2019年8月8日木曜日

【FGO腐向けSS】05話「貴様の心臓譲り受ける!」【エミクー】

■あらすじ
クー・フーリンがエミヤと戦う奴。

■キーワード
腐向け エミクー エミヤ クー・フーリン FGO

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【pixiv】の二ヶ所で多重投稿されております。

Pixiv■https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=11502045


05話「貴様の心臓譲り受ける!」

「ランサー、少し良いか?」
一任務を終えて一服していたクー・フーリンの頭上からエミヤの声が掛かった。
クー・フーリンは露骨に嫌な顔をして「何だよ……俺今休憩中なんだが?」と不服そうに振り返る。
「戦闘シミュレーションに付き合ってくれ」
「いやだから俺休憩中……」
「まさか君は休憩中だからと言って私の申し出を断るつもりなのか?」
「そう言ってんだよ!! 悟れよ!! お前は人の心をどこに置いて来てんだ!!」カンカンのクー・フーリン。
「まさかな。アイルランドの光の御子が私の申し出を断る訳が無い」
「アイルランドの光の御子を無理矢理引き合いに出すんじゃねえよ!! お前アイルランドとまるで関係ねえ英霊だろ!!」
「と言う訳でほんの五時間ほど体を貸せ。何、終わったら帰って良い」
「ほんのって時間じゃねーし終わったらそりゃ帰るわ!! 俺もしかして戦闘シミュレーション終わっても帰らない奴と思われてんの!? つーか行く気もしねーわ!! お前が帰れ!!」

◇◆◇◆◇

「と言う訳で今日も頼むぞランサー」
戦闘シミュレーションを起動したエミヤに、クー・フーリンは物言いたげな顔で溜め息を吐き散らした。
「ったく……何だって俺がアーチャーの修練に付き合わなきゃならねえんだっつーの……」
「今日も一発頼むぞゲイ・ボルグ」グッとサムズアップするエミヤ。
「そんなホイホイ打たせんじゃねえよ!! 宝具だぞ!? お前宝具何発耐える気なんだよ!? 心臓幾つあんのお前!?!?!」
「浅はかだなランサー。私の投影魔術をもってすれば心臓の一つや二つ」
「お前の体の中やべーな……魔人柱が可愛く思えるレヴェルだぜ……」
「乳繰り合いはこの辺にして、戦闘を始めるぞランサー」
「言い方どうにかならなかったかテメエ??」
「トレースオン!」エミヤが即詠唱した。「掛かってこいランサー、もう既に私は昂っているぞ!」
「言い方が一々気に入らねえが……仕方ねえ、即英霊の座に還してやんよ!」クルッと朱槍を回転させるクー・フーリン。「あらよっと!」
上段からの叩きつけに、エミヤは干将・莫邪で軌道を逸らし、即応――斬撃の白雨を降らす。
多段で降り注がれる斬撃に対しクー・フーリンは落ち着いた所作で全て迎撃――間隙を縫うようにエミヤの胴を貫通せんと鋒を閃かせるが、エミヤの心眼を以てすれば回避など容易く、両者共に決め手に欠ける展開が続く。
仕切り直しだと言わんばかりにクー・フーリンが横薙ぎに朱槍を振るうと、エミヤも応じるようにバックステップを踏んで距離を取る。
「アーチャーよ、お前弓兵の分際で白兵戦しか踏まねえたァどういう了見だ? 俺の間合いで戦い続けるのには相応の理由が有るんだろうな?」ゲイ・ボルグを肩に乗せてイラついた声を投げるクー・フーリン。「内容次第によっちゃ一撃で決めるぜ?」
「矢避けの加護、と言う厄介な祝福が貴様には有るだろう、ランサー」干将・莫邪を構えたままふてぶてしく笑むエミヤ。「俺の射撃は悉く意味を為さない事が分かっているのに、そんな無駄な手順を踏む必要が有るか?」
ニヤリ、とクー・フーリンが猛々しく笑むと、「良かったぜ、テメエがその辺の魯鈍とは違うって分かってよ」と改めて白兵戦に臨もうとして、エミヤが手で制しているのを見て、動きを止める。
「と言うのは建前で、ランサーの飛び散る汗を間近で感じたくてな」
間。
「………………その心臓貰い受ける!!」ゲイ・ボルグが紅く輝いた!「ゲイ・ボルグ!!」
回避不能の必中宝具を受け、エミヤの心臓が爆散して戦闘シミュレーションが終了を告げた。
「しっかし、何だってテメエは俺とばっっっっかり戦闘シミュレーションしやがるんだ? 流石に飽きてきたぞ手前の相手は」
クー・フーリンが呆れ果てた様子で心臓が爆散したエミヤを助け起こすと、彼は至って冷静な表情で、「ああ、その事か」と小さく微笑んだ。
「ゲイ・ボルグで心臓が爆散する瞬間が、あぁ、俺生きてる! って感じがするのでな……」
「……」クー・フーリンは暫くエミヤを恐怖に満ちた顔で見つめた後、「……お前気持ち悪いな……」と目を逸らすのだった。

【後書】
二日連続でエミクー短編をお届け致します(´▽`*)
クフニキが良い感じでツッコミ役になるのが最高に楽しい奴でした(笑)。なぜかエミクーを綴るとウチのエミヤさんがサイコパスになるの止められないな…!ww
もし何事も無ければ次回はめちゃんこ短い掌編をお届けする予定です! お楽しみに~♪

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