2019年5月18日土曜日

【ベルの狩猟日記】101.ザレアのスーパー爆雷針教室【モンハン二次小説】

■あらすじ
守銭奴のベル、天然のフォアン、爆弾使いのザレアの三人が送る、テンヤワンヤの狩猟生活。コメディタッチなモンハン二次小説です。再々掲版です。

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【ハーメルン】、【風雅の戯賊領】、【Pixiv】の四ヶ所で多重投稿されております。

■キーワード
モンハン モンスターハンター コメディ ギャグ 二次小説 二次創作 P2G


【ハーメルン】https://syosetu.org/novel/135726/
【Pixiv】https://www.pixiv.net/novel/series/339079
■第101話

101.ザレアのスーパー爆雷針教室


「はぁ、はぁ……ここ、は……はぁ、あの大きな木の根元、みたいね……はぁ、」
 狩場であるハゥエット樹海を散策していた――と言うかザレアの暴走に追い縋る形で走り回っていたベルは、雨が降らないエリアで膝を突いて呼気を整えるように胸に手を当てる。
「それにしてもザレアの順応性には目を瞠るばかりだな」そう言ってベルの隣で胡坐を掻くフォアン。
「ホントにね……」やっと気息が落ち着いてきたベルは、ふぅ、と吐息を落としてその場に胡坐を掻く。「現地調達の達人だわ」
「そ、そんにゃ事にゃいにゃよ~♪」にゃーにゃー言いながら〈アイルーフェイク〉を掻き始めるザレア。「師匠は狩場で生活するハンターにゃ。オイラも修行中はずっと狩場にいたから……これくらいは朝飯前に出来にゃいと、師匠の面目丸潰れにゃっ!」
「……うん、まぁ、あの師匠にこの弟子あり、よね……」遠い目でベル。
「それじゃー、採取してきた材料を取り敢えず見てみようぜ」
 ザレアに付き添って採取してきた代物をざっと並べてみる。洞窟の隅の方で草を食んでいる草食竜――アプトノスはキョトンとした面持ちでこちらを覗っていた。
「えーと……虫の死骸、ツタの葉、薬草、謎の骨に棒状の骨、小さな竜骨、クモの巣、ミミズにカエル、砥石でしょ、後は……石ころか」一つ一つ指差し確認していくベル。「こんなんで爆雷針なんて作れるの?」無理じゃない? と疑問を投じる。
「にゃ~ん、これだけじゃまだ作れにゃいにゃー」言いながら素材を選別していくザレア。「にゃにゃ~んっと、まずはツタの葉とクモの巣を調合するのにゃ!」
 コネコネと調合を始めるザレア。それをジッと見守るベルとフォアン。
「にゃにゃーんっ、出来たのにゃ! ネットにゃ!」ポーズを決めて完成したネットを掲げるザレア。
「ネ、ネット……? 爆雷針からえらく遠ざかったような気がするんだけど……」何でネットを作ったの? と言いたげなベル。
「お次はこのネットと、小さな竜骨を……コネコネ……出来たにゃ! 虫あみだにゃっ!」簡素な作りだが、ザレアの手に有るそれは確かに虫あみだった。
「ぉおー!」思わず拍手してしまうベル。「……って、虫あみ……? 爆雷針はどこに行ったの……?」意味が分からないと小首を傾げてしまう。
「――なるほどな」そこで早くも得心したようにポン、と手を打つフォアン。「流石ザレアだ、よく考えてるなー」
「にゃへへっ、そっ、そんにゃ事にゃいにゃっ」照れて〈アイルーフェイク〉がにやけたように見えるザレア。
「? え、どういう事? あたしだけ置いてけぼり喰らってるんだけど……」イマイチ呑み込めずに戸惑うベル。
「――じゃあ、ベルに問題を一つ」ぴっ、と人差し指を立てるフォアン。「爆雷針の調合素材は分かるか?」
「えー……っとぉ……」頭を抱えて唸り出すベル。「“ハレツアロワナ”って魚と、“雷光虫”って虫だったかしら? ――ぁあ!!」そこでようやく得心が行ったベルは、思わず両手を打ち鳴らす。「その虫あみで雷光虫を捕まえる訳ねっ!?」
「大正解にゃっ!!」ビシィッとベルを指差すザレア。
「後はここに有るミミズと、虫あみで捕まえられるかも知れないフィーバエを使って、ハレツアロワナを釣るだけ。その後は調合するだけだからな。まさか現地調達で爆雷針が出来るとは思わなかったぜ」
 感心しきりと言った様子のフォアンに、ベルも「あたしも思わなかったわ……」と同じく腕を組んでうんうん頷いてしまう。
「ザレアって、本当に爆弾の事になると天才なのねぇ……」シミジミと呟くベル。
「そんにゃっ、褒めたって何も出にゃいにゃよっ!」〈アイルーフェイク〉の頬が赤くなった気がするザレア。
「いや、今の皮肉のつもりだったんだけど……」苦笑を滲ませるベル。「……まあいいや。よしっ、それじゃ早速虫捕りと釣りに行きましょっ?」腕まくりをしてやる気満々な仕草をする。
「にゃにゃっ」やる気に満ちているベルを見て、ザレアが戸惑うように慌てだす。「そんにゃっ、手伝って貰うにゃんて……オイラが爆雷針を作ってる間に、依頼人を探して来て欲しいにゃっ!」
 ザレアの申し出に、ベルはフォアンと顔を合わせる。それから微苦笑を浮かべて、ザレアに向き直った。
「なーに水臭い事言ってんのよっ? あたし達はチームなんだから、ザレアが困ってるなら全力で手伝いに行くわよっ? あんたが断っても、ねっ♪」人差し指を立てて微笑を滲ませるベル。
「前に言っただろ? 困ってる奴がいたら納得行くまで助けるって」フッと微笑を浮かべるフォアン。
 二人のハンターの返答に、ザレアの〈アイルーフェイク〉の瞳の部分がウルウルし始めた――ように見える。そのウルウルを拭うように右腕で乱暴に〈アイルーフェイク〉の瞳の部分を擦ると、ザレアはピョンッと飛び跳ねた。
「――ありがとにゃっ! オイラ嬉しくて嬉しくて……嬉し過ぎるから、爆雷針を大量に作って、樹海を爆雷針の海にするにゃ!」意気揚々と駆け出すザレア。
「嬉しくてもそれだけはやっちゃダメよザレアァァァァ!?」全力でザレアを追い駆けるベル。
「爆雷針の海か。新しい観光名所になりそうだな」うんうんと頷きながら二人を追い駆けるフォアン。
「新しい地獄としてしか有名にならないわよッ!! 何であっちもこっちも落雷するような場所が観光名所になるのよ!?」喚き散らしながら全力疾走のベル。「てか何でこういう時に限ってあの爆弾娘は俊足なのッ!? 〈ランナー〉のスキルでも付いてるの!?」
「落雷を的確にツボに落とすと痛気持ち良いとか。或いは滝に打たれる修行が有るんだから、雷に打たれる修行も有って良いと思うんだ」冷静に自分の意見を述べるフォアンだが、ベルの隣にぴったりと付くほどに足を全開で回している。
「どっちにしても死ぬわッッ!! 即死!! 雷を何だと思ってるのあんた!?」
 自然の音だけで澄んでいた樹海が、ベルの絶叫で掻き乱されていく。

【後書】
 と言う訳で本当に何も道具を持ち込まなくても、樹海に有る採取素材だけで爆雷針が作れてしまうんですね! いやー、モンハンってよくできてるなぁ!(シミジミ)
 今回はそんな感じで、今まではあんまり触れてこなかった採取のエピソードでもあります。採取もね、モンハンを語る上では切っても切り離せない要素ですからね! モンハンの物語を折角綴るのですから触れておかないとですよね!w
 そんなこったで次回は採取回? お楽しみに~♪

2 件のコメント:

  1. 更新お疲れ様ですvv

    いやぁ~ほんとよく出来てるw
    採取大事ですよね!特にレアな鉱石とか掘り当てると小躍りしたものですw
    ほったなぁ~ベリルw

    あのイベントをやるともう採取行きたくなくなるよなぁw
    小タル爆弾でとんで行ったりよくやったもんだよv

    てなわけで採取素材はもっぱらポイント交換なわたくしですvv

    「爆雷針の海か。新しい観光名所になりそうだな」ちがうそうじゃない…

    今回も楽しませて頂きましたー
    次回も楽しみにしてますよーvv

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    1. 感想有り難う御座います~!

      ね!w ほんとよく出来てるんですよこれ!w
      そうそうwwレアな鉱石が手に入った時の小躍りは分かり味が深いです!ww(笑)
      ベリルはもう思い出したくないぐらい掘りましたね…!(笑)

      ほんとそれww採取があそこまで過酷だとは思いませんでしたよね…!w

      ズルいぞ!wwワシもポイント交換で済ましたかった!ww

      相変わらずのフォアン君である!ww(笑)

      今回もお楽しみ頂けたようでとっても嬉しいです~!
      次回もぜひぜひお楽しみに~♪

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