2018年12月21日金曜日

【物拳】恋識【僕のヒーローアカデミア二次小説】

■あらすじ
デートをデートと自覚する物間の話。
相思相愛系物拳です。色々捏造設定注意!

▼この作品は、Blog【逆断の牢】、【Pixiv】の二ヶ所で多重投稿されております。

■キーワード
僕のヒーローアカデミア 物間寧人 拳藤一佳 物拳 ヒロアカ


Pixiv■https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=10487292

■恋識


※色々捏造設定なので、なんでも許せる方向けのお話だよ!

「物間ー、今度の日曜って空いてる?」

 授業が終わり休み時間に入った頃。教科書を机の中に戻していた物間に拳藤の声が掛かった。
 物間は教科書を机の中に入れながら「何? 買い物?」と適当に応じると、休み時間に堪能するアイテムであるコミックスを取り出す。
「そそ、ちょっと付き合って欲しくてさ~。いい?」
「良いけど、本屋にも寄るからそのつもりで」
 コミックスを開き、もう話は終わったとばかりに読書を始める物間に、拳藤は「ほいほーい、りょーかーい」と適当に応じて教室を出て行ってしまった。
 それを傍目に見ていたクラスメイトが、真顔で物間に近寄ってきた。
「なぁ、物間。思ったんだけどさ、お前ら付き合ってるの??」
 読書に没頭しかけていた物間は顔を上げてクエスチョンマークを点した。
「は? 誰が? 誰と?」
「いや、お前と拳藤がだよ」
「何で? 付き合ってないけど?」
「嘘だろお前……」何とも言えない表情になっていくクラスメイト。「日曜にデートの約束を簡単に付けやがってこいつ……!」
「いや、買い物に付き合うだけでしょ」やれやれとコミックスに視線を戻す物間。
「天然なの?? 天然なのかお前???」

◇◆◇◆◇

「――――って事が有ってさ。流石の僕も呆れ果てたって寸法さ」
 日曜。約束通り拳藤と買い物に出掛けていた物間がそう話を終えると、拳藤は驚きに目を瞠って言葉を失っていた。
「えっ、物間、自覚無かったの?」
「え? 何が?」
「何が、って……私、デートのつもりで誘ってたんだけど」不思議そうに口にする拳藤。「いつも」
 小物を覗いていた拳藤の視線が物間を貫き、その視線に晒されている無自覚の少年は暫く無表情のまま立ち尽くしていた。
 やがて拳藤が鼻で笑声を落として、「ま、そんな事だろうとは思ってたけど、さっ」と物間の肩を叩いておどけた。
 対して物間は暫く反応を返さず、沈黙が続いた。
「……物間? ごめん、もしかして迷惑だった?」不思議そうに物間の顔を覗き込むと、そこには紅葉のように鮮やかな朱に染まった顔が有った。「え、ど、どしたの?」
「いや……」口元を腕で隠すように俯く物間。「思い返して、恥ずかしさのあまり言葉が出てこないだけ……」
 赤面して俯く物間に、拳藤はややあってから狼狽え始めた。
「ちょっ、やめてよ! あんたが恥ずかしがったら、私も恥ずかしくなってくるじゃん!」
「ご、ごめん……いや、嬉しくて、さ……」
「そ、そうなんだ……」
 二人して赤面して立ち尽くしていたが、やがて物間の方が先に顔を上げて、呟いた。
「か、買い物、行こうか」
「う、うん……」
 二人とも、その日何を話したかまるで思い出せなかったそうな。

【後書】
 こういうシーンに青春を感じてしまう兄さんなんだ…( ˘ω˘ )
 今まで何気無~く行っていた事が、実はすんごい青春感溢れる事だって気づいた、その瞬間が! 爆発的尊い!! って事を表現したかった的なアレです(ふわふわ~)。
 と言う訳で久方振りに物拳を綴りましたが、ワシは満足感に満たされておるよ…(満悦顔)。また綴りたくなったり、お声掛けが有ったりしたら綴るかもかも! そんなこったでご愛読有り難う御座いました~♪

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