■あらすじ
ネトゲで好きになってしまった相手は、きっと異性だと思っていた。▼この作品はBlog【逆断の牢】、【カクヨム】、【Pixiv】で多重投稿されております。
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■第1話→https://sakatatsunorou.blogspot.com/2019/10/blog-post_18.html
■第18話→https://sakatatsunorou.blogspot.com/2022/01/blog-post_31.html
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【第19話 ほろあまの日〈1〉】は追記からどうぞ。
◇◆◇◆◇>>ジン<<◇◆◇◆◇
もぺ子「こんちわー」
学校から帰って来て、今日もFPの世界をダラダラ過ごしていたら、知らないプレイヤーに声を掛けられて一瞬心臓が踊った。
誰かと間違えてるのかな……? と思いながらウィスパーチャットを見知らぬプレイヤー、もぺ子さんに設定して反応してみる。
ジン「こんにちわー!」
もぺ子「やあ。わしわし。喫茶かしまの店長です」
ジン「え!?」
「て、店長さんが……何故ここに……?」
喫茶かしまの情報は、私と座長さんしか知り得ない情報の筈だ。けれど、何故店長さんが私のアカウントを知っているんだ……?
ジン「店長さん!? どこで俺の事を!? もしかしてどこかで晒されてる!?」
もぺ子「いあー、店にいる時にチラッと盗み見ただけー」
ジン「ええ…それだけで分かるもんなの…」
もぺ子「わしの視力と記憶力を舐めたらアカンぜよ」
この適当な感じ、まさしく店長さんだと何と無く察した。
もぺ子「一応言っとくけど、ジン君をどうこうしようって話じゃなくて、」
もぺ子「単にジン君と座長君の様子を暇潰しに眺めたいだけだから心配しないでね」
ジン「ええ…逆に心配になる奴…」
もぺ子「ダイジョーブダイジョーブ、邪魔しないから存分にいちゃらぶして」
ジン「早速とんでもねーワードが出てるじゃねーか!」
「うわぁ~大変な事になる奴だよこれ……」
思わず天を仰いでしまう。知っている人がFPの世界に来てくれて一緒にチャットできる事自体は最高に嬉しい。けれど今の環境が混迷を極めそうでもう心臓が持つか今から心配だ……
店長さん……じゃなくて、もぺ子さんのアバターが近くに寄って来てやっと姿が見えた。
緑色の肌、頭にドリル、服がサラシにふんどし、星型のサングラスを掛けた、身長が二メートル以上ある、お姉さん。
ジン「wwwwwwキャラメイクどうしたのそれ!?!?!wwwwww」
思わず大爆笑してしまってから、しまった、人のキャラクリを笑うなんて最低だ! と気づいて慌てて謝罪を入力しようとしたが、先にもぺ子さんが反応した。
もぺ子「かっけーでしょ、そんじょそこらの色物に負けないぜわしは」
ジン「wwwwwwwそりゃ負けねーだろうけどwwwww」
もぺ子「だろ~? じゃなかった、本題忘れてたわうっかりてへぺろ」
ジン「本題??」
もぺ子「もうじきバレンタインでしょ。座長にチョコ渡すんじゃないの?」
ジン「!!!」
しれぇーっと言われて全身が火だるまになったみたいに熱くなってしまった。
そう言えば、確かに、そうだ。もうじきバレンタインデーだ。去年は……確か……FP内でチョコを渡したような……どうだったかな……
今年は、座長さんに直接渡す事だって出来るんだ。会おうと思えば、会えるところにいるんだもん。
でも……迷惑じゃないだろうか。引かれてしまわないだろうか。そんな想いが腹の底を渦巻き始める。
喜んでくれるなら、勿論それに越した事は無い。ただ、受け取る事さえ拒否されたら、私は本当に立ち直れるんだろうか……
悶々と思考が螺旋階段を描き始めた頃、もぺ子さんが更に追撃するようにチャットを打ち込んできた。
もぺ子「チョコ作りは難易度ちょっと高いからスルーで、どう? 一緒に座長に渡すチョコ、買いに行かない?」
「え……?」
思わず指が止まってしまう。それって、どういう……?
困惑したまま固まっていると、更にもぺ子さんのチャットが続いた。
もぺ子「あー、ごめん。ついはしゃいじゃって一方的な話になちゃたね」
もぺ子「わしさ、二人の仲を応援したくて出張っちゃった強火の推し活おばさんなのゆるしてぺろぺろ」
もぺ子「もし不愉快だーキモーイって思ったらほんとごめん。わし自重してこれ以上は関わらないようにするから」
ジン「待って待って!wwww 話が勝手にガンガン進んでる!wwww」
私と、座長さんの仲を応援してくれる。
……って、もぺ子さんから見たら、私の想いなんて最早透けて見えている、って事なんだろうか……ううぅ、恥ずかしさで顔から火が出そうだ……!
悪い人じゃなさそうだけれど、正直まだ店長さんだって事が確定してないまであるのに、どうこう言うのは難しいと思う。
だから、まずは確認からしなくちゃ。
ジン「今から店に行っても良いか? もぺ子さんと、直接話がしてみたい」
もぺ子「お」
もぺ子「いいよー。丁度お客さんいないし、いつでもどぞー」
もぺ子「あ」
もぺ子「よっぽどだったら座長と一緒に来ても良いからね」
ジン「もぺ子さん、チャット早過ぎじゃない……??」
もぺ子「暇を持て余してるからね。レスポンスの速さは誰にも負けねー」
ジン「見習いたい速度だ…! じゃあ今から行くから待ってて!」
一旦FPをログアウトして、出掛ける準備をする。マスクを装備して、スマフォーンで天気予報を確認。夜に掛けて雪が降るかもとあるので傘も装備! いざって時はこれで戦えば大丈夫……の筈!
座長さんのいないところで、座長さんを知る人に会いに行くのは、ちょっと怖いけれど……座長さんが安心して通っている喫茶店だって聞いたからには、私もそこの常連さんになれるぐらいに通いたかったところだったんだ……!
前回と違い、座長さんと甘い時間を過ごす訳じゃない。もしかしたら、座長さんを賭けた戦いが起こるかも知れないんだ……!
意識を引き締めて、私は家を飛び出した。曇天が敷き詰められた黄昏時は、普段以上に薄暗く感じられた。
今にも白雪が舞い降りそうな空の下、私は戦々恐々の態で戦場へと――きっと戦場へと、馳せ参じるのだった。
更新お疲れさまですvv
返信削除それにしてももぺ子さん、緑にドリルにサラシにふんどしw
そして畳み掛けるように星型サングラス!これには降参せざる得ませんなw
もしかしたらこれも性癖博覧会の催し物なのではないのか?と、いらぬ想像を巡らせてはやっぱ先生強者ね…と納得するのでした。
初めて座長さんが登場しないお話なのにこのドキドキ感はなんなんだw
いや、登場しないからこそのドキドキ感かもしれないな…ヤバい討死しそうだw
原稿先生!はよ次回!!
今回も楽しませて頂きましたー
次回も楽しみにしてますよーvv
感想コメント有り難う御座いまする~!!
削除もうこれでもかってぐらいヤバいイメージのキャラクターに仕上げました…!ww たまぁ~にそういう人を見かける度に「どういう心境でそのキャラに…!?!!?」と思っておりましたが、たぶんこんな感じなのかなとww
言われてみれば今回が初めてかな…!?>座長さんが登場しない回 保護者的視点になってるのかも知れない…!ww 討死は待って待ってwwwwww(笑)
任せろーっ!┗(^ω^)┛ ワンチャン今月中にもう一本仕上げてきちゃうもんね!(´▽`*)
今回もお楽しみ頂けたようで嬉しいでする~!
次回もぜひぜひお楽しみに~!!