2019年10月8日火曜日

【浮世のカルデア事情】第22話「千里眼が有ってもそんなもんよね」【FGO二次小説】

■あらすじ
「オオオ我が…………弱い……?」

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【ハーメルン】、【Pixiv】の三ヶ所で多重投稿されております。

■キーワード
FGO Fate/Grand Order コメディ ギャグ マーリン

Pixiv■https://www.pixiv.net/series.php?id=923944
ハーメルン■https://syosetu.org/novel/146108/
■第22話

第22話「千里眼が有ってもそんなもんよね」


「――時にマーリンよ。貴様、最近浮世に呼ばれる事は有るか?」

カルデアの食堂で気ままにリンゴを齧っていたマーリンに、キャスターの霊基のギルガメッシュが声を掛けた。
マーリンはギルガメッシュに視線を向けると、不思議そうに小首を傾げる。
「君、千里眼で見えてるんじゃないかい?」
「見えているとも。見えているが敢えて問うたのだ。貴様こそ、千里眼で我が問う事が見えていただろうに」
「そうだね。千里眼持ちが二人揃って、何を言い合ってるんだろうね」
はぁーッと二人して溜め息を漏らす。
「……よもや、よもやこの我がカルデアで出番待ちをして幾星霜など……有り得るのか? バビロニアでの活躍を忘れたのか? 我だぞ? 英雄王と名高きギルガメッシュ王ぞ??」
「確かにギルガメッシュ王は久しく出番が無かったようだね」
「斯く言う貴様こそだ! 誰もが欲しているであろうあの外道の人非人、マーリンがカルデアで腐らされてるなど……有り得るのか?? 人理はもしや疾うに蒸発したのか???」
「いやいや、君も私も出番は程々に有っただろうに。夏に水着の霊衣開放とかさ。あと君最近弓の方が祭りを開いてたじゃないか。ギルカーニヴァル」
「それはそれだ! 確かに出番は有った! それは認めよう!! だがな!! ここ久しく戦闘で招集されないのだ、あの浮世に!! なぜだ!? 我ほど有能な術士、そうはおらんぞ!!」
「最近宝具の威力も上がったみたいだしね、君」
「そうだ!! 我が我の霊基を喰らうと言うあの悍ましい経験を経て、更に我はより強力に! 強靭無比になったにも拘らずだ!! なぜ我も、そして貴様も! 呼ばれずに!! 浮世は平然と人理修復の旅を続けているのだ!?」
マーリンが食し終わったリンゴの芯を置くと、真顔でギルガメッシュの顔を覗き込んだ。
「…………弱いからじゃぁ、ないかな」
「…………オオオ我が…………弱い……?」
既に霊基が消滅しかけているギルガメッシュに、マーリンは真顔で続ける。
「あと…………使い難いんじゃないかな」
「つかッ…………それはアレか? 我たる王を御すのが難しい……と?」
「いや単純に戦闘面に不安が残る的なアレで」
「…………」
ギルガメッシュがとても良い笑顔で消滅しかけていた。
「あっ、ギルギルにマーリンおじさん! ヤッホー!」
そこに彼らのマスターである浮世がトコトコとやって来た。
「浮世! おい貴様、我を放っておいて何をしているのだ何を!!」突然息を吹き返したかのように元気になるギルガメッシュ。「我を探していたのか? 仕方あるまい、やはり我がいなければ戦闘面にも不安が残ろう! 良い! 我を助力は惜しま――」
「えっ? 今アマゾネス乱獲してるから暫く出番無いよ? ゴミンニ!」
「アマゾネス……?」「乱獲……?」ギルガメッシュとマーリンが不穏な単語に反応した。
「それよりギルギル~お小遣い頂戴お小遣い」はいっと手を差し出す浮世。「QPがさ~すぐ枯渇しちゃうの! だから、はい! 寄越せ」
「言い方ァ!!」パァーンッ、と浮世の手を振り払うギルガメッシュ。「貴様……ッ、不敬にも程が有るぞ雑種ゥ!! 我を何だと思っているのだ!! 英雄王ぞ!? 我、英雄王ぞ!?」
「ふぇ……ギルギル酷いよ……こんなのって……ないよ……」
しょぼくれ始めた浮世に、ギルガメッシュが目を白黒させる。
「ん? 貴女そんな子だったっけ??」「ギルガメッシュ王、人格若干バグってますよ」マーリンが慌てて耳打ちする。
「もういいよ……ギルギルにはもう頼まない……やっぱり時代はファラ男だよねファラ男! もう金ぴかは時代遅れ! 時代は太陽!!」グッとサムズアップし始める浮世。
「待て待て待て待て――――いッ!!」大慌てで肩を鷲掴みにするギルガメッシュ。「気が変わったぞ雑種、小遣いとやらをくれてやる。言い値でな」
「ヤッター! じゃあ七億QPで!」「国でも買うつもりなの??」「だめ?」「よかろう!! この世全ての財は我の物! 七億QPぐらい安いものよ!!」
ルンルン気分で立ち去っていく浮世を見送ったギルガメッシュは、マーリンに視線を向けた。
「……あのQP、何に使われるか、分かるか道化よ……?」
「分かるよ。分かるから何も口出ししなかったんですよ、ギルガメッシュ王」
「で、あろうな……」
その後、溢れ返るQPでカジノを豪遊した浮世だったが、一日で無一文になったところを見つかり、無事にギルガメッシュは蒸発した。

【後書】
千里眼って知識だけがうんたんって言いますけれど、そんなん有ったらそもそも浮世の召喚に応じなくない??? と思いましたけれど、たぶんアレですね、惚れた弱みって奴ですね!(クソ雑認識)
と言う訳で友達の誕生日プレゼントにこれまた惨たらしいマーリンおじさんと賢じいさんを投稿させて頂きました! 浮世はそのうち平行世界のマスターに嬲り殺しに遭うと思います(笑顔)。
七億もお金が有ったらお前…FGOACの筐体買うわ…(???)

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