2018年12月14日金曜日

【艦娘といっしょ!】第10話 霧島といっしょ!【艦これ二次小説】

■あらすじ
ちょっと頭のおかしい提督と艦娘達の日常生活を切り抜いた短編集です。
※注意※2016/01/27に掲載された文章の再掲です。本文は修正して、新規で後書を追加しております。

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【ハーメルン】、【Pixiv】の三ヶ所で多重投稿されております。

■キーワード
艦これ 艦隊これくしょん コメディ ギャグ 霧島


【ハーメルン】https://syosetu.org/novel/68881/
【Pixiv】https://www.pixiv.net/series.php?id=627932
■第10話

第10話 霧島といっしょ!


「マイク音量大丈夫? チェック、ワン、ツー……よし、さて、本日も私、霧島がメインパーソナリティーを務める【艦娘、お昼の放送局】、間も無く始まります」

 鎮守府一帯に鳴り響く霧島のヴォイスに、皆聞くでもなく聞いている。放送室では霧島と、その対面に司令が座していた。
「本日のゲストはこの方! 我が鎮守府が誇る、アフロが一番似合う司令、檻夜司令です」映ってないのに司令官を称える仕草をする霧島。
「どうもー、檻夜だよー」映ってないのに手を振って告げる提督。
「司令、今日は宜しくお願いしますね」ニッコリ笑顔の霧島。「それではまずは一曲、西沢幸奏さんより、【吹雪】」
 ミュージックが流れ出したのを機に、霧島は提督に微笑みかけた。「流石司令、余裕の風格ですね」
「いやー、めちゃくちゃ緊張してるよ、まじで」ホーッとため息を吐き出す司令。「霧島はよくこんな事毎日できるなー感心するよ」
「継続は力なり、ですよ? 司令」にこやかに応じる霧島。「さて、そろそろミュージックも終わります。本番、始まりますよ!」
「お、おう。頑張るよ」緊張した面持ちで空咳をする司令官。
「……西沢幸奏さんより、【吹雪】、でした。さてここからは迷える艦娘達のお悩みを解決するこのコーナー、【霧島のお悩み分析】に参りましょう!」部屋のBGMが変わり、霧島も幾分か落ち着いた様子でマイクに語り掛ける。「このコーナーでは毎回送られてきたお便りから、私とゲストさんで迷える艦娘のお悩みを解決に導きます。今回はお便りを司令に読んで頂こうと思います。宜しいですか?」
「えっ、私が読むの?」霧島から手紙を渡されて困惑する司令。「え、まじで? えっ、あっ、えぇーと? ペンネーム、提督ラヴ勢筆頭株主……さん、からの、お便り……です。何々……? 霧島さん、こんにちは!」
「こんにちは!」ニコッと微笑む霧島。
「私の悩みを聞いてクダサーイ。提督の味覚が明らかに人智を超える尋常じゃないレヴェルの音痴っぷりに、私はもう我慢できないデース! どうにか出来ないデスカー!? 教えてPlease! ……と有りますが」手紙から顔を上げる提督。
「司令は物真似もお上手ですねー! 匿名の筈がありありとリスナーの顔を思い浮かべる事が出来ました! 流石司令!」拍手喝采の霧島。
「いやこれ私の物真似云々以前の問題だと思うんだけど……」苦笑を禁じ得ない司令。「と言う訳でどうやら提督の味覚が破滅的らしいんだけど、霧島はどう思う?」
「敢えてそこで私に振るんですね!」驚きを隠せない様子の霧島。「司令の味覚がおかしいのなら、その味覚に合うおかしな味のものを作れば、きっと司令は喜んで食べてくれると思いますよ!」
「うんうん、そうだね! 超しょっぱい物とか作ってくれたら喜んで食べるよ! あぁ、また比叡カレー改が食べたくなってきたよ、じゅるり」ヨダレが滴っている司令。
「比叡カレー改! 私も一度どんなものかと一口頂きましたが、あれは何と言うか……そう、暴力的なまでの塩味でしたね、私の明晰な頭脳の数パーセントが死滅したと言っても過言ではありません!」味を思い出したのか顔を青くしている霧島。
「確かにあれは殺人的な塩味だったね! だからこそ至高! 故にこそ孤高の味と言えるよ!」キリッと表情を決める司令。
「だそうです、金剛お姉さ――あ、いえ、ペンネーム提督ラヴ勢筆頭株主さん! 司令の口に合うのは塩! これを念頭に料理に挑戦してみては、いかがでしょうか! ……はい、と言う訳で、迷える艦娘達のお悩みを解決するコーナー、【霧島のお悩み分析】では、艦娘の皆様からのお便りをお待ちしております! 放送局宛てにどしどし送ってくださいねー!」笑顔で告げると、表情を改める霧島。「それでは続きまして、このコーナー!【これは何? 新たなコマンドですか?】に参りましょう! このコーナーではゲストさんに箱の中身を手だけで確認し、無事に箱の中身を当てる事が出来たらゲストさんに、外れたらリスナーに豪華賞品をプレゼントします! 今回の豪華賞品は、こちら! デデン!」効果音を自分の口で言う霧島。「鎮守府特製低反発枕です。これで夜をぐっすり眠れますね!」
「うわ、それ地味に欲しいわ」思わず声を漏らす司令。「で、これ? この箱の中身を当てればいいの?」目の前に出された黒い箱を指差す司令。
「そうです! 制限時間は三十秒ですよ、宜しいですか? 司令」
「うひゃーめっちゃドキドキするなー」緊張した様子で箱の上に手を置く司令。「じゃあ……行くよ?」
「どうぞ!」霧島がストップウォッチを起動させる。「残り三十秒!」
「えぇーっと」ごそごそと箱の中に手を入れる提督。「んん!? これ明らかにあれだよね!? 手だよね!? 私の手を握り返してるもんこれ!? これあれか!? 艦娘か!?」
「ブゥーッ! 艦娘の名前でお答えください!」ストップウォッチを見る霧島。「残り二十秒!」
「まじかよどんだけ難問なんだよ! ……うぅん? ちっちゃい手だから……軽巡洋艦……いや駆逐艦か……? えーと、じゃあ、電ちゃん!」
 間。
「せいかーい!!」部屋にファンファーレが鳴り響いた。「流石司令! 一発で当てちゃいましたね!? 最早その手は如何なる艦娘の手も把握できる、超高性能センサーと化しているのですね!?」
「いやーそんな事は無いけど、握り返された時にビビッとね!」誇らしげに胸を張る司令。「てかこれどうなってんの? 机の下に電ちゃんがいるの?」
「どうして分かったのです!?」机の下から現れる汗だくの電。「司令官は病気なのです!?」
「当てた筈なのに何この仕打ち!? もっと喜んでいいんだよ!?」必死に主張する司令官。
「えー、では鎮守府特製低反発枕は司令にプレゼント致しますねー。以上、【これは何? 新たなコマンドですか?】でした!」再び部屋のBGMが切り替わる。「さて、あっと言う間でしたが、最後のコーナー、【フリートーク】に参りたいと思います。どうでしたか司令? 初めての放送局は」
「すげー緊張したけど、毎日ここで霧島が艦娘と楽しく過ごせてるのが、何と無く分かって、それにとても楽しかったよー。霧島はトークが上手いって、もう身に沁みて分かったし」
「いえいえ、司令がとても話し易いお方だからこそ、こうしてトークが弾むのです。私もこうやって司令と直接話すのは久し振りでしたから、とても楽しかったです!」ニッコリ笑う霧島。「さて、終わりの時間が近づいて参りました。明日のゲストはぁー……今目の前でテンパっている電さんです!」
「はにゃーっ!?」驚きのあまり奇声を上げる電。「い、電なのですか!?」
「それでは皆様、良いお昼休憩を! 霧島と、」
「檻夜と」
「い、電!」
「の、三人でお送り致しました♪ それではまた明日この時間に!」一呼吸置き、霧島は落ち着いた表情で締め括る。「【艦娘、お昼の放送局】は、作戦司令部、檻夜司令の提供で、お送り致しました」

【後書】
 今回のお話は、正直「艦娘といっしょ!」でだいぶ良い感じに仕上がった物語だと言う自負が有りますw 何と言いますか、ネタと言いますか、物語全体の大筋と言いますか、話の概要と言いますか、が、めちゃんこしっくりくると言いますか…ふんわりと、「良い」と感じる出来なんですね…!w
 こういう感じの、ふわっと「あっ、素敵♪」と感じる短編を綴るのがねー、こうね、目標だったりします(^ω^) それが難しいんですけどねー!w

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