2021年1月17日日曜日

【神否荘の困った悪党たち】第85話 聞かなかった事にしてください【オリジナル小説】

■あらすじ
ニャッツさんから電話番号を聞き出すのはやめよう。

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【カクヨム】の二ヶ所で多重投稿されております。





【第85話 聞かなかった事にしてください】は追記からどうぞ。

第85話 聞かなかった事にしてください


「じゃあ次はニャッツの野郎に掛けるぞ」

 犬野さん張り切ってメイちゃんに電話を掛けてと頼み込んでるけど、そもそもにゃんこに特殊詐欺が掛かってくるのか謎過ぎるし、もっと言えばにゃんこがスマフォーンを持っている事にもっと疑念を持って欲しい。
「ぷるぷるぷる……」メイちゃんが震え始めた!「ンナァ~、ンナァ~」ニャッツさんの声だ!
「もしもし? オレオレ!」犬野さんが張り切って演技を始めた!「オレだよオレ!」
「ンナァ~」メイちゃんの口から間延びしたニャッツさんの呻き声が流れてる。「ンナァ~」
 犬野さんを見やるも、犬野さんも反応に困ってる様子だった。
「おい、ニャッツ? 聞いてるのか?」
「ンナァ~……尻尾を現したかネズミめ。我輩を誰と心得る、ニャッツ・ネコランド皇帝にホットラインで繋ぎながらもその言動……死罪は免れぬと知れ」こわっ、誰??
 ニャッツさんの声っぽいけれど、ニャッツ味一つも感じなかったぞ……
 犬野さんも困った様子で俺を見つめてるけど、俺に何を期待してるのこのポリスメン??
「ここは任せなガイズ」ナモがまたしゃしゃり出てきた!「――皇帝陛下。不躾な言動をお許しください。オレさアレさ、皇帝陛下に金借りたく存じるって奴だよこれ」敬語もタメ口もガバガバだぞ!!
「……誰ぞ? 我輩のホットラインを知る者は極少数……調べれば即知れるものと知れ」
「オレだってオレ! カァーッ分からないかなぁ、皇帝陛下ともあろうお人が分からないとかカァーッ! オレだよカァーッオレ!」カァーッは要らないんじゃないかな……
「……」ニャッツさんの沈黙が完全に殺人兵器だよこれ。「我輩を、試そう、と?」
「カァーッ!」カァーッはもうヤメテ!「カァーッ! いやまぁアレだ、金が無いから金欲しいんだ金くれよ分かるだろ?」こんな雑な詐欺、聞いた事無いよ!
「……にゃ? もしかしてナモ殿にゃ?」突然素のニャッツさんに戻っちゃった!「もっと早く名乗ってほしいにゃ! 危うく銀河大隊を派遣するところだったにゃ! 地球が火の海になるところだったじゃにゃいか!」
「おういえ、まぁそんな感じさ」ナモがへへっと鼻の下を擦ってる。「って訳で、ニャッツボーイも詐欺には引っ掛からない最強のにゃんこだって事だな」
「……いや、こいつに詐欺を掛けようとしたら地球が火の海って……」「聞かなかった事にしてください」「詐欺の電話で地球が火の海に……」「聞かなかった事にしてください」
 今回の教訓。詐欺はダメ絶対。騙す相手を間違えると、地球が火の海になるからね。

2 件のコメント:

  1. 更新お疲れさまですvv

    火の海ですめば良いですけど……

    書き初めにして累計100話おめでとうございます!
    箱庭の中でちょこまか動く彼らを覗き見し始めてはや100話。
    笑いあり、爆笑あり、そして大爆笑…
    彼らのお話がこれから200話、300話…と続いていくことを願っております!

    今回も楽しませて頂きましたー
    次回も楽しみにしてますよーvv

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    1. 感想コメント有り難う御座います~!

      確かにwww火の海で済まない可能性まであるwww

      有り難う御座いまする~!! 遂に累計100話なんて来ちゃいました!w
      もう笑って頂ける事が何よりの報酬です…!
      ぜひ200話、300話と笑い続けて貰えるよう、今後も楽しんで綴って参りますゆえ、どうか宜しくお願い申し上げまする!

      今回もお楽しみ頂けたようで嬉しいです~!
      次回もぜひぜひお楽しみに~!!

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