2019年7月7日日曜日

【神否荘の困った悪党たち】第69話 亞贄さんは肌色になりました【オリジナル小説】

■あらすじ
うそ、俺の名前“デミサクリファイス肌色”なの???

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【カクヨム】の二ヶ所で多重投稿されております。

■キーワード
日常 コメディ ギャグ ほのぼの ライトノベル 現代 男主人公


カクヨム■https://kakuyomu.jp/works/1177354054881797954
■第69話

第69話 亞贄さんは肌色になりました


「亞贄さんには今日、俺達の普段の生活を体感して欲しくて」

 田中さんがえへへ、と可愛らしく笑うので俺も釣られてえへへ、と笑い「普段の生活って言うと、田中さん達って普段何してるんですか?」とへらへら返してしまった。
「分かり易く言うと、大体世界救ってますね」雑過ぎるぅ……
「ど、どうやって世界を救ってるんです??」頑張って食い下がってみるよ!
「そりゃー、まぁ、何かアレですよ、頑張って……かな!」田中さんから何も情報が出てこないぞう。
「えーと、それで俺は何をしたらいいんですかね……?」頑張ればいいの??
「取り敢えずこれに着替えてください」と、何かを手渡された。
「これは??」肌色に見えるけども。
「ジャスティス戦隊、ツーホージャーの戦闘服です!」戦隊モノ!「亞贄さんは肌色になりました」なんで???
「えぇ……レッドにしてとまでは言わないけど、戦隊モノで肌色って有るかな……」何かキワモノ感しゅごいぞ……
「因みに俺がエキサイティングマシーンパープルです」シュバッと言う音と共に紫色の戦闘服に着替える田中さん。
「そして俺がぷぎゅるブラウンです」シュバッと言う音と共に茶色の戦闘服に着替える後藤さん。
「最後に俺がもっこり丸グレイです」シュバッと言う音と共に灰色の戦闘服に着替える吉田さん。
「……配色どうにかならなかったのかな……」本音駄々漏れの俺だった。

◇◆◇◆◇

「うわぁー、これは恥ずかしいなぁ……」
 肌色の戦闘服ってこれもう全裸で街を歩いているのと変わらないよこれ。
 そう思いながら呟いたのだけれど、前を行く先輩戦隊達は苦笑を交えながら「初めはそんなもんですって」「俺達も初めは恥ずかしかったですよ~」「そうそう、何事も慣れですから」と突然真人間みたいな発言を返してくれた。
「あっ、レーダーに反応アリ!」エキサイティングマシーンパープルが自分の股間を指し示して叫んだ。「近くに敵性反応アリ!」まさかの股間にレーダー機能が有るのこの人???
「ちょっと待ってちょっと待って」息切れしそうだ。「田中さ……じゃなかった、エキサイティングマシーンパープルさん、もしかして股間にレーダーが有るんですか?」
「えっ? そうですが何か?」エキサイティングマシーンパープルの股間がピコピコ音を立てながら光を放っている。「皆さん、気を付けてください……ここはもう既に戦地ですよ……!」俺の危機意識が働いてくれない。
「戦地って……」俺は三人に従って町内を散策してるだけの気持ちなんだけれど、三人がしゅごい警戒心バリバリで辺りを見回している。「閑静な住宅街の只中に、その、敵がいるんです??」雀の平和そうな鳴き声が遠くから聞こえてくるよ??
「間違いないです……俺のレーダーが反応してますから」股間を主張するエキサイティングマシーンパープルは変態以外の何物でもない。
「!! エキサイティングマシーンパープル! アレを!!」
 ぷぎゅるブラウンが不思議な決めポーズで指差した先には、見覚えの有るおっさんが佇んでいた。あれって今朝投石被害に遭ったおっさんでは??
「出たなマモって! ノンスタイル! 略して、マモノン!!」ぷぎゅるブラウンの決めポーズが人体構造的に随所が複雑骨折してて正視できない奴だ。
「えっ、マモノンってその……知ってるんですか??」ラヴファイヤー君の説明を聞く限りではソシャゲの中から飛び出してきた、確かに悪い奴らしいけども……
「勿論ですよ。マモノンは世界侵略を企む魔性のモノ……生かしてはおけません。嬲り殺しにします」ただ禿げただけのおっさんを嬲り殺しちゃうのかよぉ……
「そそそそこまでしないといけない奴なんです??」投石被害に遭うだけに留まらず、嬲り殺しに遭うとか、俺もう正義が何か分からなくなるよ。「えーと、何でしたっけ。髪の毛が爆発するとか何とかでしたっけ?」
「えっ? そうなんですか?」もっこり丸グレイが反復横跳びしながら応じるのやめてほしい。「マモノンの生態に詳しいんですねデミサクリファイス肌色!」うそ、俺の名前“デミサクリファイス肌色”なの???
「えーと、その、アレです、ラヴファイヤー君から聞きまして」
「ラヴファイヤー……! それはあの魔族(株)の社長の、あのラヴファイヤーさんですか!?」ラヴファイヤー君の会社名が突然のカミングアウトした上に社名ダイレクト過ぎるでしょ……「であるなら納得です。彼はマモノン退治の第一人者ですからね!」魔族(株)がマモノン退治してる事に違和感が無いのかこの人……
「待って、俺の頭が蒸発しそう」主にダイレクト過ぎる情報に因って。「えぇと、マモノンは悪い奴で、ジャスティス戦隊が退治する奴なんですか??」ふわふわ過ぎる。
「そうですね、マモノンと分かればまずは四肢をもいで、塩漬けにして退治します」いつの時代の拷問を行うつもりなんだこの人……
「ほ、他に退治の方法って無いんですか……?」そんなの目の当たりにしたらトラウマ必至だよ俺……
「他はそうですね……めっ! って言いながら腕を人差し指と中指で叩いたりとかですかね」退治の落差激し過ぎるぅ!!
「こ、今回はそれで行きませんか??」退治とは、って感じだけど、目に優しい奴が良い。
「デミサクリファイス肌色がそう言うのならそうしましょうか」ぷぎゅるブラウンが決めポーズから帰ってこないんだけど、もしかして複雑骨折したまま骨格が元に戻らない奴なんだろうか。「エキサイティングマシーンパープル! やりますよ!!」
「任せてちょんまげ!!」古語を使い始めたぞエキサイティングマシーンパープル!「てやーっ!」エキサイティングマシーンパープルがマモノンの、えぇと、何だっけ、ハゲ野郎……だっけ……に飛び掛かった!!
「な、何ですか?」ハゲ野郎……って言い方はアレだからおっさん。おっさんにしよう。おっさんが戸惑いの極地でエキサイティングマシーンパープルを見てる!
「そのう、あなた、もしやマモノンではありませんか?」ぺこぺこと態度が低いエキサイティングマシーンパープル!「正直に答えてください。正直に答えないと四肢をもぎます」こんな尋ね方されて正気を保てる一般人いるのかな……
「えぇ……ち、違いますけど……」おっさんが青褪めた様子でボソボソと応じた。
「そうですか……」スッと姿勢を正すエキサイティングマシーンパープル。「あなたからハゲ野郎の気配を察したのですが……失礼しました。早く消えろ」“失礼しました”って言う割には礼儀が欠片も感じられないぞこの正義の味方。
「な、何なんですか……」怯えた様子でおっさんが逃げて行った。
「……」気まずい空気の中で、俺は懸命に意識を整えて、尋ねた。「違ってた……んですかね?」
「まぁ、こういう事は多々有ります。大体活動の八割はこんな感じですから」ぷぎゅるブラウンが複雑骨折したままとんでもねーカミングアウトしてくれた。
「……」
 正義の味方廃業した方が良いんじゃないかな……

【後書】
 雑of雑の戦隊モノ要素を取り入れましたが、自分でお腹抱えてます(笑)。しかもまさかのおっさん続投だよ!w
 と言う訳で今回でこの三人組編はおしまいです。次回は更に新キャラ登場で、亞贄君の周囲がどんどんカオスに…! いや元からカオスだったか!ww お楽しみに~♪

2 件のコメント:

  1. 更新お疲れ様ですvv

    なんていうかこれぞ「神否荘」って感じの回ですねw
    とても処理しきれない情報量と本人たちはいたって真面目なナチュラルボケ、そしてちょっと控えめなツッコミw
    お腹抱えるなと言う方が無理ゲーですねw

    そう!元からカオス!!ちょっとやそっとじゃ驚かないっっっ(フラグ

    今回も楽しませて頂きましたー
    次回も楽しみにしてますよーvv

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    1. 感想有り難う御座います~!

      ですですww まさしくこれこそ「神否荘」って感じを味わって頂けて、とってもほっこりしておりまする!(笑)
      そうそうwwwその要素こそがね、神否荘らしいかなーと!ww
      そうしてお腹抱えて頂けている事こそが至上の喜びです…!w 有り難う御座います!!(*- -)(*_ _)ペコリ

      フラグゥーッ!ww この物語はその辺モリモリ天元突破して参りますからね!ww ガンガン突き抜けて参りますよう!www

      今回もお楽しみ頂けたようでとっても嬉しいです~!
      次回もぜひぜひお楽しみに~♪

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