2018年12月7日金曜日

【艦娘といっしょ!】第9話 伊19といっしょ!【艦これ二次小説】

■あらすじ
ちょっと頭のおかしい提督と艦娘達の日常生活を切り抜いた短編集です。
※注意※2016/01/20に掲載された文章の再掲です。本文は修正して、新規で後書を追加しております。

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【ハーメルン】、【Pixiv】の三ヶ所で多重投稿されております。

■キーワード
艦これ 艦隊これくしょん コメディ ギャグ 比叡 金剛 電


【ハーメルン】https://syosetu.org/novel/68881/
【Pixiv】https://www.pixiv.net/series.php?id=627932
■第9話

第9話 伊19といっしょ!


「ふへー、提督は何をしても怒らないから、好きなのね♪

 執務室で提督の背後から頬をつねりながら呟いたイクのセリフに、提督は「わひゃしひゃっておひょるひょひはおひょるぞ」ふにゃふにゃした声を返した。
「何言ってるのか分からないのねー♪」ケラケラ笑うイク。
「ひょらー、ひょおはらへほははひははーい」ふにゃふにゃした声を上げながら執務を続ける提督。
「いっひひ♪」一頻り笑うと、イクは提督の頬から手を離してソファにダイブした。「提督はどんな時に怒るのー?」
「そりゃーおめー、怒りたくなったら怒るでしょー」執務を続けながら適当に応じる提督。
「どういう時に提督は怒りたくなるのー?」
 執務の手を止め、「そうだなぁ……」と提督は何気無く天井を見上げる。
「すげー嫌な事されたら、怒るな、うん」小さく首肯する提督。
「嫌な事って何なのね?」頭をこっくんこっくん傾けながら尋ねるイク。
「逆に聞くけど、イクちゃんの嫌な事って?」
「イクはぁー、そうねー……」人差し指を唇に当てて小首を傾げるイク。「提督で遊べなくなるのが、嫌なのね!」
「まじかー。私“と”じゃなくて、私“で”かー」残念そうに苦笑する提督。「私もそうだねーイクちゃんと遊べなくなるのは嫌だなー」
「んふふー♪ イクと遊ぶと、滾るのね?」ニヤニヤと笑むイク。
「滾るカッコ意味深」ニヤニヤと応じる提督。
「んふふー♪」「げへへー♪」互いに笑い合うイクと提督。
「……深夜の空気を感じるのです」
 それを傍目から窺っていた電が、呆れた様子で感想を呟くのだった。

◇◆◇◆◇

「提督を怒らせてみたい?」
 執務室を離れ、食堂に赴いたイクは、食事中だった天龍に声を掛けるのだった。
「そうなのね。天龍は一度提督を怒らせた事が有るって聞いたのね!」
「あ? ……あー、そうだな、一度カンカンにさせた事は確かに有るな」苦笑を浮かべて目を逸らす天龍。「オレから言えるのは、提督は怒らせねえ方がいい。それだけだ」
 そう言って食事に戻ってしまう天龍に、イクは不満そうに「それじゃダメなの! イク、聞いてしまったの!」と天龍に食い下がる。
「あんだよ、何を聞いたってんだよ?」面倒臭そうに、食事の手を止めて応じる天龍。
「誰に対しても優しいのは、誰に対しても興味が無いからって、テレヴィでやってたの!」
「……じゃあ何か、提督が艦娘に優しいのは艦娘に興味が無いからって言いたいのか? お前は」
 真面目に向き合い、天龍はイクを正面から見据えた。イクはそんな天龍に、首肯を返す事は無かったが、否定もしなかった。
「あのなぁ、あの提督が艦娘に興味無いとか有り得ないだろ」重苦しい溜息を吐き散らす天龍。「しかもその話だと、まるで俺にだけ興味が有る事になるだろ。ぶっ飛ばすぞ?」額に青筋が入った笑顔を浮かべる。
「だ、だって、提督、本当に全然怒らないから……イクに興味、無いのかもって思って……」うつむいて、しょぼくれるイク。
「それ、提督に直接言ってやれよ。ものすげー反応が返ってくるぜ、間違いねえ」そう言うと、天龍は食事に戻った。「おら、不安ならさっさと提督んトコに言ってこい、悪い事にゃならねえからよ」
「むぅ……」
 埒が明かないと言った様子で食堂を出て行くイクを見送った後、天龍は相席していた龍田に声を掛けた。
「てか、まじでオレ以外に提督怒らせた奴いねえの?」こそこそと耳打ちする天龍。
「あらぁー? 心配なのかしらぁ?」ニヤニヤと笑いかける龍田。
「心配じゃねえよ確認だっつーの! いや、だってよ、さっきの話がまじだったらよ、オレ……」赤面してうつむいてしまう天龍。
「あははぁー、天龍ちゃんってば、可愛いんだからぁー♪」
 龍田はからかうだけで、結局教えてはくれないのだった。

◇◆◇◆◇

「ねぇ、提督ぅ……イクの事、興味有る……?」
 執務室で突然発せられた質問の声に、電が飲んでいた牛乳を勢いよく噴き出した。
「あん?」執務をしていた提督の手が止まる。「勿論興味有るぜ?」グッと親指を立てる。
「司令官……」噴き出した牛乳を雑巾で拭きながら、白い眼で司令官を見やる電。
「イクの、どの辺に興味有るの……?」胸に手を当てて尋ねるイク。
「今日のイクさんは積極的なのです……」若干頬が紅潮している電。
「どの辺って、全体的に?」不思議そうに小首を傾げる提督。「一緒にモンハンしたいし」
「! イクもしたいのね! 早くやるのね提督ーっ!」バタバタと駆けて提督に飛び込んで行くイク。
「よっしゃー! 電ちゃんも準備はよ! 一狩り行くぞー!」
 机を漁って3DSを用意する提督に、「執務はどうしたのです……」と呆れ顔の電だったが、「ちょっと待つのです」と言って、服のポケットから3DSを取り出すのだった。「準備が終了したのです」
「何だかんだで電ちゃんも分かってきたようだな! よーしっ、やるぞーっ!」
 言葉の上だけかも知れないとは言え、提督は自分に興味が有ると言ってくれて、イクは嬉しくて表情が綻んでいた。
 だったら自分は信じようと、この提督ならきっと大丈夫だと思って、心の中に巣食っていた不安を蹴散らす。
「……あれ、イクちゃん回復は? その体力はヤヴァいんじゃない?」
「こんなんでイクを追い込んだつもりなの……? 逆に、燃えるのね! ……って、あ」
「ドリィーッ!? 死んでるじゃねえかグルァーッ!」
 ゲームの中のイクが死んだ瞬間、カンカンになった提督を見て、「提督、怒ってるのね……!」と嬉しげにはしゃぎ回るイクなのだった。

【後書】
 檻夜提督の沸点が低いのか低くないのかアレですけれど、リアル檻夜提督もこんな感じでしてね…w
 普段へらへらーっと生きてるマンなので、怒る事は滅多に無いんですけれど、何でしょうね、怒りではなく失意を以て諦観すると言いますか。そしてそう語れるほど怒らない訳でもないので、まー、アレです。普通の人間って事です!
 ところで潜水艦達の名前もそうですが、海外艦とかの名前を表記するのどうしようか悩みますよね。伊19って表記すべきなのか、イクでいいのか。テケトーでいいですよね! テケトー万歳!w

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