■あらすじ
ネトゲで好きになってしまった相手は、きっと異性だと思っていた。▼この作品はBlog【逆断の牢】、【カクヨム】、【Pixiv】で多重投稿されております。
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■第1話→https://sakatatsunorou.blogspot.com/2019/10/blog-post_18.html
■第17話→https://sakatatsunorou.blogspot.com/2022/01/blog-post.html
■第17話→https://sakatatsunorou.blogspot.com/2022/01/blog-post.html
【第18話 そしてまた明日が来る】は追記からどうぞ。
◇◆◇◆◇>>ジン<<◇◆◇◆◇
「今日はありがとうございました」
時間の感覚も分からなくなるほど緊張した喫茶店での出来事を経て、いつの間にか外が暗くなり始めた頃。
喫茶店を出て待ち合わせに使っていたコンビニまで戻ってくると、私は座長さんに深々とお辞儀をした。
終わってみると、あっと言う間だった。もっと一緒にいたいと願えど、時間は巻き戻ってくれない。幸せな時間ほど、過ぎ去る時間は早過ぎるものだと実感してしまった。
顔を上げると、座長さんは優しい眼差しで微笑んでいた。
「うん、こちらこそありがとね。今年は良い一年になりそうだ」
「ですね……! 私も今年は良い一年になる気がします!」
お互いに笑い合い、あぁ、もう帰らなくちゃ、と思えど、どうしても足が動かなかった。
もう少しだけ……もう少しだけ、お話ししていたいな、なんて。
座長さんはそんな私のワガママに気づいているのかいないのか、「あ、」と声を漏らすと、懐から煙草のケースを取り出した。
「吸ってるところ見たいって言ってたのに、忘れちゃってたね。今、良い?」
「――――! う、うんうん! ぜひぜひ!」
「そ? じゃあ、遠慮なく」
煙草を口の端に銜えると、慣れた手つきで安そうなライターで火を点ける。
ふぅー……と紫煙が黄昏の空に溶けていく。
それを私はぼんやりと眺めていて、座長さんもどこか上の空で紫煙の先を見つめている。
何でも無い一日の終わり。一服、と言う名のひと時を、私は座長さんと過ごしている。
それがあまりにも尊くて、嬉しくて、……儚くて。
どうしてか、胸がきゅぅきゅぅと締め付けられるほど、切なくなってしまった。
「……それじゃ、またFPで」
涼しげな笑みを覗かせて敬礼する座長さんに、私も釣られるように敬礼を返す。
「はいっ、またFPで!」
そう、これで終わりじゃないんだ。
帰ったら、今度はFPの世界で、また座長さんに会える。
また一緒に、冒険が出来る。お話しが出来る。……同じ空間で、時間を共に出来る。
その当たり前だった世界を、今度より鮮明に、より明確に意識して、過ごしていくんだ。
座長さんがゆっくりと背を向けて、歩いて行く。
その背に抱き着いて、ワガママを言いたい。……そんな幼稚な妄想に取りつかれても、現実の私はしっかり現実を認識していた。
また会える。そう信じて、私は帰路に着く。
そうだ、何度だって会えるって、私は信じてる。これからずっと、もっと一緒に。
◇◆◇◆◇>>座長<<◇◆◇◆◇
「かぁ~っ! こんな美味い酒は久し振りだぁ~っ!」
部屋に戻ってあたしは即、秘蔵の焼酎を開けた。もう飲むのは今日しかないと確信していた。
喉越し最高、一気に酔いが回る。シャワーを浴びて、暖房をガンガンに焚いた部屋は最高に眠気を催す空間へと変貌していた。
思い返すに……幸せな思い出しか蘇らない。今日は一日最高に気持ち良く過ごせた……こんな日が有って良いのかってぐらい幸せだった……
そうだ、FPにログインしないと、と思ってスマフォーンを手に取る。
記録されているIDとパスワードでパパッとログイン。
真っ先に飛び込んでくるのは、目の前に佇むジンちゃんの姿。
ジン「おっさん遅い!!!!!」
即飛んできたチャットに、あたしは思わずにやけてしまう。
も~何だよ……これあれかい? もしかしてあたしのログインを待っててくれた奴なのかい? やめてくれよ……おばちゃん嬉しくて泣いちゃうだろ……
半分酩酊状態の指ではチャットも難儀だけれど、辛うじて文字を打っていく。
座長「おー」
ジン「今日はありがとな! めっちゃ楽しかった!」
座長「おつさんもたのすかつたよー」
ジン「また今度一緒に出掛けような!」
「まッッッッ、てくれよ…………」
驚きと興奮で思わず悲鳴が出てしまった。
え……これ、またデートしてくれって事で合ってる……よね?
付き合いで仕方なくーじゃなくて、向こうから誘ってるよねこれ??
あたしの勘違いじゃないよね?? 夢じゃないよね?? 酔って見てる幻覚じゃないよね??
はぁ~……何だこの可愛い生き物は……神は二物を与えないんじゃないのか……何もかも与えた神まじぐっじょぶだよ……
嬉しさと興奮で過呼吸になりつつあったけれど、このまま反応が無ければ不穏に捉えられかねないと思い、震える指で文字を打っていく。
座長「もつろん」
「かぁ~っ! 大事なところで噛みやがってこの指!!」
いや寧ろアルコールデバフが悪いと思うのだがそれはそれ。
気持ちは伝わっただろうと思って過呼吸のままスマフォーンをジッと見つめていると、ジンちゃんはいつも通りパパッと反応を返してくれた。
ジン「やったぜ! またあの喫茶行こうぜ!」
「…………ダメだ、もう幸せゲージがリミッター振り切ってるからもう寝させて……幸せ死しちゃうわ……」
完璧にデートのお誘いです本当に有り難う御座いました。
あたしはもう意識が遠退きかけながらも、辛うじて「いいよー」とだけ返して、そのまま寝落ちした。
その日見た夢は、もう何か凄かった。言葉に出来ない幸せで溢れ返っていて、朝起きたら「今日から仕事真面目にがんばろ……」って独り言ちるぐらいにヤバかった。
推しに直接貢げるようになった今、もう仕事はサボれないと決意した。新生したあたしはもう何も恐くないし最強なのだ。
でも起きた時スマフォーンの充電が切れてたから今日はやっぱり欠勤しようかなと思ったのはナイショだ。
更新お疲れさまですvv
返信削除ツイッターで更新の告知を見た瞬間何かが弾ける音がしました。今のところは大丈夫ですが…討死ッッ!!
もう本編どころか告知を見ただけで討死しちゃう体質になってしまいました。
どうしてくれんの…
もう尊すぎて言葉も出ませんがなw
二人ともちょっとだけ自信がなくて、でもすっごく相手を想ってて…
あぁーこのモダモダ感たまらん!!!
次回も命削る覚悟で読んでやる!!!!!
今回も楽しませて頂きましたー
次回も楽しみにしてますよーvv
感想コメント有り難う御座いまする~!!
削除更新告知だけで弾ける音が!?!?!wwwww告知を見ただけで討ち死にしちゃう体質wwwwwwとんでもない事になってしまいましたなwwwwwwww(笑)
確かにそれはもう「どうしてくれんの…」以外言葉がwwwwwww責任重大過ぎるwwwwwww
尊さを提供できて嬉しい…!!!┗(^ω^)┛
互いに想い合っているけれど、その実互いに想いが強過ぎて踏み込めない/気を遣い過ぎてしまうんですよね…!!
そのモダモダ感をバリムシャ綴って参ります!!!!!(´▽`*)
命を削る覚悟で!?!?!wwwwwwこれはもう、わたくしも命を削る覚悟で綴らねば…!!!!!┗(^ω^)┛
今回もお楽しみ頂き有り難う御座いました…!!
次回もぜひぜひお楽しみに~!!!