2022年10月22日土曜日

【神否荘の困った悪党たち】第93話 ルァイン!!!!!!【オリジナル小説】

■登場人物
・二糸亞贄(フタイト アニエ)/主人公。神否荘(かみいなそう)の管理人。苦労人。
・奈森崋斬(ナモリ カザン)/通称ナモ。アニエの唯一の友達。やっぱり何かおかしい。
・裁倉臣(サバクラ シン)/通称シンさん。殺し屋の金髪美女。大体いやらしい事してる。
・九窓愛火(クマド アイヒ)/通称ラヴファイヤー君。魔王で社長のお兄さん。営業で忙しい。

■あらすじ
・ドブネズミ★ゴリ蔵さんはゴリラでした。

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【カクヨム】の二ヶ所で多重投稿されております。

第94話→まだ


【第93話 ルァイン!!!!!!】は追記からどうぞ。

第93話 ルァイン!!!!!!


「それでは一旦編集部に帰りますが、錐原先生はその調子で原稿の方、宜しくお願いします」

 ドブネズミ★ゴリ蔵……じゃなかった、ゴリラはのっそのっそと帰って行かれた。
「神否荘がどうこうって言うより、この病市全体的にヤバくない?」俺はぶっちゃけたよ。「ゴリラが平然と神否荘に入って来る時点でもう腰を抜かしたよ俺は」今もガクガクだよ。
「俺も初めて生ゴリラ見たぜ」生ビールみたいな言い方してんじゃねーよナモ。「やっぱこう、黒いんだな、あとでかい」感想が雑過ぎてゴリラに対してなのかも分からない。
「ところで先輩先輩、ルァイン入れたんで連絡先交換しましょうよ!」砂月ちゃんがズイズイとスマフォーンを寄せてきた。「えへへ、これでいつでも先輩に資料請求できますね!」とんでもねー事になっちまった。
「おい……おいにーさん、お前女子高生に資料請求ってお前……お前……何かやましい事が有るんじゃねーだろうな、このナモさんに話してみ? ん?」殴らせて欲しい。「さては夜な夜な破廉恥な写メを送り合うんじゃねーだろーな? 俺も混ぜてね」何発殴れば良い?
「先輩には愛火さんとのぬちゃぬちゃ絡み合った画像を送って欲しいだけですから~、そんなんじゃないですぅ~」砂月ちゃんがとんでもねー事ぶちまけてるぅ~。「何かこう、全身にオイルを塗りたくって、寝技中心の組み手をしてるだけの画像ですから健全!」健全の概念が崩れ去る音を俺は聞いたね。
「なるほー。後で俺にも送っといてねにーさん」殴りてぇ~。
 ともあれ俺達みんなとルァインの連絡先を交換した砂月ちゃんは、ホクホク顔で自室に帰って行った。
「ラヴファイヤー君は仕事でいないだろうし、後は……シンさんかぁ」気乗りがまるでしない。
「何でそんなやる気無いの? 金髪美人のお姉様のルァインだぜ? そんなの欲しいに決まってるだろ」ナモは何でそんなにやる気が有るんだ……「夜な夜な破廉恥な画像を送り合うんだろ? 任せろ、そういうのは観て満足する派なんだ」何言ってんだこいつ。
「うーん、ナモはいつも通り訳が分からないけど、シンさんにも勧めに行くかぁ」
 と呟きながらシンさんの部屋を向かおうとしたタイミングで、俺のスマフォーンが「ルァイン!」とルァインの通知を知らせてくれた。
 誰だろう、と思って開くと、シンさんから友達登録の申請が来てた。
「えっ、もう話をしに行く前に先手を取られてる件」情報筒抜け過ぎでは?「まぁいいや、登録登録~」
 シンさんと友達登録した瞬間ルァインが飛んできた。

シン「誘うのが遅えぞにー君」
シン「罰としてお姉さんの部屋でくんずほぐれつ5時間ぐらい楽しまない?」
シン「いや楽しめ。今すぐだ。早く来い殺すぞ」
シン「五秒数えるぞ」
シン「5」
シン「4」

「ウワァーもうヤバい急ぐんだぁ~」大慌てでシンさんの部屋に飛び込むよ俺は!
 バァーンッ、って扉を開くと、シンさんが飛び出してきて、俺はその胸圧で廊下に尻餅をついた。「あうち!」とても痛い!
「遅いんだよ! 真っ先にあたしを誘うべきだろルァインはよぉ!」シンさんがご立腹だ!「罰として何をさせてやろうかな……ポリ公殴らせるのはアリか……」ナシです。
「話を聞いてたなら手伝ってくれればいいのに~」シンさんがいれば話が早かった……いや全部拗れてたな。「やっぱり今のナシです」
「上等だお前。今からあたしのテクニックであたしの体ナシじゃ生きられない体にしてやる……」怖過ぎるんじゃぁ~。「おうナモ。あたしとルァインやりたいんだってな? いいよぉ~、ねっちょり深夜やり取りしようぜねっちょりなぁ」
「おん。暇だったらね」ナモが引いてるの珍しいな。「助けてにーさん、悪いお姉様に全身を性感帯にされちゃう」お前の頭の中もしかして桃畑なのか?
「えーと、これで後はラヴファイヤー君だけかな?」メイちゃんはたぶんマナさんが機能として付け加えてる気がするのでスルーする奴。「ラヴファイヤー君とか仕事で使ってないのかな、ルァイン」
「ん? 愛火君にも入れさせたいの? 電話しようか?」シンさんが早速スマフォーンで通話を始める。「あー、愛火君? にー君が今すぐ帰ってこないと絶交するって喚いてるよ」何てこと言うんだ。
 スマフォーンから凄まじい泣き声が聞こえてきたが、すぐにシンさんは通話を切ってしまった。何てことするんだ。
「これですぐ来るでしょ」来るだろうけど。「じゃあちゃんとルァイン返信しとけよ~既読スルーしたらタダじゃおかないからヨロシク~♪」地獄が始まってしまった。
「ウワァーッ! 孫君孫君絶交は嫌っす絶交は嫌っす~!」
 顔面土砂崩れで駆け込んで来たラヴファイヤー君を宥めるのに一時間は掛かったと言う……何てことするんだ。
 一時間後。
「――ルァインっすか? 仕事ではGaMailが基本っすね」がーめーる?「ぐぐーるに対抗すべく設立した、ガーゴイルって言う魔族の会社の製作したメールっすね!」そんな会社が……
「じゃあラヴファイヤー君もルァイン入れて貰って良いかな? マナさんがみんなとルァインしたいって話でさ~」ふわふわと伝える。
「じゃあもうみんな入れてるんすか⁉ 僕も入れるっす僕も入れるっす! すぐ入れるっす今入れるっす今入れたっす!」行動力の権化かな?「早速孫君にルァイン送るっすね!」

愛火「こんにちは」

「お、来てる来てる。今返信送るね~」

亞贄「こんつあー」
愛火「おつかれさまです」
亞贄「おつかれさまでーす」

「孫君と……! ルァインできてるっす……!」ラヴファイヤー君が感極まってる!「嬉しいっす~! こんな感じでやればいいんすかね⁉」う、うーん、こんな感じで良いのだろうか……
 ともあれこれで神否荘の住人は皆、ルァインを入れた事になったので、俺の目標は達成! マナさんのお手伝いも完了! 俺は眠れる! はっぺー!
 と言う訳で皆に挨拶をして自室に帰って、さぁー二度寝しよーっとお布団に潜り込んだら、スマフォーンが無限に「ルァイン!!!!!!」と喚き始めた。

愛火「おつかれさまです」
ニャッツ「おい師匠! ゲームするぞ!」
シン「おいー、まだ返信来てないぞ寝るなー寝たら殺す」
砂月「せんぱーい、愛火さんと逆立ちしながらまぐわうポージングの画像くださーい」
式子「あにえさんみてください! わたしもるぁいんできましたよ! えへへ!」
ナモ「にーさん、俺のクルマ知らん? また盗難されたやもー」
マナ「亞贄君、有り難う。とても賑やかになったわね。うふふ」

「…………」
 無限にルァインが飛んでくるので、俺はその日、結局昼寝する事が出来ないまま無限に返信をし続けて夜を迎えるのだった。
 これ夜も眠れるのか……? と言う一抹の不安と共に、秋の夜長が無限大になるのだった……ねむひー。

2 件のコメント:

  1. 更新お疲れ様ですvv

    たしかに秋の夜長無限大とか陥りがちですよねw
    わたしの場合で考えてみると、割りと交流の浅い方たちとのグループの場合夜長に陥りやすいような…w
    気心知れてるメンバーだと「これ以上だと腹筋崩壊の可能性大なので寝るわー」(壮絶な理由)とかなんとか言って切り上げられるけど、そうでもない場合は「また返信きちゃうかな?も少し待ってみようかな??」とか無限ループの罠がw
    まぁ、それがあんまり「ルァイン」が好きになれない一因だったりするのかも。
    あくまでも「ルァイン」の話よw
    それを踏まえて神否荘!心労で苦しむのは目に見えて彼wフリーダムなメンバーに振り回されそうです。
    でも、きっと心地よい振り回されかと思われますよねw

    今回も楽しませて頂きましたー
    次回も楽しみにしてますよーvv

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    1. 感想コメント有り難う御座いまする~!(´▽`*)

      それwwwww秋の夜長は無限大に陥りがち…!wwww(笑)
      確かにーっ?!?!? ワシも気心の知れてるメンバーだと割と切り上げるタイミング早い気がしまする…!www
      ワシもそれが「ルァイン」をやらなくなった理由なのかも知れないと、今更のように気づかされました…!ww
      彼はもうこれからずっと「ルァイン」の返信にあらゆる隙間時間を費やされそうでwwwww(笑)
      ですです!w それもまた何だかんだ楽しくできてしまいそうですよね…!ww

      今回もお楽しみ頂けたようで嬉しいでする~!
      次回もぜひぜひお楽しみに~!(´▽`*)

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