■あらすじ
「ねぇねぇにーくん、妖精バトルしない?」
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■キーワード
日常 コメディ ギャグ ほのぼの ライトノベル 現代 男主人公
カクヨム■https://kakuyomu.jp/works/1177354054881797954
■第73話
第73話 妖精バトルしようぜ!
「に、ぃ、くぅ~ん」
夜中に耳元でシンさんの声が聞こえたら、猫撫で声が聞こえたら、それはもう死しかないよね。
一瞬で覚醒した上に冷や汗がヤバくて何か疲れがヤバい。
もぞもぞ起きようとしたら目の前にシンさんの顔が有った。
「うおえええ」もう訳の分からない声が出た。
「おい。おい何だその反応は。もっと初々しい反応できないのか。ん?」酒臭いんだよぉ……
「何々何ですかシンさん酒くさぁぁぁぁい!」俺の魂が削げ落ちていくんじゃぁ~。「ヤメテー俺の貞操を奪うのはヤメテー」
「ったく、つまらない奴だなー全く」ぷんぷんとお怒りの声を発しながら俺の上から退いてくれた。ほっ……「次は寝てる間に奪っとくか……」最早安眠できる場所ではなくなった……
「そ、それで……何の用ですか?」ゆっくり距離を取るよ……「俺、食べても美味しくないですよ……」
「いやー、人間であれば大体頬肉って美味しいんだよ? じゃなくて、」置いといて、のポージングをするシンさんだ。「にーくんあれでしょ? 妖精ゲットしたんでしょ?」
「え? あぁ、そこにいますけど……」
部屋の灯りを点け直して、机の隅に置かれた虫かごを見せる。
虫かごの中の妖精さん達は今、寝袋の中でスピスピ寝息を立てていた。おっさんだけど、こう見ると何か……可愛いな。
「おー、程々に弱そうな妖精だな……」しげしげと捕まえた妖精さんを見てる……「ねぇねぇにーくん、妖精バトルしない?」何だって??
「妖精バトル??」
「名の通り、妖精を戦わせる遊びだよぉ。ほらアレだよ、ポケットなモンスターもさ、捕まえたら殺し合わせるでしょ? あれあれ」そんな過激なゲームだったかな……
「確か、カブトムシとかクワガタって捕まえたら戦わせたりするんですよね、確か」あんまり知らんーけーどー。「てかこの妖精さん戦わせたらあれじゃないですか? ガチ戦争モノになりませんか??」銃とか持ってるけど。あと戦闘機。
「それが面白いんだろ~? まぁまぁ物は試しだ。早速あたしと戦おう。なぁに心配はいらないよ、一方的な虐殺が始まるだけだから」不安しかない奴だ。
「えぇ……てか泣き疲れて寝たところなんで、今起こしたくないんですけお……」
「よし、起こしてあげよう」こいつは悪魔だ、そうに違いない。「へいへいへーい! 起きろ妖精妖精ようせーい!!」そして近所迷惑!!
「!!! 総員起床~!! 総員起床~!! 敵発見敵発見!!」「うわあああ!! 敵襲ゥーッ!! 敵襲ゥーッ!!」「アババババ!!」「ぴゃーっ!!」あああ途端に喧しく……
「聞け!! そこの妖精共!!」ビシィッとシンさんが妖精さんを指差した!!「これより軍事訓練を開始する! 戦闘準備ィーッ!!」
「「「「「!!!」」」」」妖精さん達が雷に打たれたように直立不動になったかと思いきや、「総員! 戦闘準備ィーッ!!」「「「「ウオオオオーッ!!」」」」とテキパキ戦闘準備を始めた。
「シンさん、妖精さんの扱い上手いですね……」俺ビックリ。「これは軍事訓練……じゃなかった、妖精バトルもヤバそうなワザマエの予感ですよ……!」絶対に嬲り殺しに遭う奴……!
「ん? うえっへっへっへっ……」しゅごい悪い顔してやがる……「まぁまぁ見てなよ、妖精バトルがどんな感じかさぁ……ぐへへ」弱いものをいたぶる目なんだよなぁ……
「戦闘配備、付きました!」小林隊長が敬礼してる。「軍事訓練の準備、万端であります!」
「ご苦労! ではこれより軍事訓練を開始する!」と言ってからシンさんが俺に向き直った。「にーくんトコの妖精さんって五人だけ? いや厳密に言えば、四人と戦闘機だけ?」
「えぇ、そうですけど」
「じゃあ五対五でやろっか。ちょっと待っててね」と言ってシンさんが俺の部屋を後にして、一分も経たずに虫かごと一緒に帰ってきた。「お待たせ~。よし、やろっか。ぐへへ」嫌な予感しかしない笑い声は止めてほしいなぁ……
シンさん曰く、虫かごを倒して、妖精さんが出られるようにしたら軍事訓練開始だそうだ。
俺はそっと虫かごを倒すと、小林隊長が「突撃ィーッ!!」と檄を飛ばして果敢に虫かごから飛び出して行った! 続けざまに佐々木さん達も「ウオオオオーッ!」と駆け込んで行く!!
対するシンさんの虫かごから出てきたのは、出てきたのは……何だこれ……火炎放射器を持った、重装歩兵だこれ……
「うわあああ!」小林隊長が燃えてる!「「「「うわあああ!」」」」戦闘機も佐々木さん達も皆燃えてる!!「うわあああ!」俺はあまりの惨状に叫んでる!!
ぷすぷすと真っ黒になった妖精さんを見て、俺は魂が抜けそうだった。
「ぐふ、ぐひひひ……いやぁー、楽しかった楽しかった……やっぱさぁ、無知な弱者をさぁ、嬲り殺すのってさぁ……堪らないよねぇ……?」
散々笑い転げて部屋を後にするシンさんを見送り、俺は黒焦げになった妖精さんを虫かごに戻したまま、呆然自失の態だったよね。
「……む、無念……」小林隊長が呟きながら立ち上がった!「総員、反省会をするぞ!!」あれ!? 実は元気!?「「「「了解!」」」」皆元気だこれ!?
と言う訳で俺は黒焦げの妖精さんが反省会を終えるまでふんわり夜更かしするのだった。秋の夜長のお供に良いかも知れない。まだ九月始まったばかりだけども。
■9章 神否荘にも秋が来る/了
【後書】
と言う訳でふんわりした秋編が終わり…って寧ろここから始まるんですけどね!w 秋編序章みたいなお話でした!
次回からまた新章開幕です! またしてもGameの世界に飛ばされる亞贄君。今度PlayするGameはあのモンスターをハンティングする世界で…? お楽しみに♪
更新お疲れ様ですvv
返信削除表紙がシンさんだったからイヤな予感はしてたw
なんとかふんわり無事な感じの妖精さんたち。しっかり生きて!
そして練度を上げて必ずや反撃を(返り討ち
なにやら次回から新章のようですよ。しかもハンティング!
これを期待せずに何に期待せぇ~ちゅうんじゃ!
たのしみなんじゃぁ~~
今回も楽しませて頂きましたー
次回も楽しみにしてますよーvv
感想有り難う御座います~!
返信削除表紙の時点で察せられるレヴェル!ww
妖精さん達もとんだ災難でしたww(笑) これから頑張って生きて欲しいですね…!w
それだっっ!! やはり練度上げは大事…!w
そう! ハンティング!!
いつもの神否荘クオリティでお届け致します!w 乞うご期待っ!!
ぜひぜひ楽しみにお待ちくだされ~♪
今回も楽しんで頂けたようで嬉しいです~!
次回もぜひぜひお楽しみに~♪