2020年7月10日金曜日

【浮世のカルデア事情】第25話「マルタさんはキレている」【FGO二次小説】

■あらすじ
マスターはサンドバッグくん。

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【ハーメルン】、【Pixiv】の三ヶ所で多重投稿されております。

■キーワード
FGO Fate/Grand Order コメディ ギャグ マルタ(水着)

Pixiv■https://www.pixiv.net/series.php?id=923944
ハーメルン■https://syosetu.org/novel/146108/
■第25話

第25話「マルタさんはキレている」


 やっほー、あたしは浮世! このノウムカルデアで惰眠を貪る系世界最後のマスターさ!
 今日も紅閻魔ちゃんに美味しいご飯を食べさせて貰おうと食堂に向かう道すがら、水着姿の丸太さん……じゃなかった、マルタさんを発見だ!
 こいつァよきよきな挨拶チャンスだね! ハイタッチかましちゃおう★
「へーいマルタさーん!」ヌバァッ、と右手を挙げるよ!
「ふんッ」マルタさんの怒気怒気のこもった声と共にあたしの鳩尾に重たい一撃が刺さぐべぇアアアアーッッ!!
「ぬッ……ふゥ……ごぽぉ……」もうアレだね、咄嗟の出来事に何か赤い液体しか出てこない奴だこれ。「ほぽぉ……ど、どうした、の……マル、タ、さん……?」
「何って、道端にサンドバッグ落ちてたら殴るでしょ普通」マルタさん、思いっきり平常運転だこれ。「ふんッ」追撃のサイドキックがあたしを襲ううううゥーンゴゴゴゴ!!
 あたし、無事廊下に半身が食い込む。
「かぺぇ……」ヤバいよヤバいよ、全身の骨と言う骨が砕けた感触がしゅごい。医者を呼べーっ!!「マルタさん、今日も血気盛んだけど、これあれかい……? もしかして生理――――」
 マルタさんの連撃があたしの顔面に叩き込まレベベベベベベブボボボボボボ!!
 あたしだったものがその辺に散らばってる惨状が出来上がってしまった。
「サンドバッグ、よく聞いて。いや聞け」その辺に散らばっているあたしだったものに話しかけるマルタさんだ。「あたしは今、苛立っている。何故か? どこかの誰かが丸太なんぞでこのあたしを召喚せしめたからだ。分かるか? 分かるか??」二回言ってる。
 なるほどなー、丸太さんをマルタで召喚した奴が……いや間違えた、マルタさんを丸太で召喚した奴がいるのか。ヤバいねそれは、あたしだ。
 でもそれって不可抗力って奴じゃない? 召喚できちゃったものはできちゃった訳だし。あたしが全身ハンバーグの元になるほど殴られる罪は無くない? え、あるの?? クーポン使える?
「もうね、下手したら霊基がルーラーからアヴェンジャーになるところよ。分かるこの怒りが? サンドバッグを七千兆回破壊しても収まらない怒りよ、分かる??」
 分かるぅ~だってもうこれ何度目になるか分からないレヴェルのポテトサラダ化だもん~。
 と言う訳であたしは力を込めて「ももも!」って復活して、マルタさんの肩を叩いてあげた。
「マルタさん、アヴェンジャーとしての活躍、期待してるよ!」
 グッと軽やかなサムズアップ! カァーッ! 決まったな~チクショウ! これであたしの評価が竜登り! 今日の昼ご飯は竜田揚げ定食で決まりだっっ!!
「取り敢えず武器は丸太にしとく? それとも角材?」
 さりげなくポイントを稼ぐのも欠かさないあたしなのだ。ヤバいなこれ~マルタさんオトしちゃったかも?? いや~参っちゃうな~あたしにはマシュって言う困り果てた後輩が――――

◇◆◇◆◇>>><<<◇◆◇◆◇

「……えぇと、これが今回の先輩ですか」
「そうでち。このままでは食堂に来る子達がSAN値直葬ちますから、マシュも清掃活動を手伝って欲しいのでち」
「分かりました……」
 食堂に繋がる廊下一面に撒き散らされた人体を構成する要素を、辟易とした様子で掃除し始めるマシュと紅閻魔。
 それの元が何かは知らないし、知りたくも無いし、知ったらこれもう人理終わっちゃうなこれーと思いながら掃除に励むのだった。

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