゃ先輩を信じるしかないっす! ウオオオーッ!!」オクトーが腐葉土を踏み締めてナルガクルガに肉薄――白兎刀を鞘から抜き放ち、その居合染みた動きでナルガクルガを袈裟懸けにする!
 ナルガクルガは刃翼で斬撃を受け止め、鋭く硬質な音が弾けた。ナルガクルガの殺意に満ち満ちた視線を間近で浴び、オクトーに一瞬怯えの感情が湧き上がる――が、次の瞬間、オクトーの頬を音速で何かが掠め、ナルガクルガの頭に弾丸が突き刺さった。
「ギィィィッ!?」ナルガクルガが脳天に直撃した弾丸に驚き、仰け反る。
「ぴゃぁぁぁっ!?」あと一ミリでもズレていれば脳天が粉々になっていた未来が広がった事に絶叫を奏でるオクトー。
「奥さん! 何やってんだ!! 今がチャンスだやれっ!!」アウグの怒号が飛んできた。「ナルガクルガが怯んでるぞ!!」
「奥さんも怯んでるよね……」今し方発生したオクトーとナルガクルガを襲った攻撃に、フェヴラの足が完全に竦んでいた。「こ、怖過ぎて近寄れないよう!!」
「お嬢も奥さんも完全に調子が狂わされてるわ……! 私が……! 私が何とかしなくちゃ……!」決意を固めてエネロが狩猟笛――クックソングを奏で始めた。「私の歌を聴いてぇぇぇぇーっ!!」
「エロ姉さん! そうだ、狩猟笛で皆の攻撃力を上げてくれよっ!」アウグの歓喜の声が、ハンターライフルの銃声で半分掻き消されていた。
「あぁーんっ! あんっ、あんっ! あっ……んっ、あぁーっ、んぅ!」エネロがクックソングを操作しながら歌い始めた。「あぁーんっ!」
「こ、これが狩猟笛の旋律……!」己の数ミリ離れた場所に次々と突き刺さる弾丸に正気を失っていたオクトーに生気が戻って来た。「不思議と、力がムラムラしてくるっすよ……!」
「これが狩猟笛の旋律……!」オクトーとナルガクルガを見守っている事しか出来なかったフェヴラの肉体が、突然筋骨隆々のガチムチに変化していく。「不思議と、力がムキムキしてきたよ……!」
「これが狩猟笛の旋律……!」オクトーを釘付けにしつつナルガクルガをスナイプしていたアウグの額に青筋が走り始めた。「不思議と、力がムカムカしてきたぜ……!」
 ムカムカしたアウグの放った弾丸が、遂に軌道を逸れ、ムラムラしたオクトーに着弾――ムキムキしたフェヴラにムラムラしたオクトーが叩きつけられ、それを見たエネロが仏顔でクックソングを取り落として失禁した。
 三人の後輩が怯え切った表情で見つめる先には、ナルガクルガですら怯えた表情で見つめる先には、晴れやかな表情でハンターライフルを構える、顔がもう正視に堪えない何かが佇んでいた。
「……真面目に、やろ?」
 言語化できない恐怖を強いるその存在が笑いかけた瞬間、ナルガクルガを含むその場に居合わせた生命体全てが失禁した。
 ――その時間、エリア4からあらゆる生命体が逃げ出したと言う。その場に居合わせたハンターは、あの時起こった出来事を、後世にこう伝え残したと言う。
 テンションの上がった先輩を怒らせたら世界は滅ぶ。――と。

【後書】
 先輩たぶんこれアレです、瞳が赤光して残像走らせながら飛び回るタイプのモンスターです。
 と言う訳でナルガクルガ狩猟! の筈が、先輩に狩られる! 感じの狩猟シーンとなっております(笑)。いやー、ほんとコメディ突き詰めたらこうなりましたよね!ww
 そしてまだまだ先輩のターンは終わらない! 次回も更なる地獄へいざなう先輩なのだった!w お楽しみに~♪ww

2 件のコメント:

  1. 更新お疲れ様ですvv

    先輩これ、あれです(何!w)
    祖龍みたいな真っ白な毛並みと真っ赤な爪・残光をもつ
    極み駆けるナルガクルガだwヤバすぎww
    全てのハンターは勿論、ギルマスや受付嬢、食材屋のおばちゃんまで
    失禁まったなしっ!!!
    エロ姉さんの歌を聞きながら皆の無事を祈らずにはいられないっ!

    次回も地獄…なの?((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

    今回も楽しませて頂きましたー
    次回も楽しみにしてますよーvv

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    1. 感想有り難う御座います~!

      (何!w)www
      極み駆けるナルガwwwそれだっ!www
      メゼポルタの広場中大変なアンモニア臭塗れになってしまいますね!www
      ほんとそれ!ww ってもう無事じゃない予感しかしぬいぜ!ww

      次回も地獄…です…!(にこぉ…!

      今回もお楽しみ頂けたようでとっても嬉しいです~!
      次回もぜひぜひお楽しみに~♪

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