2019年5月3日金曜日

【艦娘といっしょ!】第30話 Bismarckといっしょ!【艦これ二次小説】

■あらすじ
ちょっと頭のおかしい提督と艦娘達の日常生活を切り抜いた短編集です。
※注意※2017/10/08に掲載された文章の再掲です。本文は修正して、新規で後書を追加しております。

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【ハーメルン】、【Pixiv】の三ヶ所で多重投稿されております。

■キーワード
艦これ 艦隊これくしょん コメディ ギャグ Bismarck


【ハーメルン】https://syosetu.org/novel/68881/
【Pixiv】https://www.pixiv.net/series.php?id=627932
■第30話

第30話 Bismarckといっしょ!


「――提督。貴方の艦隊は少し規律が緩んでいるようね。私が一から教えてあげるわ!」

 執務室で提督を睨み据えて宣言するビスマルクに、提督は執務の手を止めて彼女に向き直り、「ビスマルクもそう思っていたか……実は私もなんだ」と指を組み合わせて頷いた。
「あら、奇遇ね。てっきり貴方の事だから、規律に関してはノータッチなのかと思っていたけれど」若干驚きの表情を滲ませるビスマルク。「まぁいいわ、だったら私が――」
「いや、ビスマルクの手を煩わせるまでも無いよ」スッと手で制する提督。「これから規律を破った者には罰則を加える、それでいいかな?」と、朗らかな笑みを覗かせた。
「罰則……えぇ、構わないわ」いつに無く底の読めない雰囲気の提督に気圧されそうになるビスマルク。「具体的には、どんな罰則にするのかしら?」
「これから規律を破った者には、“提督万歳!”と言わせる事にしよう」
 真剣な表情で笑む提督に、ビスマルクは「なるほど……規律を破った者には、提督万歳と言わせ……る……?」段々と困惑の表情に移ろっていった。

◇◆◇◆◇

「こらー、廊下は走らない!」
 リベッチオと清霜が廊下を駆け抜けて行く場面に出くわしたビスマルクは、明石の叱責の声の後に続くであろう謎の光景を凝視する。
「あっ、スクーザミ!」リベッチオが咄嗟に頭を下げた後に、「じゃなかった! 提督万歳!」と諸手を挙げて笑った。
「提督万歳!」清霜も一緒に万歳している。
「うん、よし。もう行っていいよー」明石が二人の頭を撫でると、二人は笑い合いながらトコトコ廊下を歩いて行った。
「……」
 その様子を複雑な心境で見つめているビスマルクなのだった。

◇◆◇◆◇

「やーせーん! 夜戦したいのー!!」
 真夜中の艦娘寮で上がった川内の大声に、ビスマルクはぼんやりと目を覚ますと、苛立ちと共に注意に向かおうとした。と、遅れて「あっ、提督万歳!!」と言う大声が弾けてすぐに静かになった。
「……」
 頭が痛そうに廊下で立ち尽くすビスマルク。

◇◆◇◆◇

「寝坊したーっ! 提督万歳!」
「遅刻遅刻ーっ! 提督万歳!」
「提督ばんざああああいっ!!」
 早朝からそこここから提督万歳コールが聞こえてきて、ビスマルクは頭が痛そうに間宮でコーヒーを嗜んでいた。

◇◆◇◆◇

「提督……その、何て言えばいいのかしら……」
 執務室で、ビスマルクが複雑な表情で佇んでいる。
 提督は執務の手を止めて、「ん? どうしたの?」と不思議そうにビスマルクを見上げる。
「規律……緩んでるとかそんな話じゃなくなってきてる気もするのだけれど、実際規律が引き締まったようにも思えて、こう、何か、何て言うの……モダモダするのよ!」バンッ、と机を叩いて名状し難い想いを爆発させるビスマルク。「この艦隊の規律は、絶対どこかおかしい! おかしいけど、緩んでない!! だったら私はどうしたらいいの!?」
 激昂しているかのように息遣い荒く吼えるビスマルクを見上げて、提督はフッと微笑んだ。
「素直に言えばいいんだよ……提督万歳、って」
「提督……」
 憑き物が落ちたような表情で提督を見下ろすビスマルクは、清々しい気持ちで口を開いた。
「この私にそんな事を言わせるなんて、貴方も相当偉くなったものね?」
「あっ、何か済みません」ズサァッ、と咄嗟に土下座ダイブする提督。
「まぁいいわ。提督の腕は確認できたし」ふん、と腕を組んでそっぽを向くビスマルク。そして気恥ずかしげに咳払いすると、小声で、「て、ていとくばんざい……」と漏らした。
「ん? 今なんて?」
「~っ、煩いわね!! 早く今日の作戦を始めなさいよ!!」顔を紅潮させて提督を指差すビスマルク。
「えぇ……何で私逆ギレされてるの……」
 土下座した上に逆ギレされて、最早打つ手なしの提督なのだった。

【後書】
 提督万歳!!\(^o^)/
 と言う訳でビス子ちゃんでした。この、何と言いますか、モダモダ感が伝われば幸いです(笑)。
 ツンデレの申し子感有るビス子ちゃんの、「規律が緩んでるんじゃない?」的な台詞がね、印象的なのと、「もっと褒めてもいいのよ!」的な台詞が好き過ぎるんですね…! めっちゃなでこなでこしたい…!
 そんなこったでもう30話です。まだもう少しだけストックが有るのでね、もう暫く再掲話にお付き合い頂けますよう宜しくお願い申し上げます!(*- -)(*_ _)ペコリ

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