2019年4月13日土曜日

【艦娘といっしょ!】第27話 明石といっしょ!【艦これ二次小説】

■あらすじ
ちょっと頭のおかしい提督と艦娘達の日常生活を切り抜いた短編集です。
※注意※2017/07/10に掲載された文章の再掲です。本文は修正して、新規で後書を追加しております。

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【ハーメルン】、【Pixiv】の三ヶ所で多重投稿されております。

■キーワード
艦これ 艦隊これくしょん コメディ ギャグ 明石 金剛


【ハーメルン】https://syosetu.org/novel/68881/
【Pixiv】https://www.pixiv.net/series.php?id=627932
■第27話

第27話 明石といっしょ!


「提督も……少し修理した方が良いみたいですね」

 執務室にて執務に励んでいた提督に、ぼんやりとソファに腰掛け頬杖を突いていた明石が声を掛けた。
「ん? どういう意味?」不思議そうに尋ねる提督。「あっ、そろそろ私の装甲剥がれてきてる?」
「提督は艦娘ではないでしょう!? 何ですか装甲剥がれてきてるって!?」思わずソファから転げ落ちそうになる明石。「その頭ですよ! 提督の頭!!」
「何だよそれならそうと言ってくれよ~」朗らかな微笑を浮かべて明石を見やる提督。「このアフロの手入れをしたかったんだな?」
「その提督の頭の中身の事ですよー!!」バキィッとスパナで提督の頭を殴りつける明石。
「いや、ちょっと待って明石さん。スパナは不味くない?」頭部からモリモリ流血しながら明石に対して制止のポーズを取る提督。「ほら、絵面的にだいぶヤヴァいって。これガチで殺しに来てる奴だよ下手すると」
「そ、そうですね、スパナはやり過ぎでしたね、済みません……」血を綺麗に拭き取って工具箱にスパナを戻す明石。「てかそれ! それですよ! 提督はちょっと危機感足りな過ぎだと思うんです!!」
「危機感んん? 私は危機感の塊だよ? ほぼ毎日のように艦娘の主砲だの魚雷だの爆撃機だの喰らってるんだから、危機感なんて有り余ってるくらいだよ」何を言ってるの? と小首を傾げる提督。
「……提督、いいですか? よく聞いてください」すぅ、と気合いを取り込む明石。「普通の提督は、艦娘に攻撃されたら死にます」
「いやいや、まさかまさか」HAHAHA、とフランクに笑む提督。
「いやいや、今しがた起こった惨劇をもうお忘れですか? 提督、スパナで殴られたんですよ? 普通致命傷ですよ? こんなヘラヘラした態度でいられませんって」
 提督は指を組み、瞑目した。
「……そうなの?」
「そうですよ! 寧ろ今まで何の疑問も無く過ごしていた提督に感服する程ですよ! もしかして提督って人間じゃないんですか!?」
 ぜぃぜぃと肩で息をするほどに大声を張り上げた明石の前で、提督は目を開けた。
「私は人間だよ? ちょっぴり頑丈なだけの、至って普通の人間さ!」ニッコリ笑顔の提督。
「提督の“ちょっぴり”は全く以て信用ならないんですが……」呆れ果てた様子の明石。「寧ろそれだけ頑丈なら提督が艤装担いで出撃した方がいいんじゃないかと具申したいんですが……」
「やだよめんどくさい」露骨に嫌そうな顔をする提督。
「……」無言のまま金槌で提督の顔を殴打する明石。
「やめよう? この話はやめよう?? 明石さんが完全に狂気の沙汰に陥ってしまうからこの話はやめよう?? そして私の頭部が完全に破壊されちゃうから取り敢えずその金槌を置くんだ、いいね?」
「……提督、一度その体バラしてみませんか?」金槌を工具箱に戻しながら尋ねる明石。
「君もとんでもねー事をサラリと言うね!? 私は艦娘じゃないんだよ!? 人間!! こう見えて人間と人間の間に生まれた類い稀なる人間のサラブレッドだからね私!!」
「自分で装甲が剥がれてきてるとか言ってたのに!」思わずツッコミを返す明石。「済みません、私もちょっと悪乗りしました。あのですね、提督が普段ボロ雑巾のように艦娘にズタズタにされてるのを見かねて、ちょっと修理……もとい、マッサージとかしてあげようかなって」照れてるのか、若干そっぽを向いて呟く明石。
「マッサージとか出来るのか明石さんは! すげぇな!」瞳を輝かせて立ち上がる提督。「それは是非やって頂きたいね! 自覚は無いけど、すげー疲労感溜まってる気がするし!」
「任せてください! 提督の疲労を完膚なきまでに取り除いてみせますよ!」快活な笑顔を覗かせて提督の背後に回る明石。「えーと、ではまず、肩凝りに効くツボを指圧してみますね! えいっ!」
 ぽきんっ、と軽やかな音がして提督の肩が落下した。
「ぴゃああああッッ!!」聞いた事の無い提督の絶叫が迸った。「肩ァァァァッッ!! 私の肩がァァァァッッ!!」
「次に背中の凝りに効くツボを指圧しますね! えいっ!」
 めきっ、と何かがへし折れる音がして提督の体がエビ反りになった。
「……ッ!! ……ッッ!!」最早声すら出ない様子の提督。
「じゃあ次は――」
 嬉々として提督のツボを突いていく明石を止める者は、残念ながら執務室に居合わせなかった。

◇◆◇◆◇

「Hey! カッシー? 提督が執務室の隅でぷるぷる震えたまま反応が無いのデスケドー? 何が遭ったんデスカー?」
 金剛が執務室にやって来た時には、提督は部屋の隅で震えるだけの置物と化し、明石がばつが悪そうにそれを眺めている姿が見られた。
「え、えーと……ご、ごめんね提督? ゆ、許して……?」
「カタカタ……カタカタ……」
 その後暫く提督は、元気が有り余っている割には艦娘の誰一人とも会話を交わさない、寡黙で勤勉な姿が見受けられたと言う。

【後書】
 いやー、こういうギャグコメディは正直最高です(笑)。
 アレですよ、少年誌より更にまだ年齢層が下の子が見るような漫画のギャグコメディって、今読んでも普通に笑える感性のわたくしですからね!w そりゃ最高だわね!ww
 と言う訳で明石さんでした。この子好きなんですけれどね、改修以外で運用した事が…(工作艦ですしね!w)。そんなこったで次回もお楽しみに~♪

0 件のコメント:

コメントを投稿

好意的なコメント以外は返信しない事が有ります、悪しからずご了承くださいませ~!