【神否荘の困った悪党たち】第７１話 エキサイティング翻訳より酷い翻訳が来た！【オリジナル小説】

■あらすじ
頭が本能的に理解を拒んでるよ～～～。

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【カクヨム】の二ヶ所で多重投稿されております。

■キーワード
日常　コメディ　ギャグ　ほのぼの　ライトノベル　現代　男主人公


カクヨム■https://kakuyomu.jp/works/1177354054881797954
■第７１話

---

第７１話　エキサイティング翻訳より酷い翻訳が来た！


「あれ？　先輩、存兵衛ちゃんと何してるんですか？」

　夏服のセーラー服を纏った砂月ちゃんがトコトコやってきた。
「えぇと……眼球に……サインしてた……かな！」
　砂月ちゃんが露骨に嫌な顔をした。分かる。
「先輩、流石にそれはサイコパス過ぎますって……ドン引きです……」分かるだけに反論できないのが惨い。
「あいや失礼。某が所望した事であって、亞贄殿が惑溺に行った訳では御座らん」何を言ってるのかやっぱり分からない……
「あっ、そうなんですね。てっきり先輩がはぁはぁ……存兵衛ちゃん……眼球に、サササ、サインしても、いっ、良いかな……？　って迫ったのかと」砂月ちゃんの中の亞贄像が完全に異常者なんだなぁ……
「俺、砂月ちゃんにそんな風に見られていた事に今、果てしない絶望を感じてるよ……」こんな惨い事って無いよ……
「まぁまぁ、ともあれ先輩、存兵衛ちゃんと知り合ったのなら話は早いです！」ともあれで済まされちゃいけないと思うんだけどなぁ……「実は存兵衛ちゃん、漫画を描くんです！　それも凄い奴！」凄い漫画を描く人に凄い漫画を描く人って言われるこのプレッシャーだよ。
「砂月殿に誉めそやされるのは、やはり、こそばゆいで御座るな……」照れてるんだろうけど、血色が悪過ぎて体調悪いのかな……？　って感想しか浮かばない……「然り。某も潤筆に沈潜している身でな。砂月殿はその道に於ける宿学である身、教導を仰ぐには御仁しかあるまいと至るのは自明であろう」
「えぇと……砂月ちゃん砂月ちゃん」コソコソと耳打ちするよ！「砂月ちゃんはその、存兵衛ちゃんが何を言ってるか分かるの？？」どう考えても現代日本で使われる語録じゃないよこれ。
「分かりますよ？　漫画を描く上で必須のスキルですからね！」意識高い……！「ただ、一瞬考えないと何を言ってるのか分からないので、即答できないんですよね」だよね……！
「えーと、今、何て言ったか分かる？」ひそひそ尋ねるよ！
「どの辺ですか？」ひそひそ返す砂月ちゃん。
「えぇと……然り。某もうんたら……って辺りから」
「あーと、アレです。そうだよ～、私もね～ジュンッ、ピツ！　にチン！　セン！　してる体だから、砂月姫はその道に置いてあるシュク！　ガク！　である体だから、協力を上見るには、五時しかないアルミ缶と痛いのは、耳鳴りだよ、って言ってましたね」エキサイティング翻訳より酷い翻訳が来た！
「えぇーーーよくそれで今まで話通じてたね砂月ちゃーん」俺の頭が理解不能の信号でしっちゃかめっちゃかだ。「日本語を英語に訳してまた日本語に訳したレヴェルの理解不能文章だったよ今の～～～」頭が本能的に理解を拒んでるよ～～～。
「大丈夫ですって、今ので何と無く分かったでしょ？　存兵衛ちゃんの言いたい事！」ニコッと爽やかに笑うサイコパスちゃんだよこれ。
「なんとなく……？」寧ろ分かる部分有ったか今の文章に……？「ジュン！　ピツ！　ってどういう意味なの……？」
「そりゃー……ジュン！　って感じの、ピツでしょう」本当に日本人なのこの人……
「ふんわり仕様のメイちゃんよりふわふわだこれ……」話がまるで進まない。
「……ごめんだけど、もしかして某、めっちゃ面倒に思われてたりしない？　ごめんね？　某、武士系の喋りにハマってて、ついつい畏まり放題な喋り方しちゃうんだけど、普通の方が良い？」
　存兵衛ちゃんが困った風に頭を下げてるのを見て、俺は爽やかに微笑んだ。
「普通の方が良いです―――――」
　寧ろ何で今まで普通を隠し通してたんだ―――――と、俺は爽やかに微笑んだ。
　その後、お茶して帰って貰った。メイちゃんには後で何かお礼しないとだな……

---

【後書】
　絶対ふんわり仕様のメイちゃんよりヤバ味溢れる砂月ちゃん語録でした(笑)。
　こういう日本語を弄ぶ系の話ね～大好きなんだ…何だろう、日本人より日本語堪能だ！　って人の日本語を似非和訳してお前は何を言ってるんだ…って解釈させるのがね、最高に好きなんだ…(性癖暴露マスィーン日逆)
　と言う訳で存兵衛ちゃんのお話はここまでです。次回はまだ一日が終わりません。夏場って、アレが湧くよね…ってお話です。お楽しみに！ｗ