2019年5月10日金曜日

【艦娘といっしょ!】第31話 長門といっしょ!【艦これ二次小説】

■あらすじ
ちょっと頭のおかしい提督と艦娘達の日常生活を切り抜いた短編集です。
※注意※2017/12/15に掲載された文章の再掲です。本文は修正して、新規で後書を追加しております。

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【ハーメルン】、【Pixiv】の三ヶ所で多重投稿されております。

■キーワード
艦これ 艦隊これくしょん コメディ ギャグ Bismarck


【ハーメルン】https://syosetu.org/novel/68881/
【Pixiv】https://www.pixiv.net/series.php?id=627932
■第31話

第31話 長門といっしょ!


「提督よ。壁ドン、とやらを知っているか?」

 執務室で執務に明け暮れていた提督に、長門が声を振りかけた。
 提督が顔を上げると、期待で溢れ返った笑みを浮かべる長門の顔が視界に飛び込んできた。
「知ってるけど、何でそんなワクテカが止まらねえ的な顔をしてるの?」
「そうか!」笑みを弾けさせる長門。「いや、提督なら知っていると思っていたとも!」と腕を組んでうんうん頷き始めた。「是非それをな、私に試させて欲しいのだ」
「えっ、私が長門さんに壁ドンすればいいの?」満更でもない様子で立ち上がる提督。「私の方がドキドキしちゃう奴だよこれ」
「ん? あぁ、違う違う」手を小さく否と振る長門。「私が、提督に壁ドンしたいのだ」
「ぇえ……私が壁ドンされる側かぁ……」思わず狼狽える提督。「確かに、長門さんって男前だから、壁ドンする側かもね」
「それで、どうだろうか? 試してみてもいいだろうか?」瞳を輝かせて提督を見つめる長門。「是非提督で、壁ドンを試してみたいのだが……!」
「期待値上がりまくってるみたいだけど、そんなワクワクする感じの行為じゃないと思うんだけど……別にいいお」コックリ頷くと、提督は掛け時計の下――壁に背を向けて長門を見つめた。「はい、いつでもどうぞー」
「ん? もういいのか?」長門が不思議そうに提督を見つめる。
「ん? もういい、とは?」不思議そうに長門を見つめる提督。
「“逃げなくて”いいのか、――と、訊いているんだが」
 長門が、そう漏らした瞬間、提督の眼前に刹那に肉薄した長門の拳が、提督の右耳を破砕しながら、背後の壁を粉々に打ち砕いた。
 ガラガラと崩落する壁の音をBGMに、長門が極上の笑みを浮かべて、提督を見下ろしている。
「“逃げなくて”、いいのか?」
 ――――慄然たる感情が膨れ上がった提督は、次の瞬間、長門の脇を潜り抜けるように刃圏を脱出――全力疾走で射程圏からの離脱を試みる。
「――そう来なくては!」
 長門の嬉しそうな声に、提督は察した。
 ――あっ、これ長門さんに殺される奴だ。

◇◆◇◆◇

「司令官? 何してるです?」
 廊下を全力疾走している提督に、電が不思議そうに声を掛けた。
「電ちゃんんんんんっ! 助けて助けて! 長門さんに――――ッ」
 最後まで言い切る前に、提督の眼前を筋骨逞しい腕が遮り、廊下の壁を粉砕――視界を上げるまでも無く、そこには陶酔した笑みを浮かべた長門の姿が有った。
「ぴゃああああっ!」
 提督が奇声を上げて再び戦線離脱を試みて廊下を駆け抜けて行く。
 長門は「はっはっはー、待て待てー」と実に楽しそうに、廊下に足の形をした穴を穿ちながら、砲弾のように提督を追って行った。
 粉々になった廊下の壁を見つめたまま、暫く時間が止まっていた電だったが、やがていなくなった二人の方向に視線を向けると、大変なものが股間から溢れ出た。

◇◆◇◆◇

 二時間弱、鎮守府に阿鼻叫喚の連奏が弾けた後、粉々になった部屋の片隅で、白目を剥いて、股間をベシャベシャに濡らした、提督のようなものが見つかったらしい。
 序でに言うと、その半日後、“鎮守府では壁ドン禁止”と言うお達しが下されるのだが、それはまた別の話……

【後書】
 壁ドンの解釈違いが発生しました(笑)。
 長門さんって何と言いますか、天然な所が有ると思うんですよね…!w そこがまた可愛いと言いますか…!w
 こういうコメディも大好きなのでね、率先して綴っていきたいマンです…!

0 件のコメント:

コメントを投稿

好意的なコメント以外は返信しない事が有ります、悪しからずご了承くださいませ~!