2018年12月6日木曜日

【FGO百合SS】04話「貴女と友達になりたくて#4」【エレモー】

■あらすじ
愛称で呼び合いたいエレシュキガルと愛称で呼び慣れてないモードレッド。

■キーワード
FGO Fate/Grand Order コメディ ギャグ エレシュキガル モードレッド 百合

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【pixiv】の二ヶ所で多重投稿されております。
Pixiv■https://www.pixiv.net/novel/series/1018872
■第4話

04話「貴女と友達になりたくて#4」


「ねぇねぇ」

 クイクイ、とモードレッドは服の裾を引っ張られている感触に気づき、振り返ってエレシュキガルがいる事を確認して「あ?」といつも通りメンチを切った。
 エレシュキガルはそれを見た瞬間、一瞬「ひえっ」と涙目になったが、すぐに気を持ち直して「ちょっ、ちょっと、いいかしら?」と懸命に食い下がった。
「ンだよ、オレに何か用か?」
「あ、あのね? ほら、私達、友達になったじゃない?」もじもじと人差し指を突っつき合わせながら視線を彷徨わせて告げるエレシュキガル。「だったら、ほら、ね? やっぱり、こう、愛称! で、呼び合うのは、どうかしら~? って、思ったのだわ私!」
「愛称だぁ?」呆れた様子で小首を傾げるモードレッド。「別にオレは呼び捨てで構わねえぞ」
「モーちゃん! で、どうかしら?」「オレの話聞いてる??」「モーちゃんって可愛いでしょ? いいでしょ?」「いいでしょってお前……」
 瞳をキラッキラに輝かせて迫ってくるエレシュキガルに若干引きながら後ずさるモードレッドだったが、ふと名案だと頭の上に裸電球が点った。
「じゃあお前、エレちゃんって呼ぶぞ?」
「ええっ!? エ、エレちゃん……!?」
 エレシュキガルの顔が紅潮し、驚きの表情のまま硬直してしまった。
 してやったり、とモードレッドは意趣返しが上手く行ったと満足な笑みを返すも、すぐに「そ、そうなのだわ!」と嬉しそうな声が返ってきて、叛逆の騎士の顔が即座に不満に曇った。
「ちょっ、ちょっと恥ずかしいのだけれど、モーちゃんがそう呼ぶのなら、私はいいわよ……?」
「ふざけろよテメエ!! 恥ずかしくて呼べるかンな名前!!」ガァーッと吼えるモードレッド。「あとモーちゃん呼びやめろや!! 恥ずかしくて背筋がぞわぞわすんだよそれ!!」
「ひ、酷いのだわ!?」ガーン、と涙目になってあからさまに落胆するエレシュキガル。「そんなぁ……ガックリなのだわ……」
 すっかり消沈してしまったエレシュキガルを見つめて、どうしたものかと溜め息を吐き出すと、ガシガシ頭を掻きながら、面倒そうに口を開くモードレッド。
「……そんなに愛称で呼び合いてぇのか?」
「えぇ……憧れてたの……友達と愛称で呼び合うの……」
 ふぅ、と大きな溜め息を落とすと、諦めが着いたのか、乾いた苦笑を浮かべたエレシュキガルは、「でも、もういいのだわ、有り難う、モードレッド。ちょっと夢を見たかっただけだから……」と立ち去ろうとして、「……エレ公」と言う、モードレッドの呟きが耳朶を打った。
「え?」振り返り、何と呟いたのか分からず目を白黒させるエレシュキガル。
「じゃあ、エレ公って呼ぶわ、今度から」照れ臭そうに首筋を掻きながらそっぽを向くモードレッド。「それでいいか?」
「えっえっ!」混乱してあたふたと手を踊らせるエレシュキガル。「じゃ、じゃあ私はモーちゃんでいいかしら!?」
「いやそれは……」
「有り難うモーちゃん! えへへ、エレ公かぁ……えへへ……」
 嬉しそうに反芻するエレシュキガルを見て、モードレッドは苦り切った顔で「くそう、もう断れねえ奴じゃねえか!!」と行き場の無い怒りを抱えて悶え苦しんでいた。

◇◆◇◆◇

 その後、
「モーちゃんモーちゃん」
「ンだよエレ公?」
「えへへ、呼んだだけなのだわ! えへへ!」
「……」
 エレシュキガルがあまりにも調子に乗ったため、モードレッドのクラレントが閃いて一度カルデアが蒸発した。

【後書】
 ちょこっと前にTwitterで呟いていたエレモー百文字短編を清書した奴です(´▽`*) いやー、アレです、2部3章でモーさんがスパルタクスさんの事を「スパ公」って呼称したのが、も~性癖に突き刺さりまして…!
 何気無いシーンでそういう単語が飛んでくるとですね、性癖が複雑骨折するんですよね…尊い…スパ公育てたくなる…※スパ公がいないカルデア
 と言う訳でなんやかんやで2ヶ月くらい音沙汰無かったエレモーですが、ひょっこり更新なのでした! 定期連載できるほどネタが無いのでまた暫く音沙汰無いかもですが、浮世ちゃん(自キャラ)のカルデアでは嫁ツートップですからね、また折を見て綴りたいネ! んではでは!

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