2018年12月28日金曜日

【艦娘といっしょ!】第12話 祥鳳といっしょ!【艦これ二次小説】

■あらすじ
ちょっと頭のおかしい提督と艦娘達の日常生活を切り抜いた短編集です。
※注意※2016/02/10に掲載された文章の再掲です。本文は修正して、新規で後書を追加しております。

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【ハーメルン】、【Pixiv】の三ヶ所で多重投稿されております。

■キーワード
艦これ 艦隊これくしょん コメディ ギャグ 祥鳳


【ハーメルン】https://syosetu.org/novel/68881/
【Pixiv】https://www.pixiv.net/series.php?id=627932
■第12話

第12話 祥鳳といっしょ!


「提督、司令部からご連絡が届いています」

 祥鳳の声に反応して、提督が書類から目を離して「またー? 最近司令部からの連絡多いなー」と面倒臭そうに書類を受け取る。軽く一瞥すると、その表情が見る間に曇っていった。「また顔出せとか……私を何だと思ってるんだ……」
「司令部に行くのは、苦手なんですか?」
 祥鳳が不思議そうに小首を傾げると、提督は「うーん……」と難しそうな表情で頬杖を突いた。
「苦手って訳じゃないと思うんだけど……単純に面倒臭くてなー」
「作戦司令部ってすぐそこですよね?」祥鳳が廊下を示して問いかける。
「すぐそこだけどさぁ……」ふにゃぁ、と机の上で溶けていく提督。
「じゃあ私が一緒に付いて行きますから、早く行きましょう?」溶けた提督の手を引っ張って立たせる祥鳳。
「ぇえー? 今行くのー?」面倒臭そうに引き摺られながら立ち上がる提督。
「いつ行くの?」ニッコリ尋ねる祥鳳。
「今でしょ!」親指を立てる提督。
「じゃあ今行きましょう! 早く早く!」提督を執務室から引き抜く祥鳳。
「やられた! 祥鳳さんにハメられた!」ハッと我に返る提督。「てか何でそんなに司令部に行きたがってるの?」
「それは……提督の上司がどんなお方なのか、一度拝見してみたくて……」えへへ、と微笑む祥鳳。
「にゃーる」ようやく自分の足で歩き始める提督。「そういう事なら仕方ない、行きますかー」
「やったー!」嬉しげに小躍りする祥鳳。「さっ、行きましょう行きましょう!」

◇◆◇◆◇

「しっつれーい」
 作戦司令部の扉をノックもせずに入っていく提督に、祥鳳は面食らいながらも、その後に続いて「し、失礼します」と部屋に入っていく。
「遅い! 待ちかねたぞ!」刹那、部屋の奥から女声の怒号が飛んできた。
 祥鳳がびくついている中、提督は「そんな怒らないでよ、かーぴょんー」とヘラヘラ応じる。
「上様と呼べと言ってるだろ!!」バンッ、と机を叩く妙齢の女。「ん? そちらの方は?」
「あぁ、ウチの艦娘の、祥鳳さんだよ」と言って提督が祥鳳を示す。
「は、初めまして、軽空母、祥鳳です」ぺこりとお辞儀する祥鳳。
「初めまして。私は作戦司令部の一番偉い人の、日和(ヒヨリ)よ。上(カミ)日和。気軽に上様って呼んでね♪」ニッコリ笑顔の日和。
「は、はぁ……」気後れした様子の祥鳳。
「ほらー、祥鳳さんドン引きしてるじゃんー? 上日和なんだから、かーぴょんでいいじゃん」
「リーさん。これ何か分かるかなー?」日和が見せたのは、給与明細。
「職権濫用だ! 憲兵に通報してやるうううう!!」給与明細を取り返そうと跳ね回る提督。
「ふっふーん! 欲しかったらまず謝るんだな! そうしたら考えてやってもいいぞ? ほれほれ!」給与明細をヒラヒラと舞わせながら楽しげに笑う日和。
「お、面白いお方なんですね……」微苦笑を禁じ得ない祥鳳。
「全くだよ!」給与明細を手にして憤りを隠し切れない様子の提督。「あー、また給与減ってる……私が何をしたって言うんだ……」げっそりとやつれていく。
「何もしてないからでしょ!? もっとキリキリ働きなさいよ! 執務は滞ってるし、出撃は全然だし、演習もサッパリで、遠征も出てないのに、給与が減らない訳無いでしょ!?」手刀を提督の頭に振り下ろす日和。
「チクショー、何にも言い返せない……」頭をさすりながら渋々引き下がる提督。
「提督が言い返せないと私の立場がその……とてもつらいのですが……」苦笑を浮かべざるを得ない祥鳳。
「祥鳳さん。そいつをよーく見張っといてね? すぐサボるから。サボりの常習犯だから。いざって時は執務室ごとぶっ飛ばしてもいいから」邪悪な笑顔を覗かせる日和。
「鬼や! この鬼! 悪魔! 人間!」ブーイングを始める提督。
「……分かりました。提督を、しっかり見ておきますね!」提督のブーイングを無視して、胸を張って応じる祥鳳。
「祥鳳さん!? 見張らなくていいんだよ!? いつも通り気ままにやろうよ!? ね!?」慌てて祥鳳を宥めに掛かる提督。
「大丈夫、提督は真面目な方ですから、すぐに慣れます!」ニッコリ笑顔が怖い祥鳳。
「そうそう、祥鳳さんお願いね。リーさん、執務しっかりやりなさいよ? ……まさか、祥鳳さんの期待を裏切るような真似はしないわよねぇ……?」ニチャァ、と陰惨な笑みを見せる日和。
「あぁぁ……逢わせるべきじゃなかった……かーぴょんと祥鳳さんを逢わせるべきではなかったのじゃぁ……」
 完全敗北の態で崩れ落ちる提督に、日和と祥鳳は互いに笑みを見せ合うのだった。

【後書】
 このかーぴょん、わたくしの母上をモチーフに綴っているキャラクターでして、今後も稀に出現する人だったりしますw 大体こんな人です(キリッ)。
 祥鳳さんって実はわたくしの鎮守府では初のケッコンカッコカリ軽空母でして、それはもう初期からとってもお世話になっておりましてな…! サラシ姿が本当に好き…! 欲を言えば未改造の頃が一番好き…!
 さてさて、こちらも今年最後の再掲となりました。来年は新しい話をもっと投稿できたら…いいな! そんなこったで次回もお楽しみに~♪

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