2020年8月28日金曜日

【スマブラ二次小説】アイクと、んんーんの三分クッキング

■タイトル
アイクとんんーんの三分クッキング

■あらすじ
ええと……何だったかな……忘れた!

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【pixiv】で多重投稿されております。
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(この物語は収録されておりませぬ、悪しからずご了承ください。)

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【アイクと、んんーんの三分クッキング】は追記からどうぞ。
【アイクと、んんーんの三分クッキング】


「マルマルのマルス! 今夜料理番組に出演するからぜひ視聴してくれ!」

 アイクがエプロン姿でマルスの前に姿を現し、マルスは真顔で「それはいいけど……“マルマルのマルス”がだいぶ聞き捨てならないんだけど」と抜剣しそうになっていた。
「アッと驚く配信になるからな、楽しみにしててくれ!」
 ふふふ、と得意気に笑うアイクに、マルスは不安以外の言葉を全て失った。

◇◆◇◆◇

 そして夜になった。
 部屋のモニターを起動して指定されたチャンネルを入れると、丁度始まった所だった。
 アイクと、簀巻きにされたウルフが映っている。背後にある看板には“アイクとウルフの三分クッキング!”と記されていた。
「えっ、もう既に放送事故感が凄いなこれ」簀巻きにされたウルフに視線が釘付けのマルス。
「アイクと~?」「んんーん!」「の! 三分クッキング! が始まったぞ」アイクが楽しそうにウルフが苦しそうに宣言した。
「ウルフがヤバいウルフが」既に心臓が破裂寸前のマルス。「え? 共演者簀巻きにする料理番組なのこれ?? 不穏過ぎるよ!!」
「さて! 今日作るのは! 作るのは……」アイクがチラッとウルフに視線を移した。
「んんーん!」ウルフがひたすら苦しそうだ。
「今日作るのは……ええと……何だったかな……忘れた!」パチィーンッ、と指を鳴らすアイク。「肉じゃがにするぜ!」
「放送事故じゃないか!! 今忘れたって言った! 今忘れたって言った!!」ツッコミが追い付かないマルス。
「まずは用意した肉を……」ウルフを見つめるアイク。「肉を……」涎が垂れ始めた。
「何でウルフをガン見してるのアイク?? それ共演者だよね?? 断じて食材じゃないよね???」モニターから視線を逸らせないマルス。
「肉……」ウルフを見つめたままハァハァと息遣いの荒いアイクだったが、ハッと我に返って涎を拭った。「まずはメタナイトを用意するぞ」
「メタナイトを用意する、とは」メタナイト調理器具なの??? と頭の上にクエスチョンが張り切って咲いているマルス。
「サポート肉裂きマシーンのメタナイトだ、宜しく頼む」キリリッとメタナイトが映り込んだ。
「耳が滑りそうな名称が出てきたぞ……」喉仏が弾けそうなマルス。
「用意したウルフ……じゃなかった、肉を細切れにするぞ」「なにて???」アイクの発言にマルスが全力でツッコミを入れる。
「んんーん! んんーん!」ウルフが血走った目でカメラに何かを訴えている。
「ヤメテヤメテ!! これ料理番組じゃない! これ料理番組じゃない!! 殺人ショー!! 殺人ショーが始まる!!」
 マルスがてんやわんやした瞬間、突然画面が切り替わり、大自然の中を一隻のボートが流れる映像が流れ、“暫くお待ちください”と言うテロップが表示された。
「ウルフゥーッ!!」マルスの悲鳴が天高く上がった。
「はい!」画面が切り替わり、全身返り血で一杯のアイクが映り込んだ。「では肉の用意が出来たから、これを……これを……ええと……何だったかな……忘れた! 食べるぜ!! むしゃむしゃ」鮮血滴る生肉をモリモリ食べ始めた。
「サイコパス配信過ぎる……」マルスの顔から血の気が失われた。
「むしゃむしゃ。ごくり。じゃあ三分経ったからこれで終わりだ! 次回配信も楽しみにしてくれ! ではな!」
 配信が突然終わり、マルスは真顔のままCMを流すモニターを見つめていた。
「……ウルフを細切れにして食べただけだこれ……」
 その後暫く肉を食べられなくなったマルスなのだった。

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