2020年4月12日日曜日

【神否荘の困った悪党たち】第78話 俺の全身から餡子が噴き出してるぅーっ!!【オリジナル小説】

■あらすじ
エキサイティングと、にゃんこと、ぬほほ。

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【カクヨム】の二ヶ所で多重投稿されております。

■キーワード
日常 コメディ ギャグ ほのぼの ライトノベル 現代 男主人公


カクヨム■https://kakuyomu.jp/works/1177354054881797954
■第78話

第78話 俺の全身から餡子が噴き出してるぅーっ!!


「エキサイティング……さん? 俺達はこれから、えぇと……もう滅亡待ったなし村……だっけ? に行くんですけど、どうしますか?」

エキサイティングが不思議そうな顔で俺を見つめている。
「何をエキサイティングしてるんだぬほほ?」あんたの名前だよ。「ははっ、頼もしい新人だぜ!」無性に殴りたさがアップしてくるぜ。
「えぇと、田中さん。俺達はこれから――」「ちょっ、おいおい、かぁーっ、待ってくれよ新人ボーイぬほほ! ちょっ、はぁーっ、さっき言ったよな? 俺の事はエキサイティング、そう呼んでくれかっこよくな……」俺の感情がエキサイティングしてきたぜ。
「エキサイティング! 俺達はもう滅亡待ったなし村に行くぜ!!」やけくそぬほほだよ!
「おういええあ。もっとクールに行こうぜぬほほボーイ。まずは落ち着け。いっつそーくーる。いえあ?」テンションの落差で風邪を引きそうだよ俺。真顔でいえあ? とか言わないでほしい。
「そろそろもう滅亡待ったなし村に到着にゃ。ヤバいハンターがいる可能性が有るにゃ、気を引き締めろにゃ!!」にゃんこがタシーンッと俺の足を踏み抜いた挙句興奮気味にスネを叩きまくってる。
「えっ、もう接敵ですか?」まるで勝てるヴィジョンが見えない。「犬死にしません?」
「つまり、猫死に……てか?」エキサイティングがうるさい。「猫死に……てか?」二回言った!「猫死に……」くどい上に反応待ちの顔もメンチ切ってる感しゅごい!!
「!! いるにゃ……! あれは……ブレイクムーンにゃ……!」「えぇ?」「ゲェーッ!!!」エキサイティングの声量だけ俺達の三倍!
コソコソと草むらに紛れて覗き見ると、そこには……砂月ちゃんがふぁんたじぃな恰好をして本屋で本を立ち読みしている姿が。
「アレが……ブレイクムーンですか?」ふぁんたじぃな恰好なのに本屋で立ち読みしてる姿がもうヤバいぐらい合わない。
「そうにゃ……間違いにゃい……読んでる本を解析するにゃ」そのアクションいるかな??「アレは……アニ×アイ本にゃ……!」俺が登場するボーイズラヴ本が発刊されてる……!
「なるほどな……ぬほほ、今がチャンスだ、あのブレイクムーン、視線が完全にアニ×アイのえちえちプレイに釘付けにされてる……嬲るなら、今だぜ……?」語彙を選んでほしい。
「た、確かに、見られるだけで粉々になる訳だから、襲うなら今……か?」見られるだけで粉々とか勝負にならないと思ってたけど、これなら……!
「!! 待つにゃぬほほ!」にゃんこが制止の声を上げた瞬間、ブレイクムーンが顔を上げて周囲をきょろきょろし始めた。「危にゃかったにゃ……あの動き、間違いにゃいにゃ……吾輩達を警戒してるにゃ……!」
「なるほど……」俺には立ち読みしてる姿が友達にバレないように気を遣ってるようにしか見えなかったぜ……!「つまり、あの警戒に引っ掛からないように襲わないと、って事ですね……!」
「ぬほほ、女子高生を襲うとかその、言葉に気を付けろよ……?」このエキサイティングって奴張り倒したいな。「嬲るって言おうぜ?」エキサイティングの語彙の方がエキサイティング!!
「見つからないように近づかないといけない訳ですけど、何か策は有ります? にゃんこ」しゃがみ込んでにゃんこの手を取る。「サイコキネシスでどうにかなります?」
「そうだにゃ……サイコキネシスはそんにゃに万能じゃにゃいにゃ。強いて言えば、本屋を粉々にする程度にゃ……」本屋の店主が大号泣する奴だ。「後は何の本を読んでるか、どこのシーンを読んでるか、どのテキストを読んでるか分かる程度にゃ……」局所的に万能過ぎる。
「じゃあアレですかね、ブレイクムーンがその……熱中しそうなシーンを狙って、畳みかける……感じですかね?」もう戦法が口にするのも恥ずかしい奴だよこれ。
「なるほど……流石はぬほほ、戦略を企てるのがぬほほって感じだな……」このエキサイティングって奴はもしかして俺に恨みでもあるの??「任せとけぬほほ、俺はこれから奴がどんな本を読んでるか確認してくる。作戦はそれからだ!」俺確認したくないなぁ……
とか思ってる間にエキサイティングが堂々とブレイクムーンに近寄り、堂々と真横から本に視線を注ぎだした! 迷惑過ぎるよあの客!!
「ちょっ、あの、何ですか?」ブレイクムーンが気づいた!! 当たり前だけど!!
「ヤバいよヤバいよ、エキサイティングが死んじゃうんじゃないこれ??」ひそひそとにゃんこに耳打ちするよ!「助けた方が良いのかな?」
「まぁ待つにゃ! まだ作戦は終わってにゃいにゃ!」ビシッとにゃんこの前足が俺の胸を叩いた。幸せで死にそうだ。
「アニ×アイ……イイ」グッとサムズアップするエキサイティングだ。
「……」ブレイクムーンは放心した様子でそれを見つめていたが、やがて「イイ……」と満足気な表情でサムズアップを返した。イイの??
「その本、どこにあるか教えて貰っても……?」きょろきょろと棚を見始めるエキサイティング。
「あ、そこの上です。それそれ」ブレイクムーンが指差すと、エキサイティングが手にして、「ありがとう、良きアニ×アイを」と敬礼し、ブレイクムーンも「良きアニ×アイを」と敬礼を返した。
会計を済まし、改めてブレイクムーンに敬礼して立ち去ったエキサイティングは、コソコソと裏から回って俺達の元に帰って来た。
「無事に手に入れたぞ、アニ×アイ本、第九巻! サブタイトル、『アニエ、もう少し餡子を増やした饅頭が、食べたいぜ』!!」俺の感情が死んでいく。
「早速読もうにゃ!」俺の感情が帰って来ない。「アニエって子が、アイヒって子に、積極的に餡子を食わせる漫画のようにゃ」なにこれ俺は地獄を味わってるのか??
「にゃんこ! 今ブレイクムーンがどこを読んでるのかチェックだ!」ビシッとエキサイティングが指差す。
「任せろにゃ! ――分かったにゃ! 今アニエが餡子を練っているシーンで、アイヒが寝返りを打ちながら腕立て伏せをして肘だけで立ってるところにゃ!」人間に可能なのそのアクション??
「どこだどこだどこだここかぁーっ!!」ずぱぁっと漫画を読み進めるエキサイティングだ。「次のシーンでアニエが全身から餡子を噴き出し、アイヒが跳び上がって宇宙に行く……ここだ! ここで決着をつける!!」俺の全身から餡子が噴き出してるぅーっ!!
「今にゃ!! 喰らえ! カカァーッ!!」
にゃんこがカカァーッと口からビームを出して、ブレイクムーンはおろか、本屋もそうだし、もう滅亡待ったなし村ごと全部蒸発した。
これ、本屋のくだり必要だったかな……

【後書】
笑ってコロナを吹き飛ばそうキャンペーンその2! 筆を持たせたら一日で二話も書き上げた日逆どん偉い! もっとがんばれ!!
と言う訳で突然降ってわいたストックはここまでなので、またウオーッてなったら投稿しに参ります! 次回もお楽しみに~♪

2 件のコメント:

  1. 更新お疲れ様ですvv

    2話連続で拝読できるとは良い世の中になったものだ(シミジミ
    どうしたヤバいハンター!
    次回はきっとブレイクムーンさんが瓦礫のなかからムックリと起き上がり、
    エキサイティングさんを粉々にしながら本屋さんの再建を目指すお話と見たw吹き出す餡子がキレイだぜ…

    なんていうかもう「カカァーッ!!」ですべて解決なような気もするww
    まけるなぬほほ!

    ウオーッてなってね(-ω☆)キラリン

    今回も楽しませて頂きましたー
    次回も楽しみにしてますよーvv

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    1. 感想有り難う御座います~!

      良い世の中になった…!ww(それが続くとは言ってないw)
      またえれーヤバい展開になっていきますね!wwブレイクムーンさん、よほどアニ×アイ本が無くなった事を憂いたと見た!ww(笑)
      「吹き出す餡子がキレイだぜ…」でニヤニヤが決壊しましたwwww

      それな!wwもう「カカァーッ!!」が有れば何も問題が無い気さえしてきます!ww(笑)
      まけるなぬほほ!www

      ウオーッてなりたかったですけれど、ちょっと難しかったね…!w(≧◇≦)

      今回もお楽しみ頂けたようで嬉しいです~!
      次回もぜひぜひお楽しみに~♪

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