2019年2月17日日曜日

【神否荘の困った悪党たち】第57話 あ、あなたが……鬼さん?【オリジナル小説】

■あらすじ
淡々としたメイちゃんのナレーションが恐怖を煽ってくるの、ほんとやめてほしい。

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【カクヨム】の二ヶ所で多重投稿されております。

■キーワード
日常 コメディ ギャグ ほのぼの ライトノベル 現代 男主人公


カクヨム■https://kakuyomu.jp/works/1177354054881797954
■第57話

第57話 あ、あなたが……鬼さん?


「――そうして桃太郎はお婆さんをお供に、鬼さん(成人男性・独身)を殺害しに、家を出るのでした」

 淡々としたメイちゃんのナレーションが恐怖を煽ってくるの、ほんとやめてほしい。
 そう思いながら欠伸を浮かべてると、さっきまでサラサラ流れていた川が消失して、都会み溢れる景色に切り替わっていた。
「えっ、最早旅をするとかそんな感じでもない」普通に家を出て都会にやってきた非行少年Aになった気分だぞ。「お婆さん、鬼さんってこんな都会真っ只中にいるの??」
「そうよぉ、お爺さんはね、こういう都会で暮らしていたの」突然自ら始末したお爺さんの過去が語られ始めたぞ。「お金を稼いで、都市を作って、国を建てて……そして、今は私の隣にいるのよ。うふふ♪」サイコパスお婆さんの隣にお爺さんの霊的な何かがいる設定なんだろうか……
「へーい、そこの兄さんよぉ」
 突然シンさんに絡まれた。
「鬼を殺るんだって? あたしも混ぜな。安心しなよ、鬼の奴を殺すまでの関係さ、それ以上はつるまねえよ」どうしよう、犯罪臭しかしない。
「お婆さん、何かヤバそうな人に絡まれたんだけど、どうしよう」普段の俺じゃなくても心臓縮み上がる案件だよこれは。「あのキビ爆弾渡すべき?」
「そうねぇ、あのキビ爆弾、お爺さん好きだったのよねぇ……」話が噛み合わないどころかお爺さんの死因が分かる超展開になってきた。「お姉さん、このキビ爆弾が有れば、鬼さんを殺れるかしら……?」童話を演じてる筈なのに物騒な単語がモリモリ出てくるぞう??
「一つありゃ充分さ、必ず殺れる」こんな恐ろしいサムズアップ見た事無い。
「まぁ♪ 桃太郎君、この人なら大丈夫、鬼さんを必ず仕留められるわ!」鬼さんまじ逃げて!「お姉さん、あなたお名前は?」
「……ハンターさ」
 フッ、とカッコつけてますけど、犯罪者がお供に加わりました。わーい。帰りたい。

◇◆◇◆◇

「ハンターをお供に加えた桃太郎は、一路、超エキサイティン東京のやばみ溢れるビルに向かいます」
 あっ、これ砂月ちゃんが監修してるのかも知れないけど、固有名詞はマナさん担当してる奴だな? この思考回路を溶かしていく固有名詞は間違いない!
 と思っている間に景色が変わって、ビルの中と思しき映像に辺りが変化した。
「我が社に何用っすか?」
 ラヴファイヤー君がいつもの姿できりっとした表情で佇んでいる。
「あ、あなたが……鬼さん?」
「いかにも。鬼・太郎っす」
「鬼・太郎」もしかして俺のフルネーム、桃・太郎。
「死ねぇ!!」シンさんが突然キビ爆弾を投げつけた!!
「こ、これは……キビ爆弾!」ラヴファイヤー君が凄まじい形相で驚いてる。てか何で知ってるんだキビ爆弾??「これは我が社が作り上げた殺戮兵器じゃないっすか! どこでこれを!?」んん?
「お爺さんから拝借したのよ~」うふふ~と笑うマナさん見てるだけで正気度が失われていく。「鬼さん、あなたのお父上であるお爺さんからね!」んんん??
「もう超展開過ぎてツッコミが追い付かないんですけど、これアレですか、家族間抗争か何かだったんですか?」お婆さんまさか旦那だけじゃなくて息子まで殺害しようとしてるの??
「巻き込んでごめんなさい、桃・太郎……」しょんぼりと俯くマナさん。「これは本当は、爺・太郎と、婆・太郎、そして鬼・太郎の戦争だったの……でも鬼・太郎が強そうだったから、桃・太郎に手を下して欲しくて……」
「あっ、これあれですか、太郎がまさかのファミリーネーム」
「グワーッ!」突然ラヴファイヤー君が木っ端微塵に爆発した!!
「これで……この社の貯蓄は全てお婆さんのモノよ……うふふ♪」
「あぁ、婆さんならやってくれると信じてたぜ……あばよ」
「こうして、婆・太郎は鬼・太郎を殺害し、世界を更に黒く染めるのでした。めでたしめでたし」
「お、終わった……」後半あまりの置いてけぼり展開に俺は最早ツッコミする力も失ってたんですけお。「こ、これを明日……じゃなかった、今日園児を前に演じるんです……?」正気の沙汰ではないぞ。
「ブラボーッ!」スタンディングオベーションし始める砂月ちゃん。「これはもう園内で話題沸騰してしまいますよ!! 全園児が泣いた!!」そうだね、あまりの恐ろしさに号泣するだろうね。
 あまりの眠たさに瞼を擦って時計を見上げると、もう午前五時を回ってた。徹夜だー。ごめんね園児の皆と職員さん。たぶん今日は感情が正常に機能する最後の日になると思うお。
 そして眠りたい。普通の桃太郎の夢を見たい……

【後書】
 後半何だか雑な展開のように思えますが、わたくしも深夜テンションで綴っていたが故にもう気力が持たなかったのだと思って頂ければ!w
 と言う訳で遂に、練習が終わってしまいました。徹夜コースで且つ、次回は遂に実演です! この惨たらしさしかない桃太郎はどうなってしまうのか!w お楽しみに~♪w

2 件のコメント:

  1. 更新お疲れ様ですvv

    適度な雑さが神否荘の魅力!おk深夜テンションw

    てなわけで練習終わっちゃった訳ですが、
    園児たちのことを考えると、うっかり寝過ごしてしまい上演できなかったってのがベストではなかろうか。
    それぐらいヤバい桃太郎ですw
    でもでも!一周回って上演したら普通の桃太郎だったという説も…(←ないw)

    さぁどうなるか!待て次回!!

    今回も楽しませて頂きましたー
    次回も楽しみにしてますよーvv

    ちゃんと「公開」ボタン押してからタブ閉じようねっ!(謎)

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    返信
    1. 感想有り難う御座います~!

      ですよねっ!w この適度な雑さ加減こそが神否荘…!ww

      たたた確かにww うっかり寝過ごして上演できなかった展開になれば、劇が無かったよしょんぼり…だけで解決できそうな予感です…!w
      ほんともうヤバ過ぎるので練習を無かった事にしたいレヴェルですね!ww
      一周回って上演したら普通の桃太郎だった説www そんな事が有り得るのか…!?!?!www

      いよいよ次回!w 楽しみにお待ちくだされ~!w

      今回もお楽しみ頂けたようでとっても嬉しいです~!
      次回もぜひぜひお楽しみに~♪

      とみちゃんとの約束だ!ww(謎)

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