2019年2月16日土曜日

【牙ガイ】影の手、太陽の手【バディファイト二次小説】

■あらすじ
ガイト君の手を握る牙王君のお話。

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【pixiv】の二ヶ所で多重投稿されております。

■キーワード
バディファイト 未門牙王 黒渦ガイト 牙ガイ 腐向け
Pixiv■https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=10762047

■影の手、太陽の手


「はぁー……」

 粉雪のちらつく放課後のキャッスル。ガイトは霜焼けで赤く染まった手に白い呼気を塗し、擦り合わせて少しでも熱を発生させ寒さを凌いでいた。
 牙王とカードを買いに来たのだが、先に用事を済ませたガイトは店外で牙王の用事が済むのを待っていた。
 空には分厚い曇天がぎっしりと詰まり、まだ日没には早いにも拘らずキャッスルの周囲の街灯が点灯し、周囲は闇に満たされつつある。
「待たせたなっ、ガイト!」ポン、とガイトは肩を叩かれ、振り返るとご機嫌の牙王の顔が有った。「さっ、帰ろうぜ!」
 ガイトはコクンと頷き、颯爽と歩き出そうとしたが、突然手を掴まれて仰け反りそうになった。
「何をする……?」
 怪訝に振り返ると、牙王が躊躇無くガイトの手を握り締めた。
「ガイトの手、すげぇ冷たいな」ニギニギとガイトの手の感触を確かめるように握る牙王。「手袋、しないのか?」
「……必要無い」素っ気無く返し、「それに、俺の手は元から冷たい。心が氷のように凍った人間だからな」自嘲気味に鼻で笑うガイト。
「そうかぁ? 俺は、手の冷たい人は、心が温かい人だって聞いてるけどな」ガイトの反応など意に介さずに、ひたすら彼の手を握り続ける牙王。「じゃ、帰るか」
「……待て、俺の手を離してから歩け」牙王が手を握ったまま歩き出したため、引っ張られる形で歩き出すガイト。「冷たい手を握ってたら、お前まで冷たくなるだろ、離せ」
「俺の手、温かいだろ?」へへっ、とはにかむ牙王。「ガイトの手、温めてやるからさ、今日は手ぇ繋いで帰ろうぜ」
「何を言って……」
 返答など待たずに歩を重ねる牙王に、溜め息交じりに諦観を懐いたガイトだったが、握られた手が確かに温かい事に、妙な感慨を覚えた。
 牙王の手は、太陽の手だ。ポカポカと、温度的な温かさも確かに有るが、心が満たされるような温もりを、一緒に感じる。
 手を繋いで帰路に立つなど……と、恥ずかしさは確かに有ったが、誰も見ていない今だけなら……と、ガイトも満更ではない風に、牙王の隣を歩くのだった。
 願わくは、この手が自身の闇に染まらず、太陽の温もりのまま、ずっと触れていられるように――と、密かに願いながら。
 笑い掛けながら楽しそうに隣を歩く牙王に、ガイトは気恥ずかしそうな微笑を返すのだった。
 ――その姿を爆とくぐるに目撃されていた事を知って散々からかわれる事になるのは、翌日の事になる。

【後書】
まさか牙ガイをリクエストされるとは思わず!w ザックリ浮かんだネタをサックリしたためてみましたぞい!┗(^ω^)┛
こう、まんまイメージだけで「ガイト君は手が冷たい」&「牙王君は手が温かい」から連想した妄想の掌編になります(^ω^)
こう、何ですか。このくらいの歳の子が、わちゃわちゃ手を握り合うのって尊くない…???
と言う訳でリクエスト有り難う御座いました!w 牙ガイはいいぞ!w

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